袈裟丸山(前袈裟丸山) 1878 m

   先週の鼻曲山、御飯岳は楽なコースだったが、山歩きを快調に出来たので2週続けての山歩き。気象情報で晴れると言う21日に自宅から日帰り出来る袈裟丸山に行くことにした。

   袈裟丸山は過去に何度も上がっているが、これまで辿ったのは郡界尾根コース、折り場登山口から上がる弓の手コースだけであった。今回、これら2コースより標高差があり距離も長いハードな塔の沢コースを辿ってみた。

   25年以上前に、家族全員で塔の沢登山口から寝釈迦を見てから塔ノ沢の途中まで上がって引き換えしたことがあるが、塔の沢の登山道を歩くのはその時以来である。

  塔の沢沿いの林は紅葉し始めで、殆どの木々の葉は緑の状態であった。塔ノ沢コースは通る人も少なく登山道は整備されておらず、沢の渡渉が何度も続き分かりづらい。途中10人くらいの登山者に会ったが、全員折り場登山口から上がっていた。

  上部の稜線沿いは白樺やツツジの黄葉、紅葉が盛りで見応えがあった。天候は予想に反して曇り空で遠方の山々の眺望は効かなかったが、時々雲が取れて青空となり、皇海山や武尊山などが見えた。

   歳を取ってきて歩くペースが落ちているし、日が暮れるのが早くなって来たので明るい内に頂上往復が出来るか心配になったが、どうにか明るい内に塔の沢コースの山歩きを楽しめて幸いであった。
 2020年10月21日(水) 曇り時々晴れ
   単独
   標高差: 1040 m
  塔ノ沢登山口(7:45)-寝釈迦(8:40~8:50)-賽の河原(9:55~10:00)-小中山(10:55~11:00)-前袈裟丸山(12:05~12:20)ー小中山(13:20~13:25)-賽の河原(14:20)―寝釈迦(15:25)―登山口(16:25)


  朝5時半に起床。簡単な朝食を取り自宅を出たのが6時過ぎ。大間々の町を抜けるのに信号ごとに停まり時間がかかった。国道122号線を走り、沢入で左折し、林道に入った。塔ノ沢コースの標識が出ている所で右折した。林道は舗装されてはいるが、狭い上に穴ぼこが多く修復されていないのでスピードを落としてゆっくりと進んだ

  登山口には広場が有り、トイレと登山カード受付箱があった。山歩きの準備をして登山計画書を受付箱に入れて出発。初めは林道の延長でなだらかで広い登山道であった。かっては車が通れたが今は荒れている。やや広い広場が有り以前は駐車場であった。ここから登山道は狭くなり木橋を渡ると後は樹林帯の中の沢沿いの登山道が続いた。

塔の沢登山口                      沢を渡る                      沢沿いの登山道を行く
   


  登山道の上には落ち葉がたまり分かりづらい。所々にあるピンクや赤のテープ、石の上のケルンで登山道を判別して進んだ。小一時間歩いて寝釈迦像の横に到着。ここにある大きな自然石に横たわった釈迦の涅槃像が掘られている。その傍らには小さな仏像もある。

自然石に彫られた寝釈迦像             寝釈迦像の足下に小さな仏像          寝釈迦像が彫られた大きな自然石
    


  涅槃像を見た後は塔ノ沢コースの登山道を進んだ。標識が殆ど無く分かりづらいが、随所にある沢の渡渉地点の両岸にピンクテープの標識が付いていたので、それを頼りにダブルストックでバランスを取りながら石伝いに渡渉し、濡れずにすんだ。沢沿い樹林帯の紅葉は始まったばかりで、殆どの葉は緑色であった。ここも2週間先には紅葉が美しいだろう。

樹林帯の沢沿いを上がる              紅葉が始まり出している              新しい避難小屋、後ろに古い小屋
    



  樹林帯の沢沿いを歩いて行くと、立派な新しい避難小屋が立っていた。その横には古い使用不能な小屋とトイレ小屋もあった。避難小屋の戸を開けると中はきれいで、布団と毛布が置いてあった。

