鳴神山 981 m

    新型コロナウイルスの蔓延で全国的に自粛要請が出て遠出の山歩きや山スキーは出来なくなった。三密とは無縁の自宅近くの里山の茶臼山には自粛要請が出た後も散歩がてら何回か足を運んでいたが少し飽きてきた。

    そこで、同じ桐生市内にある鳴神山に帰省していた長男と5月4日に行くことにした。鳴神山はカッコ草(大型の花が咲く桜草の一種)の自生地として有名である。しかし、殆ど盗掘にあって絶滅状態になっていたが、カッコ草保存会の皆さんの尽力で復活してきれいな花が見られるようになった。

   昨年の同じ日に鳴神山に行っているが、今年は遠方から訪れる人はいないだろうから人も少なく静かな山歩きが楽しめる。昨年歩いた周回コースを逆回りに行こうかと東面の大滝登山口で車を停めて掲示を見ると、昨年の台風19号により登山道は荒れて危険な状態なので立ちいらないで下さいとのことであった。

   無理をして行く事は無い。掲示に従ってコツナギ橋登山口から上がって往復することにした。自宅を出たのが10時を過ぎていたので、登山口で準備して歩き始めは11時になっていた。それでも余裕を持って往復できるのが地元の山で有り難い。この日、山中で会った人は全部で20人程度で、昨年の2割にも満たなかった。

        2020年5月4日(月) 曇り時々晴れ
   2人
 大滝登山口先駐車地点(11:00)-コツナギ橋登山口(11:15)-カッコ草群生地(12:35~12:40)-門田峠(12:45)―鳴神山(桐生岳)山頂(13:15~13:45)―門田峠(14:10)ーコツナギ橋登山口(15:15)-大滝登山口先駐車地点(15:30)
   朝食後、10時過ぎに出て、梅田方面に進み、大滝登山口に11時前に到着。駐車スペースには車一台が停まっていた。登山口の掲示を見ると大滝口からの登山道は昨年の台風19号で荒れていて危険なので立ち入らないで下さいとあった。

   少し先を行った道路際の駐車スペースに車を停めて準備して舗装道路を歩き出した。道路際には古い首が無いお地蔵さん、道祖神、石碑などが立っている。江戸時代のものだろうか。

   15分ほどでコツナギ橋登山口に到着。駐車スペースには四台の車が停まっていた。昨年と比べて圧倒的に少ない。舗装道路を左に折れ、登山道を進んだ。

道路際の石像                    どういう訳か首の無いお地蔵さん          杉木立の歩きやすい登山道
   



   植林された杉林の中の沢沿いの登山道は整備されていてほどほどの斜度が続いていて歩き易い。沢の流れと新緑が美しい。上から2人連れが降りてきた。

杉木立の登山道を上がる                 沢沿いの小滝                    沢を渡る橋
  



   杉林の中の登山道を歩くと鹿除けの網に覆われたヒイラギ草、次いでルイヨウボタンの群落が出てきた。まだ花は咲いていない。さらに少し上がるとカッコ草群落地に出た。ここのカッコ草群落地はカッコ草保存会や鳴神山を愛する会などの団体の尽力で保護されている。昨年はロープに覆われていただけであったが、今年はしっかりした鹿除けのネットに守られていた。

カッコ草
  


   ピンクのカッコ草の花がちらほら咲いていたが昨年より少ない。此処には4人の登山者がカッコ草を見て写真を撮っていた。3人おられたカッコ草保存会の人に伺うと、今年は4月に寒い日があったので5月に花が咲くカッコ草やヒイラギ草の開花が遅いとのことであった。一方、3月には暖かい日が続いたので4月に開花するヤシオツツジは殆ど花が咲いて落ちてしまったけど、頂上付近にはまだ咲き残っているものもあるとのことだった。

、 此処でしばらくカッコ草を見てから杉林を上がりきると門田峠に出た。峠から頂上までわずかな距離と思っていたが、意外に時間がかかった上に疲れた。初めは緩斜面であったが、徐々に岩が出ている急斜面となった。周囲はヤシオツツジの群落だが、すべて花を落として新緑となっていた。

木の切り株のお地蔵さん               門田峠                        新緑の中の登山道
   


  急斜面を上がりきると新緑の間にちらほらと咲き残っているヤシオツツジのピンクの花が見られた。さらに進んで上がり切った所が鳴神山の双耳峰の一つで社のある仁田岳であった。

ヤシオツツジ
  


  ここを通り過ぎてわずかに下った後、短いが急な岩の尾根筋を上がると社と標識のある鳴神山の本峰の桐生岳であった。頂上はやや広くベンチがいくつか設置されていて全部で8人の登山者が休んでいた。昨年と比べて非常に少ない。我々もここで休んで昼食を取った。

    陽が射していて暖かい。遠方は雲に隠れていたが、雲の合間にうっすらと男体山や袈裟丸山が遠望された。反対側の眼下に桐生市街も靄んでいたが一望できた。

仁田岳の鳥居とお社                  桐生岳の鳥居とお社                雲で霞んだ桐生市街地
   


    昼食後、上がって来た登山道をそのまま下ることにした。頂上からしばらくは苦手の岩が出ている急斜面の下りである。ヒメイワカガミの群落のある岩の所に立ち寄り写真を撮った。

雲間に男体山                      雲間に袈裟丸山                    ヒメイワカガミ
  

   

    ヒメイワカガミの花は初めて見たが、普通のイワカガミがピンクの花なのにこちらは白でしかも小ぶりである。花の山と言われる鳴神山の花の一つ。

   岩だらけの急斜面を降りている内に膝が痛くなってきた。我慢して降りている内に登山道は緩斜面となり岩は無くなって歩きやすくなった。膝の痛みも消えてきた。

   門田峠から杉林の中を少し下るとカッコ草の群落地に出た。すでにカッコ草見学の周遊歩道入り口は閉じられており、保存会の人も登山者も誰もいなかった。

  その後はゆっくりだが休むこと無く歩いてコツナギ橋登山口に到着。行きには登山口に駐車していた車が4,5台あったが、1台しか残っていなかった。

   頂上から峠までは少し時間がかかったが峠から登山口まで1時間かからず良いペースであった。最後は舗装道路を歩いて大滝登山口まで戻り、後片付けをして帰宅した。
   
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