神成山(神成9連峰) 328 m(最高地点)

   8月上旬に浅間山に上がって以来、畑仕事に忙しくて自宅近くの茶臼山や赤城山地蔵岳へのハイキングなど1時間から半日行程のハイキングしか出来なかった。おまけに前かがみで草取りに精を出したため椎間板ヘルニアになり坐骨神経痛で足が痛くなってきた。

   ほぼ痛みを感じなくなった9月末の天気の良い日に里山の軽いハイキングに出かけようかと思ったが、自宅近くの山は何度も行っているのでたまには新しい所に行ってみたい。

   「山と渓谷」の最新号(2019年10月号)に西上州の神成山の紹介記事が載っていた。神成山は群馬県の山のガイドブックの「群馬100名山」や「群馬県の山」に載っておらず知らなかったが、「山渓」の記事では里山ハイキングの山として良さそうである。そこで、これまで一度も行っていなかった西上州の神成山に上がって見ることにした。

   神成山は上信越道の下仁田ICからも近くアクセスも良いようである。朝遅く出発しても楽に行ける。4月の花の季節や11月中下旬の紅葉の季節が良いようだが、初秋の里山の景色を見ながらのんびり歩くのも捨てがたい。

   本日は月曜日で山中は誰にも会わず、静かな神成山の縦走を楽しむことが出来た。また、下りてから出発点の宮崎公園に戻る山際の細い道は舗装されていたが、車の通りが殆ど無く畑と民家が並んだ里の秋の風情が素晴らしかった。彼岸花、金木犀、コスモスなどの花、あるいは途中に多数あった古い庚申塚や道祖神を見ながらゆっくり歩いたが、最後はやはり坐骨神経痛が出て来て足が痛くなって来た。
    2019年9月30(月) 晴れ 微風
   単独
   登り:120 m    下り:120 m
 宮崎公園(12:00)-神成城跡―神成山龍王山(13:00~13:10)-旧宇芸神社跡―吾妻山(13:50~14:00)ー新堀神社(14:20)-宮崎公園(15:25)

   朝10時過ぎに自宅を出て、北関東自動車道、上信越道を乗り継いで下仁田ICに着いたのが11時過ぎ。下仁田ICから国道254号を東に向かい、途中のコンビニで昼食のおにぎりお茶を買った。その先、宮崎公園に向かったが道を間違い引き返したりして時間がかかった。

   登山口が分からず途中で停車して、居合わせた近くの人に尋ねると、丁寧に登山口と宮崎公園の駐車場への行き方を教えてくれた。結局、駐車場に着いて山歩きの準備をして出発したのが12時。駐車場には神成山ハイキングコースの案内と地図の看板が出ていた。

宮崎公園にある案内図                 彼岸花が咲く横を進む。向こうはコンニャク      中学校のの裏手から登山口
    


   地図と教えられたルートにそって進んだが、直ぐに中学校の裏手から登山口に出た。随所にハイキングコースの標識が立っており、登山路は整備されていて歩易い。地元のボランティアの人達が日本一のハイキングコースを目指してコースを整備されているとの事で、コース全体に傾斜が緩くゴミ一つ無い。

  春には各種のツツジが咲いていて美しいとの事だが今は緑が濃い。登山路は雑木林の中を進むが木漏れ日が射している。やや暑いがいが雑木林の中を風が吹いていて心地よい。

雑木林の中の登山道                   登山道の脇にお地蔵さん                 登山道の脇に不動明王
    


  少し上がると姫天狗見晴らし台に達した。雑木林の間から下の集落と畑が真下に見え、遠方には御荷鉾山、赤久縄山などの峰々が眺望できる。

姫天狗見晴らし台から見る                 木漏れ日の中の登山道を行く            山中に広い平地(神成城があった)
    


   さらに進むと、山中に樹林に囲まれたやや広い平地が出て来た。ここが神成城跡であった。神成城は群馬県に良く見られる山城で、戦国時代に此の地を領有した武将の城であったが、上杉、武田、北条の有力大名について戦ったが、最後は徳川の世になって江戸時代には廃城になったとの事。

神成山山頂のお社                    山頂には神成城見晴らし台の標識          見晴らし台から下の集落を見下ろす
   


   前後は険しい山で守りには優れているが、長い戦乱の時は食料や水の確保はどうしたのだろうか。さらにやや急な登山路を登り切ると神成山山頂であった。ここも見晴らし台があった。頂上にはお社があり、傍らには3等三角点が立っていた。ここのベンチでしばらく休んで昼食の一部を取り、お茶を飲んで休んだ。

  休んだ後、樹林帯の中の登山道をアップダウンを繰り返して、かって宇芸神社があったと言う山頂に出た。この山頂もやや広くミニ自然史博物館の箱が置かれて、この辺の小動物、昆虫、木などの標本が大きな箱の中におさめられていた。しばらくこの標本を眺めた。

途中の尾根上から見下ろす                旧宇芸神社があった山頂               山頂にはミニ自然史博物館
    

  その後、小ピークを幾つか越えて行くうちに、間違えて道を進んでしまった。だんだん登山道が細くなり滑り易い上に蜘蛛の巣が掛っていたので気づいて引き返して正規のルートに出た。

   小ピークが次々と出て来たが、緩い傾斜の登り下りで疲れる事無く進んだ。最後のピークが吾妻山で標高が328mで最も高い。ここのベンチに座り、残りのおにぎりとお茶を飲みながら、箱の中に置いてあった神成山の写真集を眺めた。春のツツジや、翁草の写真は素晴らしく、この時期に来て見たいと思った。


吾妻山山頂にあるお社                  吾妻山山頂から見る西側の集落            吾妻山から急斜面を下る
    

   休憩後は下りとなった。結構急な下りが続き足が痛くなって来たのでゆっくりと慎重に下って緩斜面となった所で鳥居が出て来た。新堀神社に到着。ここから少し下ると細い舗装道路に出た。角の家は人気が無いが、庭には大きなサボテンが立っていた。

新堀神社                           新堀神社からの下りに彼岸花が満開       2階家より大きなサボテン
    


   後は出発点の宮崎公園に戻るために、山際の舗装された細い道路を進んだ、この舗装道路は山に沿って曲がりくねって進んでいたが、目の前は畑と民家が点在しており遠くには御荷鉾山の山並みが遠望される里の景色が続いていた。

道路から見上げる通って来た岩山          立派で由緒ある宇芸神社                里の秋が眼前に
    
   
畑や民家の周辺には彼岸花、コスモス、金木犀、芙蓉の花が満開で、橙色の柿の実がなっている。随所に庚申塚や道祖神の石碑が立っており、里の秋の光景が目の前に拡がっていた。

   非常にゆっくり歩いたにもかかわらず、足が痛くなってきて1時間以上かかって宮崎公園に到着。狂い咲きだろうか沢山のツツジが咲いていた。駐車場に戻って後片付けをして帰途に着いた。

道端に道祖神と庚申塚
    

道端には花が満開