苗場山 2145 m

    新型コロナウイルスの感染者が都会を中心に増えていて山歩きもやりづらくなった。すぐ近くの里山の茶臼山に時々上がる以外は二ヶ月以上どこにも行っていなかった。8月に入り遅い梅雨明けが過ぎて猛暑となった。

    足慣らしをかねて比較敵標高が高くてあまり暑くない苗場山に小赤沢から上がろうかと計画した。山は3密にはほど遠いので、桐生から車で行く分にはウイルス感染を気にしなくて良い。

    事前の気象情報では曇り時々晴れで、夕方から雨が降るとのことであった。そこで出来るだけ朝早く出発するために、前日に麓の小赤沢の民宿に泊まって行くことにした。

   これまで苗場山に上がった事は3,4回あるが、今回上がる小赤沢コースが最も楽である。小赤沢からは10年前の4月上旬に山スキーで往復している。2年前の7月には祓川から上がっているがそれ以来の苗場山である。
        2020年8月7日(金) 薄曇り
   単独
 小赤沢三合目登山口(5:25)-苗場山(8:55)ー頂上付近で散策後休憩(9:05~9:25)-小赤沢三合目登山口(13:00)
   前日の夕方小赤沢の民宿に着いた。コロナウイルス感染防御のために、客は1日に二組までにしているとのことであったが、それ以上に宿泊客が極端に少ないとのことで、本日の宿泊客は埼玉から来た渓流釣りの人と二人であった。

   夕食にはいろいろの山菜とイワナ料理がついていて、料金は長野県からのコロナウイルス対策の補助で半額になるとのことで恐縮してしまった。

   朝4時に起きて昨日途中のコンビニで買ったサンドイッチで簡単ナ朝食後、明るくなり出した四時半過ぎに宿を出た。車で細い林道をゆっくりと進み5時頃に三合目の駐車場に到着した。広い駐車場には10台くらいの車が停まっており、登山の準備をしている人もいた。

   登山の準備をして登山口にある箱に登山届を出して出発。天気は薄曇りで寒からず暑からずの状態で歩きやすい。初めは傾斜が緩く歩きやすかったが、次第に急になり、大小の岩がゴロゴロ出て来る苦手の登山道になった。持参の二本のストックを使いバランスを取りながらゆっくりと進んだ。

三合目登山口を出発                  樹林帯の中の登山道               苦手の岩がゴロゴロの登山道
    

   初めは林の中の登山道であったが、いつの間にか木が低くなった。途中で四合目、五合目、六合目の標識が出ており次の標識までの距離と時間が出ているが、ゆっくりと歩いているので時間通り行かない。しかしゆっくり歩いているので疲れは感じず休憩無しで進んだ。

岩が多い登山道を上がる                                           最後の急斜面を上がる
   


   途中で何カ所か大きな岩の間の急な登山道には鎖がかけられており、慎重に進んだ。八合目を過ぎ林間の岩のゴロゴロした登山道で後続の単独行の人に追い越された。さらに小屋泊まりまりをしたという三人連れが上から降りてきた。

   急斜面を上がり来ると平らな湿原や草源が広がる高層湿原が出てきた。木道が通じており歩きやすい。しばらく行くと九合目の標識が出ており、木道の先にはこれから行く苗場山が見える。

九合目近くの高層湿原。向こうが苗場山      高層湿原地帯の池塘                苗場山山頂を目指して木道を行く

    

  さらに樹林の中の岩が出ているやや歩きづらい登山道を抜けると苗場山頂に続く広い高層湿原に出た。ワタスゲの白い穂が風に揺れて美しい。しおりワタスゲに混ざって黄色い花のキンコウカの群落。薄曇りで遠くの山は見えないが、風がやや吹いており涼しくて気持ちが良い。

ワタスゲの群落の向こうに広がる高層湿原                    キンコウカの群落
  

  高層湿原の所々に地塘が見えて、周囲の景色を映している。気持ちよい木道を進んだ。木道の修復工事をしている間を通って、山頂の小屋に達した。小屋の横を通り、わずかに上がると苗場山頂であった。祓川の方から上がってきたと思われる若者がやって来た。

苗場山山頂                                      山頂からベンチまで木道を下る
  

  広い山頂の傍らにはニッコウキスゲが咲いていた。山頂から小屋の方に降りて、さらに木道を少し行くとベンチが並んでいる休憩場に出た。上りで先行された人が休んでいた。

  自分も此処で休んで周囲の景色を見ながら水を飲み行動食を取った。休んでいる間に先行者は下っていった。風がやや吹いて半袖では寒いくらいであったが、たった一人で周囲の景色を見ながら至福の時を過ごした。

  休憩の後は苦手の下り待っている。最初の平坦な木道は周囲の景色を見ながらのんびりと降りることが出来た。しかし、岩がゴロゴロしている急な登山道はストックを着いて慎重に下ったが、やはり足腰に応える。

  膝が痛くなってくるのを我慢しながら進んだ。滑りやすいところでは踏ん張りがきかず何度か転びかけた。それでも休むこと無くゆっくり歩いてようやく三合目登山口に到着。

  登りは約3時間半かかってほぼガイドブックのコースタイム通りであったが、下りは登り以上の時間がかかった。それでも足腰に応える。後片付けをして車で三合目に戻った。

  途中で、大きな補虫網を持っている人を見つけた。車を停めて「何を取っているのですか。」と尋ねると。オオゴマシジミとのこと。自分も中学、高校時代にチョウの採集をやっていたので、懐かしくて少し話をした。登山口に戻るまでに捕虫網を持っている人が3人もいたのには少しびっくり。

  その後は、小赤石沢温泉で汗を流してから帰途についた。

今回見た高山植物と蝶
カラマツソウ                シモツケソウ              アザミ                 ツリガネニンジン
   


コキンレイカ               ワタスゲ               ニッコウキスゲ             キンコウカ
   

マルバタケブキ                ヤマハハコ             ミドリヒョウモン
  



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