仙人ヶ岳 663 m

   仙人ヶ岳は桐生市と足利市の境にある山で、栃木100名山の1つである。標高は660mで高くないがブナやミズナラ、ヤシオツツジが見られ、沢沿いや尾根筋の登山道、岩場など変化に富んでいる。

   昨年の11~12月に足利側の松田からと桐生側の菱から上がったが、今回は桐生の梅田から上がることにした。梅田から仙人ヶ岳に上がるのは2009年9月以来であるが、30年くらい前にも登っているので三回目になる。しかし、このルートはガイドブックや地形図に記載が無く登山道も整備されおらず落ち葉に埋もれていて分かりづらかった。

   標高が低い事と三回目の登山と言うことで甘く見ていて、古い地形図とGPS以外持っていなかった。朝遅く出た上に分かりづらい登山道と記憶違いで登りでも下りでも道間違いをして時間が予想以上に掛かり、体力も消耗して出発点に戻ったのは日没直前の5時前であった。

   途中で会った人は誰もいなくて反省点が多い山歩きであった。降りてから足がつったり、足の筋肉痛が2,3日続いたが、無事に下山出来て幸いであった。


 2021年11月19日(金) 晴れ 微風
   単独
   標高差: 登り 480 m 下り 480 m
 
塩宮神社(11:25)-林道395m地点(11:55)―仙人ヶ岳手前655mピーク(13:35~13:40)―松田側の稜線上引き返し425m地点(14:00)ー仙人ヶ岳手前655m峰(14:20)ー仙人ヶ岳(14:25~14:30)ー分岐点(15:00~15:05)ー前仙人ヶ岳647m(15:20)ー550m峰(15:50)-460m峰(16:05)―沢床(16:20)-林道(16:35ー塩宮神社(16:45)

  当初は群馬県中部の山に行こうかと考えたが、朝食後10時過ぎになってしまった。そこで、登山口まで1時間以内で行け、標高も低くて往復四時間で行けそうな仙人ヶ岳に昨年行っていなかった桐生市の梅田から行くことにした。

  取りあえず山歩きの準備をして手持ちの古い国土地理院の地形図とGPSを持って出かけた。途中のコンビニでおにぎりとペットボトルのお茶を買い梅田、塩瀬の塩宮神社の横の林道を入り、少し行って舗装が終わり林道がやや広くなった所で車を停めた。

  塩宮神社からの登山道は尾根筋に上がるようだが地形図に記載が無い。地形図に従い沢沿いのやや荒れたダートロードの林道を進んだ。地形図では林道は途中までで、後は沢沿いに登山道が続いていて仙人ヶ岳と前仙人ヶ岳の間の稜線沿いまで上がっている。


林道を行く                        ススキの穂が風に揺れて晩秋の様相         荒れた林道を進む
    



  始めは車も通れる林道が続いたが、だんだん荒れてきて車も通れなくなった。途中で右側の沢沿いの登山道を上がるべきであったが、そのまま沢沿いの道を進んでしまった。この道は地形図に載っていない。沢沿いを30分ほど歩いて行くと明朗な道は全く無くなり、尾根筋に上がるかすかな踏跡が見えた。


林道は壊れていて沢を渡る               林道沿いの黄葉                 林道沿いの小さな滑滝
    


  この踏跡に従って上がっていったが結構急な上に所々岩場が有る。距離は短いが細い尾根筋もある。登るのは良いが下るのは難しいし危険でここを下りたくないなと思いながら上がっていった。


尾根筋の岩場を上がる                 岩場を上がり狭い尾根筋を行く         ようやく標識のある655m峰に到着
    

  尾根上の小ピークをいくつか越えて650m峰に達すると尾根筋のやや平坦な登山道に出た。これで一安心と歩きやすい尾根筋の登山道を少し行くと、655mピークに出た。正規の登山道で無い急な尾根筋をアップダウンを繰り返しながら上がってきたので、予想以上の時間がかかった。

  ここには大きな標識が立っており、仙人ヶ岳まで0.3km、赤雪山方面、登山口方面を示していた。ここは昨年11月に通ったはずであるが、全く記憶に無かった。仙人ヶ岳は昨年2度も行っているので今回はパスと考え、登りで登山道で無い尾根筋で苦労したので楽そうな登山口に至るルートを取ってしまった。この登山口は足利側の登山口だがそれに気づかず、下っていき途中で行動食と水を取ってからまた下り始めた。

  所が20分ほど下ったところで太陽の出ている方角がおかしいと気づいた。改めて地図とGPSを確認してこの登山道は足利側の松田登山口に達することを確認した。今から戻れば明るい内に梅田側に下山できる。

  やや急いで戻り先ほどの655mピークに出た。結局往復で40分のロス。おまけに体力も消耗した、わずかな登りで見覚えのある仙人ヶ岳に到着。2時半になっていたので少し休んで出発。


655m峰に登り返して正面に仙人ヶ岳        残った紅葉                        ようやく仙人ヶ岳頂上
    



  前仙人ヶ岳までの尾根筋は昨年も通ったところで記憶にあった。アップダウンが結構有り先を急いだせいもあり疲れた上に足が痛くなり出した。稜線上の分岐点に達すると菱側が見渡せた。10数年前の山火事で斜面一帯は木が生えていない。稜線の直ぐ下まで林道が延びている。


仙人ヶ岳頂上付近の林                分岐点から南東側の尾根筋           分岐点から北西側の尾根筋を行く
    


  しばらく行くとその林道に下る登山道が見えた、地図ではその反対側の梅田に下り、沢沿いを塩瀬まで下る登山道が出ているが気づかなかった。そのまま歩いて中仙人ヶ岳の標識のあるピークを過ぎて、最後の一登りで前仙人ヶ岳に到着。


中仙人ヶ岳を通過                   前仙人ヶ岳を巻いて塩瀬への尾根を下る     尾根筋の登山道は落ち葉で分かりづらい
    


  ピンクのテープの標識が付いていたので、それに従って尾根筋を塩瀬まで下っていった。尾根筋の登山道は地図に記載が無く落ち葉に覆われていて分かりづらい。ピンクの標識テープが随所に付いていたのでそれに従い下っていった。頂上がやや広い552m峰に達したところでピンクの標識を見失ってしまった。

  登山道はやや左側の尾根筋を取るべきだが、間違えて右側の尾根に入ってしまった。始めはなだらかだった尾根筋はだんだん急になってきた。GPSを見ると、このまま行けば登りに取った沢沿いの林道に出ることが分かった。細い木に掴まりながら急斜面の尾根筋をを下っていった。

  この尾根をそのまま下ると最後はあまりにも急で危険と判断して、傾斜が緩い左側のやや広い谷沿いを下ることにした。出来るだけ傾斜の緩い箇所をトラバース気味に谷筋に入った。

  谷沿いは落ち葉が厚く敷き詰められていて滑りやすい。短い距離だったが落ち葉に腰を落として滑り台のようにして下った。スピードが付きすぎると危険なので時々足で制動を欠けて止まりながら滑り降りて平坦な谷底に達した。

  ここから谷筋を少し歩いて登りに取った林道に出た。谷筋は岩がごろごろして歩きにくい。ストックを付いて慎重に下ったが、ストックを付いたとたんに三段ストックが短くなり転倒して岩にぶつかったが、幸い大したことは無かった。あとは平坦で広い林道を歩いて車の駐車地点まで戻った。時刻は4時45分で日没前に戻ることが出来。

  後片付けをして帰途に着いたときには薄暗くなっていた。

 GPSトラック