鹿俣山 1637m (1710m峰)

  数年前の3月に鹿俣山から獅子ヶ鼻山に行き夜後沢を滑り降りたことがある。その時の印象で距離は短い初心者向きのコースだがブナの疎林の雰囲気が良くパウダースノーの時にもう一度行って見たいと思っていた。

 今年はどこも小雪だが、先週からの大雪で鹿俣山山麓にあるたんばらスキー場で積雪が170cmとある。まだ藪は完全には埋まっていないものの充分山スキーが可能だろう。自宅から近い(片道75q)のも都合が良い。

 26日火曜日は好天の気象情報で出掛けて見た。天気は良かったが数日前と昨日の大量の積雪でセミファットのスキーを使っても足首から膝までのやや重いラッセルが続いた。おまけに前回に行った時の楽だった記憶で地図をよく確認せずに滑り降りたのでルートミスを犯して夜後沢と別の沢を下りてしまい、引き換えしてやっとのことで日暮前に戻ってきた。

 雪が締まっている時、あるいは先行者のトレースなど上がるときは良いが、どんな楽なルートでも単独での深雪ラッセルは非常に厳しい事を実感した。また、どんな時でも要所要所で地図をよく確認しなければいけない事を痛感した。今回、後からGPSのトラックを見てひどいルートミスを犯していたことに愕然とした。

 
1月26日(火) 晴 風弱し

単独

登行高度:420 m、 滑降高度:630 m(ゲレンデを含む) 
たんばらスキー場トップ(9:10)--鹿俣山(9:40〜9:45)-1701m峰(11:00〜11:10))-刈又沢上部の1400m地点(11:45〜11:55)〜1685m峰(15:05)-鹿俣山(16:00)―スキー場下部(16:35)
   

  朝早く自宅を出て、たんばらスキー場の駐車場に8時ごろに到着。山スキーの準備をしてリフトのチケット売り場に行き、シニア1日券を購入。リフトは8時半から営業を開始した。

  最近の積雪状況を聞いて、これから山スキーに出掛けると言うとスキー場の係り員に「腰くらいのラッセルがありお勧めしません。」と言われた。スキーを履いたら腰までという事は無いだろうがとりあえず行って見てその場で止めるかどうか決めようと登山届を出してリフトに乗った。

 上でシールを張って歩き出した。最初は急斜面を尾根筋まで上がる。ラッセルは足首から膝くらいで先日の湯の丸山の時よりましだがやや重い。天気快晴で風も無く暖かい。尾根筋の斜面のアップダウンが続き、ラッセルはきついが、周囲の景色は素晴らしい。

鹿俣山山頂                         山頂から見る赤城山                 浅間山、四阿山
    


 標識のある鹿俣山で少し休んでから右側の雪庇に気を付けながら先に進んだ。雪の花を被った木々が青空に映えて美しい。


尾根筋の雪を被った木の間を行く             平標山、仙の倉山方面                獅子ヶ鼻山から武尊山方面への根筋 
    


  
まだ薮は完全に埋まり切っておらず、藪を避けたりアップダウンを繰り返してラッセルを続けて1710m峰に到着。前回よりかなり時間がかかった。

1701m峰から見る朝日岳、谷川岳         武尊山(沖武尊)                     川場剣ヶ峰と昨年滑り降りた鹿俣沢源頭部
   

 
 シールを外して地図と磁石ををよく確認せずに前回の記憶にあるブナの林の谷筋を滑り降りた。しかし、雰囲気は似ているものの進んだ方角が異なっていた。出だしの深雪の急斜面な下り適当にターンして滑り降りた。しかし、斜度が緩くなると進まない。谷を降りて緩斜面となると下りラッセルが必要となった。谷筋が狭くなり、所々雪が割れている。

          1710m峰から谷筋に滑り降りる
         
  
  このまま進むと谷筋を撒いたりして下りラッセルを続けた上、スキー場に戻るために尾根越えをしなければならない。未だ登り返す方がましだろうと考えて谷筋1400m地点から登り返すことにした。シールを付けて登り返し。下りに使ったトレースを辿れば少しはラッセルが楽だろうと思ったが実際に下りの滑りのトレースをつかえたのはごくわずかであった。

  深雪の急斜面の登り返しを一歩、一歩進めたが非常につらかった。時々登りの急斜面に踏ん張り切れず転んで起き上がるのも一苦労。ようやくの事で1685m峰に上がったが、285mの上りに3時間以上かかった。


  後は尾根筋の上りのトレースを辿りアップダウンを繰り返して、鹿俣山を越えた。まだ薮があるのでスキーは使えずシール歩行。スキー場の上の尾根筋に出た所でシールを外して滑り出したのはスキー場の営業終了時間の4時を過ぎていた。

  誰もいないスキー場のゲレンデを滑り降りて、本日のつらいラッセル苦行、修業は終わった。

  GPSトラック