  ここから樹林帯を上がると稜線沿いに出て、広い賽の河原に達した。奇怪な形をした溶岩が並んで下り、石地蔵が建っている。ここで折り場登山口からの弓の手コースに合する。

賽の河原                        紅葉の山を行く                    紅葉真っ盛り
    


  賽の河原からのやや広い稜線上はツツジ類が多いが、葉が紅葉、紅葉となっていた。アップダウンを繰り返しながら高度を少しづつ上げていった。空は曇り空で、これから行く袈裟丸山はガスに覆われて見えない。小丸山の手前では早くも下ってくる単独行者に会った。上部のガスはたいしたことは無いが、見通しは良くない。上には4人の登山者がいるとのことであった。

  やや急斜面を上がりきると小丸山であった。晴れていれば見晴らしが良いはずだが、袈裟丸山まで雲に覆われてよく見えない。

碑と石の地蔵                      黄葉真っ盛り                     小丸山
    



  ここから一端急斜面を下り、鞍部に達したところにブリキ製の黄色く塗られたかまぼこ形の避難小屋があった。

 
小丸山から見る後尾袈裟丸山             白樺林を通しいてみる袈裟丸山          鞍部にある避難小屋
    

  
さらに進んでいくと3人連れ、単独行の登山者が下りてきた。周囲はツツジ、白樺の林が紅葉、黄葉し美しい。何度かアップダウンを繰り返して、ロープのかかっている最後の急登を上がりきると斜面はなだらかとなった。

白樺林                           紅葉が陽に映える                 最後の急斜面を上がる
    


  暗くなる前に帰るため12時になったら引き返そうと思ったが、頂上まで後わずかだったのでそのまま上がり12時過ぎに頂上着。ガスが取れて後袈裟丸山から、皇海山、武尊山などが見えてきた。青空も出てきて陽が差してきた。そこで、昼食を取りながら15分間休憩。

前袈裟丸山山頂                                    山頂から見る皇海山、武尊山
  


  休憩後、下山を始めた。最近は下りの方が時間がかかるのでのんびり出来ない。下り初めてしばらくして、3人連れと単独行の登山者が上がってきた。

  ダブルストックを利用して出来るだけ早く下った積もりでも時間がかかる。ロープのかかった急斜面を慎重に下りてからアップダウンを繰り返して高度を下げて避難小屋のある鞍部に到着。急な上り返しをして小中山に到着。天候が良くなり見通しが良くなったので展望台で前袈裟丸山、後袈裟丸山、皇海山、武尊山を眺めた、残念ながら日光白根山、男体山、至仏山などは雲に隠れていた。


紅葉、黄葉を見ながら下る
    


  賽の河原までの稜線は勾配は緩いがアップダウンがある。自分としては急いだつもりだがペースは上がらない。最後の緩い登りで大腿部の筋肉がつって痛くなってきた。少し休んでから歩き出したが下りではなんともない。

  賽の河原では休まずに下りた。後は登山道を見間違わないようにして下った。所々に付いているピンクのテープを確認して沢の渡渉を繰り返した。一度ピンクのテープを見失い間違った方向に歩いているのに気づいて、すぐに引き返して事なきを得た。


沢沿いの登山道を下る。 沢の渡渉が続いて分かりづらい
    


  結局、賽の河原から寝釈迦まで登りと同じ時間がかかってしまった。寝釈迦からの下りも登山道は時々沢を渡渉する。初めは歩きづらかった登山道も下るにつれて傾斜は緩くなり歩きやすくなった。

  木橋を渡りしばらく歩いてようやく登山口に到着。この下りも登りとほぼ同じ時間がかかった。後片付けをして帰宅についた。細い荒れた林道も明るい内に通過できて良かった。

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