獅子ヶ鼻山、鹿俣山 1875m

   武尊山周辺は山スキーの好適地で我が家から近いのが何より良い点である。周辺にはスキー場がいくつかありリフトを使えばかなり上まで上がることが出来る。このうち、玉原スキー場から上がる武尊山前衛の鹿俣山、獅子ヶ鼻山はこれまで行ったことが無かった。

  これらの山の山スキーについてはあまり知られていない。そこで、RSSAのTさん、Iさんの報告を参考にして天気が悪く無さそうな3月の9日に行って見ることにした。ゲレンデは大勢のスキー客でにぎわっていたが、山スキーはただ一人。土曜日の晴れた日であったが途中で出会った人は一人もいなかった。

    ここ数日の気温が高い日があり一度溶けた雪が固くなったためか、上部の雪はクラストした固い個所、最中雪、硬い雪に風に飛ばされた新雪がわずかに載っている箇所が混在していた。一方、下部は気温が高くぐちゃぐちゃの春の雪。

   今回は雪の条件は良くなかったがそれなりに楽しめた。鹿俣山北面にある夜後沢は広いブナの疎林で斜度もほどほどで1月、2月のパウダースノーの時は素晴らしいだろう、また機会があれば来てみたいと思った。距離は若干短いが東谷山の北面の谷を降りるルートと雰囲気が似ていた。


  
3月9日(土)晴れ、風弱し
   単独

登行高度:580 m、 滑降高度:870 m 
玉原スキー場トップ(8:45)-鹿俣山(9:05〜9:15)−1710m峰(10:05)-獅子ヶ鼻山(11:15〜11:40)-谷筋1625m地点(11:50〜12:05)-1710m峰(12:25〜12:40)−夜後沢1165m地点(13:10〜13:30)-尾根筋1315m地点(14:05〜14:20)−スキー場駐車場(15:05)
   

  朝6時過ぎに自宅を出て8時前に玉原スキー場に到着。距離は70qとあった。近いのが好都合である。用意してリフトを2機乗り継いでスキー場のトップに出た。ここで、シールを付けて上がりだした。天気は晴れていて、朝方は気温は低かったようだが、暑くなってきたのでミドルインナーを脱いだ。

   出だしの尾根に上がるまでの少しはまだ雪が固くやや急斜面で上がるのに手こずった。最初からクトーを付けるべきであった。しかし、尾根に上がると緩斜面が続いてやや硬い雪面は歩きやすい。ブナの林の横の尾根筋をを上がり、鹿俣山の標識がある頂上に到着。少し下った後尾根筋を登り切ると1710m峰に達した。ここまでは数日前に通ったと思われるスノーシューの跡がうっすらと見えた。

  ここからの見晴は素晴らしい。目の前にはこれから進む尾根筋の先に獅子ヶ鼻山、その右側に川場剣ヶ峰、右側に武尊主峰の沖武尊、さらにその右に至仏山。反対側は谷川連峰など上越の山々が一望された。

      玉原湖を眼下に見る                                正面が獅子が鼻山、左側に沖武尊、右側が剣ヶ峰
         

   天気は快晴だが、西の方面は黄砂のせいかかすんでいる。残念ながら遠方の北アルプスはかすんで見えない。真っ白な浅間山はかすんでいる。八ヶ岳連峰はかすんでいるがなんとか見えた。

   1710m峰は帰りも立ち寄ることにしてそのまま先に進んだ。わずかに下った後の登りの尾根筋は大きく波打っている箇所が多く、右に行ったり左に行ったりしたため時間がかかる。おまけにまだ雪が緩んでいない所もある。右側は雪庇が張り出しているので、出来るだけ左側を取ったが藪がうるさい。頂上直下では急斜面の尾根筋を避けて左側に進んだが雪がクラストして固い。固い雪の上に新雪がわずかに乗っている所は滑ってむしろ危険である。

  スリップして落ちる危険があるのでクトーをつけた。最後の急斜面はクトーが効いて上がり切ると獅子ヶ鼻の頂上であった。ここでゆっくりと昼食を取ながら、周囲の景色を見ながら大休止。

沖武尊                               至仏山                             巻機山から越後駒ヶ岳まで遠望
    


 目の前の沖武尊。その右横の至仏山が素晴らしい。反対側の谷川連峰が一望のもとに見える。スキーで行く天神尾根、西黒沢、熊穴沢。正面に見えるマチガ沢は急斜面で一気に落ちている。その横の一ノ倉沢、さらに一の倉岳と武能岳の間に見える芝倉沢。朝日岳から巻機山、越後駒ヶ岳など素晴らしい眺めで来た甲斐があった。

   谷川岳を正面に見る。西黒沢、西黒尾根、マチガ沢、一ノ倉沢          一ノ倉岳と武能岳。その間が芝倉沢
    

  シールを外して初めは広い尾根筋を滑り出したが、すぐに疎林が続いている広い右側の谷筋をトラバース気味に滑り降りた。やや硬い雪面で所々薄い新雪が乗っている。一部最中雪になっている所もあったが思ったより滑り安い。適度にブナ、シラビソ、白樺が生えていてパウダースノーなら非常に快適な谷筋であろう。そのまま下まで滑り降りたい所だが、1625m地点で滑降を止めシールを付けて左側の1710m峰に登り返した。

            夜後沢中間部のブナ林の間を滑る                  正面に谷川連峰
                 

  1710m峰は通り過ごしてさらに下の尾根筋に上がるべきであった。ここで、シールを外して正面の広い尾根筋をわずかに降りた後、右側の夜後沢源頭を滑り降りた。でブナの疎林が続いている広い谷筋で傾斜もほどほどで非常に快適であった。北西面に面しているので気温が高くなったにもかかわらず雪質は比較的良く滑りやすい。

  下るにつれて傾斜は緩くなり、雪質も軟らかく重くなって来た。左側から沢が流れ込んでいる1165m地点で滑降を停止。この日3度目のシールを付けて右側の広い尾根筋を上がって行った。ここも、ブナ、シラビソが生えている広い尾根で傾斜もきつく無く登りやすかった。気温が高くて暑くなりアウターも脱いだ。

              尾根上部の台地のブナ林
             

  上がり切った尾根は広い台地状でブナの大木が林立していた。玉原に特徴的なブナ林が素晴らしい。沢山のスノーシューのトレースが目についた。緩斜面をヒールフリーにして滑り降りて除雪された道路に出た。玉原湖を右に見ながら道路上の雪の上を進み、ラベンダーパークへ至るという標識に従い左側に林の中を進むと駐車場に達した。

 GPSトラック