袈裟丸山(後袈裟丸山) 1908 m

    新型コロナウイルスの猛威が収まりつつあり、緊急事態宣言が解除された。山歩きもこれまでより行きやすくなったが、まだ遠出は行きづらい。そこで比較的近場の山で最近あまり行っていなかった袈裟丸山に好天が期待された28日の木曜日に行くことにした。

   当日は気温は上がるが湿度が低いとの気象情報で快適な山歩きが期待できるし、シャクナゲの花や三つ葉ツツジの花も咲いているだろう。

   平日の木曜日で、まだ自粛要請が完全に解除されているわけでは無いが、途中で出会った人は10人くらいいた。

   これまで郡界尾根を経由して袈裟丸山に上がった事は3,4回あるが、シャクナゲの開花時期に行くのは今回初めてである。高齢になったので、以前より時間がかかったうえに疲れたが、花を愛でながら無事に山歩きを楽しめて幸いであった。

        2020年5月28日(木) 晴れ時々曇り
   単独
 郡界尾根登山口(7:25)-1415峰(8:15)-石祠(9:15)-後袈裟丸山(10:45~11:05)―八反張(11:25~11:30)―後袈裟丸山(11:55)ー石祠(13:00)-1415m峰(13:40)-登山口(14:25)
   朝5時半に起きて簡単な朝食後、6時過ぎに出て大間々を経由して122号線から小中で大滝方面に向かった。途中から細い道となり郡界尾根登山口に7時10分過ぎに到着。駐車スペースにはすでに先行の登山者の車が3台駐車していた。

   車を停めて山歩きの準備をして、登山届を登山口にあった箱に入れて7時25分に出発。薄曇りで暑からず寒からずの天候で歩きやすい。登山口からいきなり急登が続く。ゆっくりと歩いたが、やはり歩き始めはきつい。周りは白樺が混じっているブナの林で新緑が美しい。新緑の合間に、所々オレンジの山ツツジが咲いていた。

ブナと白樺林の中に山ツツジが咲いていた    山ツツジ                        木の階段を上がる
  


   木の階段が続く急登を上がりきると尾根筋に出て傾斜が緩くなった。八重樫原の看板が立っていた。周囲は背の低い笹原になり、白樺、カラマツ、、ブナの林は新緑で雰囲気が良い。笹原の根元にはスミレが咲いていた。

低い笹原の中を行く                  笹原の下にはスミレ             ブナと白樺が混ざる林
  



   右側には木の間越しにこれから行く袈裟丸山が見えた。単独行の登山者が上から降りてきた。朝早く出たのだろか。

          右が前袈裟丸山。左が後袈裟丸山(標高はこちらが高い)。鞍部が八反張
          


   この広い緩斜面の笹原を進んでいくと、所々で東国ミツバツツジのピンクの花が満開であった。

東国ミツバツツジ
  


  シロヤシオは盛りを過ぎたようで名残の白い花が見られた。

シロヤシオ
  


   なだらかな笹原を通り抜けるとやや急斜面となりシャクナゲが出てきた。此処では期待していたシャクナゲの花は見られなかった。時期が遅かったようで枯れかかったピンクの花が見られたのみで、一週間くらい遅かったようである。

   シャクナゲの林の間の登山道を進むと、石祠が出てきた。やや疲れが出てきて、用心のために持参したストックを使うことにした。休まずゆっくりと歩を進めた。尾根筋の急登が続きストックを頼りに上がっていった。本日お目にかかった二人目の単独行登山者が降りてきた。

   標高が高くなったせいか周囲のシャクナゲは所々で花が咲いていた。10時になったところで、一休みをして水を飲み行動食を取った。シャクナゲの林の間の急な登山道を上がりきって、傾斜が緩くなった登山道を少し行くと後袈裟丸山の頂上であった。

シャクナゲ
  


   頂上はやや広く標識と看板が立っていた。頂上周辺はシャクナゲの花が満開であった。周囲の景色やシャクナゲの花を見ながら、水を飲み早めの昼食を取った。微風が吹いていたが暖かく、たった一人の頂上で至福の時を過ごした。


後袈裟丸山山頂の標識               案内板                        後袈裟丸山から見る前袈裟丸山
  


  そろそろ帰ろうかなと思っていると、前袈裟丸山から八反張を経由して単独行の登山者が上がってきた。その方と少し話すと、前袈裟丸山と後袈裟丸山の鞍部の八反張の近くの崖に白山小桜の素晴らしい群落があり一見の価値があるとのことで、デジカメで撮った写真を見せてくれた。

   そう言われるとその白山小桜の群落を見ないで戻るわけにはいかない。看板には前袈裟丸山と後袈裟丸山の間は危険なので通行禁止となっているが、実際にはそれほどでも無く、ロープなどが張られていて通行出来るし以前は通ったことがある。しかし、この間の登山道は整備されていないようで笹に覆われていた。

   笹に覆われていた急な登山道を慎重に下った。鞍部の八反張の近くはロープがかけられていた。降りきった右手の崖には白山小桜の群落があり、ピンクの花が満開であった。慎重に崖の方に向かい白山小桜の群落を眺めた。袈裟丸山で見られるとは意外で、確かに一見の価値がある。

ハクサンコザクラ
  


   白山小桜の群落を見た後は、笹の中の急な登山道を登り返した。下りより上りの方が危険を感じず楽である。結局、白山小桜見物に往復50分かかった。

   再び後袈裟丸山の頂上に着いた時にもう一人が八反帳の方に下っていった。頂上には先ほどの方と夫婦連れらしい登山者が休んでいた。先ほどの方に、「確かに此処の白山小桜墓群落は一見の価値がありますね」と話をして下りに着いた。

   後袈裟丸山の登山道は急斜面だが岩がゴロゴロいている箇所が少なく歩きやすい。風は微風で陽が差して暖かいが湿度は低く快適な下りであった。途中で足に筋肉痛が出てきたが、膝が痛くなる事は無いのは幸いであった。

   下る途中で上がってくる人、5,6名にお目にかかった。平日でコロナ騒ぎの中でも10名近い登山者にお目にかかったのは意外であった。本日は好天で、袈裟丸山が素晴らしいためだろうか。


 ブナの新緑が陽に映えて美しい                          袈裟丸山、八反張を振り返る
  


   歩き続けて戻るだけではもったいない。水と行動食を取りながら休憩を取った。雰囲気の良いブナ林の中の緩斜面の笹原をのんびりと歩いて、最後の急な階段を降りて登山口に到着。

   服を着替えて後片付けをして帰途についた。地元にも良い山は多いと実感した。

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