11月24日(火)
八紘嶺(1918m)
安部峠-八紘嶺−安部峠
単独行

   八紘嶺と聞いてどこの山かわかる人は静岡周辺の山好き以外は殆どいないであろう。静岡から安倍川を遡って行くと梅が島温泉に達する。ここから山梨県側に越えていく峠が安部峠である。安部峠から稜線越しに歩いて八紘嶺に達する。さらに行けば大谷崩れの頭を経て安倍川流域では最高峰の山伏(2013m)に達する。
   静岡にいた高校時代には友人の石間君のお父さん(石間信夫氏)が書かれた『安倍川流域の山と谷』と言うガイドブックを参考にして安倍川流域の山(真富士山、十枚山、竜爪山など)に良く出かけた。安部峠も八紘嶺も当時行ったことがある。今回、安部峠、八紘嶺に行くのはほぼ50年振りである。
   妻の両親の法事が倉敷であり、妻と一緒に車で行って見た。帰りは先に一人で東名高速を経由して帰ることになった。地図を見ると以前は無かった自動車道路が安部峠を越えて山梨県側に通じている。この峠越えで山梨県側に抜けさらに埼玉県側に雁坂峠のトンネルを越えて帰宅することにした。
   23日の朝、倉敷を出て高速道路を静岡で降りて安倍川を遡って梅が島温泉に夕方到着し民宿に宿泊した。静岡からの途中も以前には無かった旅館や日帰り温泉施設がいくつかあり時の流れを感じさせた。
   安倍川上流域、梅が島温泉の周辺は丁度紅葉の見頃を迎えていた。

11月24日(火)
   連休の翌日でさすがに人は少ない。天気は下り坂のようであるが、まだ高曇りで日もさしていた。朝食後、梅が島温泉の周辺をぶらぶらした。色づいた紅葉、黄葉が美しい。その後、舗装されているが狭い道路を上がり、安部峠の駐車場に着いた。トイレもありきちんと整備されている。

      


   準備して9時45分頃から歩き出した。稜線越しにアップダウンを繰り返して梅が島温泉からの登山道に合した。さらに上がると八紘嶺に至る尾根道となった。さすがに安部峠から上はすべての木々は葉を落として初冬の様相である。右側には木々の合間に時々富士山が顔を出している。所々の急斜面ではロープが張ってあり登山道は良く整備されていた。高校時代にも通った道のはずだが全く思い出せない。比較的平坦な尾根道になった所で下ってくる単独行者に会った。
   しばらく行くと八紘嶺の頂上の標識が見え頂上に達したことが分かった。安部峠からほぼ2時間かかった。木々の合間から雪を被った富士山が見える。反対側の木々の合間からやはり雪を被った聖岳や赤石岳などの南アルプスの山々が遠望できた。七面山に至る尾根道を少し辿ってみると北側の斜面の枯れ木の上には雪が消え残っていた。

  

   頂上に戻っておにぎりの昼食を取り、ゆっくりとあたりを見回した。12時15分に出発。下りは登りの道を辿り、一時間半かかって2時前に安部峠の駐車場に戻った。
  
          

   その後、安部峠から山梨県側に狭いが舗装された道路を下った。途中からも富士山が遠望でき、また紅葉が見頃であった。

           


   途中、日帰り温泉に入った後、埼玉県側に抜ける雁坂峠のトンネルを越え秩父を経て自宅に戻った。

   連休の翌日と言うせいもあるが静かな山行で雪を被った富士山、南アルプスの山々を見ることが出来たのは幸いであった。標高が1900mで初冬の様相であったが日差しは柔らかくさすが静岡の山である。