袈裟丸山(1908m)

   袈裟丸山は群馬県東部の渡良瀬川沿いにある山で、自宅からは赤城山の右に双耳峰として見える。100名山の皇海山とは尾根続きの南側にある。標高は1900m以上あり、日本300名山の一つでもある。頂上からの見晴らしは良く、春のツツジ、6月の石楠花、10月から11月始めにかけての紅葉が美しい山でもある。登山口は郡界尾根登山口、折場登山口、塔ノ沢登山口の3箇所あるが、そのうち前2箇所は標高1100m以上まで林道が通じていて比較的上りやすい。

  地元の良い山なので何度も訪れているが、最近はあまり行っていなかった。そこで、久しぶりに紅葉見物も兼ねて郡界尾根のコースを辿り袈裟丸山に行ってみることにした。足の筋が痛く体調があまり良くなかったので少し心配であったが、案ずるよりは産むが安しであった。

  天気は午前中やや曇っていたが,風も無く暖かく山行日和であった。日曜日にもかかわらず、このコースで登っている登山者には誰にも会わず静かな山行を楽しんだ。

   朝7時前に自宅を車で出て、途中のコンビニで昼食のおにぎりとお茶を買った。渡良瀬川沿いに国道を進み、小中で左折して舗装された林道を進む。途中から道は細くなって来て人家も無くなってきた。上がるにつれ黄葉がちらほら見え出してきて、小中大滝に至った。此処は紅葉の名所で駐車場には既に車が3台ほど停まっていた。

   車をさらに左側に進めて上がって行った。前回来た10年以上前は大滝から先の道路状態が良く無かったが、今は狭いながらもすべて舗装されていて走りやすくなっていた。登山口には車が何台か停まれる駐車場が整備されていて標識が立っていた。8時前に着いたが、停まっている車は一台も無い。この付近は標高1150mだが、あたりは紅葉、黄葉で美しい。
 
  準備して8時過ぎに歩き出した。すぐに尾根に上がる急坂で木製の階段がついている。体調が良くなく歩き始めが辛かったが、ダブルストックの助けを借りてゆっくり上がって行った。登山道周辺は殆んどが葉を落としたブナや広葉樹の林だが、所々、木の間越しに見える黄葉や紅葉が美しい。

登山口の紅葉                         疎林の中の登山道                    尾根からの袈裟丸山
    


  急な登山道を上がると尾根に出た。これから先は白樺やブナなど広葉樹、あるいは落葉松の疎林のなだらかな登山道が続く。下は全面に笹に覆われていて歩き易い。殆んどの木は葉を落としており紅葉は散っていた。樹間から日光が差していて美しい。これから行く袈裟丸山、赤城山などを遠望しながらのんびり進んだ。

  一時間15分歩いて1450mのなだらかなピークの上で休憩し、水を飲み持参したバナナを食べた。だんだん慣れてきたのか、休憩で疲れが取れたのか歩くのが辛く無くなった。あたりは石楠花の群落が出てきた。小さな石の祠を過ぎると、コメツガの林と石楠花の群落が出てきて濃い緑の中を進んだ。

  登山道は急な登りとなり一歩一歩標高を上げて、10時50分に1908mの後袈裟丸山の頂上に達した。ほぼガイドブックにあるコースタイムと同じ時間で上がることが出来た。

  頂上からの見晴らしは良く、目の前の前袈裟丸山ヶ見える。北側には木の間越しに武尊山、皇海山、男体山、日光白根山、尾瀬の山、谷川岳などが遠望できた。日光白根、尾瀬の山、谷川岳はもう雪を被っている。

前袈裟丸山                          日光白根山                        男体山
    

  頂上でゆっくりと一時間休憩。お湯を沸かしてカップラーメンを食べ、さらにおにぎりで朝食兼昼食を食べた。この間、前袈裟丸山の方から単独行の2人、2人ずれの4人がやってきた。

  前袈裟丸山と後袈裟丸山の間の八反張の崩壊が激しく危険だと言うことだったので、此処から引き返す予定であったが、どうやら大丈夫な様である。そこで、前袈裟丸山まで行ってから引き返すことにして、コメツガの林の中の急な登山道を前袈裟丸山から来た単独行の2人に続いて下りだした。

  鞍部の八反張の崩落もさほどで無くそれほど危険だとは感ぜられ無かったが、雨の後などのスリップしやすい時は危険かもしれない。さらに、林の中を上がって30分ほどで前袈裟丸山(1878m)の頂上に達した。此処には10人くらいの登山者が休憩していた。南側、南西側には赤城山、西上州の山、秩父の山、八ヶ岳、はるか向こうに富士山がかすかに遠望できた。

     武尊山、後袈裟丸山、皇海山           紅葉の中の登山道                  紅葉の登山口
    

 5,6分いて、周囲の山々を眺めた後、また、30分かけて後袈裟丸山に引き返した。一時5分に後袈裟丸山から下山開始。始めは苦手な下りの急斜面。登山道には岩が殆んど出ていないの良かったが、ダブルストックの助けで降りて、一時間で小さな石の祠の所に達した。後は緩い傾斜の尾根歩きで、辺りを眺めながら進んだ。尾根から登山口までの木の階段が続く急な登山道を黄葉を眺めながら下り、3時7分に登山口に着いた。下りもまあまあのペースで行けた。

                                錦秋の袈裟丸山
    


登山口から大滝の間の林道の周辺は今が黄葉、紅葉の盛りで、ゆっくりと時々停まりながら車を進めた。大滝の駐車場には車が10台以上停まっていた。
道路際に車を止めて、紅葉の中の大滝、沢沿いの紅葉を眺めた後、帰路に着いた。

            大滝駐車場前の沢                            黄葉の大滝