先月末に丸沼溫泉から四郎沢を上がり、四郎峠を経て四郎岳に上がる積もりであった。しかし、登山口で間違って湯沢峠に向う登山道を取ってしまった。
そこで、今回改めて丸沼温泉から㈣郎岳に上がることにした。数日前の気象情報では10月22日のこの地域は一日中曇り空であった。雨が降らなければ、朝早く出れば紅葉を見ながらのんびりと行けるだろうと、前日21日の宿泊を丸沼高原のペンションに予約を入れて、午前中は畑仕事をやって夕方着いた。
ところが、気象情報は昼から雨が降るとの予報に変わっていた。雨が降り出す前の午前中に戻ることにして朝早く出て行ける所まで行って駄目なら途中で戻ることにした。
しかし、前日から前夜にかけて標高の高い所はかなりの降雪があったようで、標高1600m付近から雪が残っていた。急斜面の笹藪に覆われた登山ルートは雪交じりで濡れていて滑りやすく、登りは良かったが下りで何度も滑って転び怖かった。
時間はかかったがどうにか㈣郎峠まで上がると、尾根筋は一面10cm位の雪に覆われていた。まさかこの時期にこんなに沢山の雪があるとは予想もしなかった。㈣郎岳に上がる尾根筋の緩斜面を少し上がったが、これ以上上がるのはアイゼン無しでは危険だし、午前中に丸沼温泉に戻れなくなるので途中で引き返した。
2021年10月22日(金) 晴れ後曇り 雨
単独
標高差: 登り 420 m 下り 420 m
丸沼溫泉(6:00)-㈣郎沢二股(7:00)―㈣郎峠(8:10~8:15)―㈣郎岳に向かう尾根筋1850m地点(8:25~8:40)ー
㈣郎峠(8:50)-丸沼溫泉(11:15)
丸沼高原のペンションを5時半に出て6時前に丸沼高原の駐車場に到着。先日泊まった宿は団体客の貸し切りで大型バスが止まっていた。朝早いうえにに平日で人が少なく四郎岳に上がるる人はいない。
登山の準備をして出発。古いゲートの横を左手にとり、枯れた㈣郎沢を渡り右岸に出た。ここが登山口で標識がついていた。初めは㈣郎沢沿いになだらかの登山道があり歩きやすい。
㈣郎沢を渡り登山繰りに向かう 紅葉は始まったばかり
しばらく行くと登山道は無くなり、ピンクのテープを頼りにふみ後を辿ることになった。分かりづらい所にはピンクの標識テープがあるので有難い。
㈣郎沢下部の堰堤をいくつか過ぎる
何度か沢を渡り堰堤を越えて、ナメ沢を上がり、二股に到着。この辺から昨日積もったた雪がちらほら見えて来た。
最後の堰堤を通る 少ない紅葉 雪が現れ始める
右股と左股の間の急斜面の尾根を上がりしばらく尾根筋を辿った後、ふみ跡とピンクの標識テープを頼りに左股に降りて左岸沿いを進んだ。雪はだんだん多くなってきたが、ダブルストイックを頼りに慎重に上がった。
ピンクのテープとふみ跡を頼りに進む 沢沿いを上がる 二股の間の小尾根を上がる
笹に覆われた歩きづらいふみ跡を上がり、最後の急斜面を上がり切ると㈣郎峠であった。
左股の沢沿いを上がる 雪が深くなって来た 急斜面の雪交じりの笹藪の中を上がる
㈣郎峠はヤセ尾根の鞍部で、右に向かえば燕巣山、左に向かえば㈣郎岳に上がる。峠周辺の尾根道は一面に10cm位の雪に覆われていた。
雪に覆われた四郎峠周辺の尾根筋 シラビソも沢山の雪で覆われている 登山道周辺も雪
少し休んだ後、㈣郎岳方面に向かう尾根筋を辿った。木の間越しに日光白根山、反対側には尾瀬の燧ヶ岳が遠望された。いずれも雪を被って真っ白で冬山のようである。尾根筋の登山道は積雪量が多くなって来た。
四郎岳に上がる登山道 木の間越しに見る㈣郎岳 燕巣岳に上がる登山道
斜度が急になる手前の1850m地点で、これ以上アイゼン無しで上がるのは危険だし、午前中に戻れそうに無いので、本日はここまでとして休憩し行動食と水を取った。空は青空が見えて陽が射している事もあるが、雲がだんだん多くなってこれから天候が崩れていくことが予期できた。
雪に覆われた日光白根山。まるで冬のよう 木の間越しに見る雪に覆われた尾瀬の山々
休んだ後、㈣郎峠まで戻り急斜面を下って行った。雪交じりの笹藪の中のふみ跡の下りは濡れていて滑りやすく大変危険で苦労した。ダブルストックも役に立たず、滑らないように笹や細い木をつかんで慎重にゆっくり下って行った。
夢中で下って行ったので、いつの間にかダブルストックの一方を見落としたのに気づかなかった。少し戻って探してみたが見つからなかった。笹をつかみながら慎重に下ったが途中の急斜面で滑って転んだ。ザックをしょっていたので、ザックがショックアブソーバーになってくれて背骨は保護されたようだが、ザックに入れてあったテルモスが右腰の上にあたったようで打撲傷の痛みが続いた。
急斜面の二股までの尾根を周りのの細い木をつかみながら何とか降りた、後は急斜面は無くなった。沢沿いのふみ跡を一本ストックをつきながら辿って戻った、沢を渡るために濡れた石に足を載せたら滑って転び、靴からズボン、上着まで濡れてしまった。
急斜面の下りを終えてほっとして歩く 紅葉はこれから 駐車場から見る雪を被った四郎岳
打撲した個所をかばいながらようやく駐車場まで戻った。結局、㈣郎峠からの下りに2時間半近くかかってようやく到着した。雲は多くなっていたが天候は持ってくれた。後片付けをして帰途に就いた。途中で雨が降り出して来た。
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