浅間山(前掛山) 2524 m

   無雪期の浅間山は55年以上前に浅間山荘から火口壁まで上がり、火口を上から眺めた記憶がある。当時は今のような火山情報が無く入山規制が無かったのかも知れない。浅間山の火山警報レベルが2018年の8月からレベル2からレベル1に引き下げられた。そこで火口手前の前掛山まで上がることが出来るようになった。今年の1月には東側の東前掛山に山スキーで訪れている。

    57~58年振りに無雪期の浅間山(前掛山)に行って見ようかと、人が少ない月曜日の8月6日に出掛けた。連日、猛暑の日が続いているが、標高2000mをを越える山なのでそれほど暑くは無いだろう。
 
   歳を取って来て体力が落ちているし足腰も痛くなりそうでやや不安だったので、朝早く出発してゆっくり歩くことにした。それでも無理なら途中で引き返せばよい。
   
   山に上がるのは2カ月以上前の富士山以来で、特に登り始めはきつかったがゆっくり歩いたので次第に慣れてきた。しかし、急な下りはやはり膝や足が痛くなってきてふらついたりしてつらかった。上り下りいずれでも時間はかかり大勢の登山者に追い越されたが、、予定通り行けたので満足の山行であった。

   この記事を書いた直後の8月7日の夜10時に浅間山が小噴火を起こし、噴煙が立ち上り周囲に火山灰や火山弾が飛んで、火山警報レベルが1から3に引き上げられたと言うニュースがあった。夜中の噴火で登山者がいない時で良かった。火山活動が弱まったと言っても予兆なしに噴火することもある。数年前の御岳山では大勢に犠牲者が出た例を改めて思い起こした。、
   

    2019年8月5(月) 晴れ 微風
   単独
   登り:1130 m    下り:1130 m
 車坂峠(5:05)-トーミの頭(6:45~6:50)-湯の平(7:45)ー賽の河原分岐(8:05)-前掛山(9:30~10:00)ー賽の河原分岐(11:00~11:10)-湯の平((11:25)―トーミの頭(12:45~12:55)―車坂峠(14:00
   早朝、出発するために前日の夕方自宅を出て北関東自動車道、上信越道を乗り継いで小諸ICを出て、車坂峠に暗くなる直前に到着。駐車場に車を停めて車中泊した。

   夜中の1時過ぎに起きて星空を眺めると、久しぶりに天の川を見ることが出来た。ところが夜明け前の4時過ぎに起きると少し遠くは霧で霞んで見えるし空は曇天であった。薄暗い中で起き出して簡単な朝食を取り、山歩きの準備をして出発。

   車坂峠の登山口で登山届を出して、表コースを取り進んだ。朝は早いし曇り空で長そでシャツを着た。初めは針葉樹林帯の中の緩やかな登山道で歩き易い。しかし、ゆっくり歩いたにもかかわらずきつい。

   わずかに歩いたところで後続の単独行登山者に追い越された。だんだん歩きなれて来たが、以前のように快調にペースを上げることが出来ない。陽が射して暑くなり、シャツを脱いでT-シャツだけになった。ややきつい登りを終えると尾根上のピークに出た。正面にトーミの頭、その後ろに浅間山が見えた。

   このピークからいったん下ってからし登っている途中で男の子2人と父親らしい3人連れに追い越された。1時間40分かかってトーミの頭に到着。先ほどの3人連れが休んで朝食を取っていた。


朝霧でやや霞んだ車坂峠登山口            トーミの頭、正面は浅間山                急斜面の草すべりを下りる
   


   トーミの頭の正面には浅間山、すぐ左横には黒斑山、さらには蛇笏岳に至る外輪山が一望できた。トーミの頭から急斜面で下まで落ち込んでいる草すべり、さらには平らな火口原の湯の平が眼下に見えた。

   先は長いので休憩は短くして、わずかに黒斑山の方に向かった後、急斜面の草すべりを下りて行った。ここにはいろいろの高山植物の花が咲いていて写真を撮りながらゆっくり下ったが、苦手の急斜面の下りで足が痛くなってきた。降りて行くうちに踏ん張りが利かず転倒。登山道の横の草原に倒れ一回転して止まった。

   起き上がって登山道に戻ってから、持参のストック2本を出してストックで支えながら慎重に下りた。ようやく急斜面の草すべりを下り切って樹林帯の緩斜面になってほっと一息。ここで後続の単独行登山者に追い越された。樹林帯を下ると平坦で広い湯の平に出た。


湯の平分岐点                         平坦な湯の平の登山道を行く            賽の河原分岐点で一休み
    


   雰囲気の良い樹林帯の中の登山道を進んで行くと、賽の河原分岐点に出た。ここからは前掛山方面に向かう登山道を取った。初めは樹林帯の中の緩斜面で歩き易かったが、樹林帯を出るとだんだん急斜面となった。真夏の日が射していて遮るものが無く暑い。目の前に見える前掛山を左側に回り込んで上がった。


正面の前掛山を左側に蒔いて上がる          前掛山直下の柱状岩壁                浅間山手前の鞍部に噴火時のシェルター
    


   ストックを使いながらゆっくりと上がっている最中に単独行の女性に追い越された。未だか未だかと上がっていると目の前に浅間山が見え出してきた。右側には前掛山見える。岩のごろごろした登山道を少し下ると、噴火した時のシェルターの横に出た。

   前掛山直下の柱状の岩壁が見事である。尾根上の緩斜面の登山道をゆっくり歩いて行くと、途中で追い越された2人が戻って来るのに出会った。彼らは自分より1時間近く短時間で登頂したようである。

前掛山へ最後の一登り                   前掛山山頂、正面が浅間山               前掛山の東斜面に群生するオンタデ
    


   4時間半掛かってようやく前掛山に到着。先程追い越された女性が頂上で休憩していた。自分も周囲の景色を見ながら行動食と水を取りながら長い休憩。目の前には浅間山。南側には奥秩父の山々と頂上だけ顔を出した富士山。その右側には八ツ岳連峰。中央アルプスから北アルプス方面は上部が雲に覆われていて判別がつかない。


浅間山外輪山、蛇笏岳から黒斑山              奥秩父の山並みの向こうに富士山          八ヶ岳
     


  女性登山者は下って行って、静かな山頂で一人ゆっくりした。帰りも時間がかかりそうなので10時に下山を始めた。緩斜面の尾根筋を下って行くと続々と後続の登山者が上がって来た。


剣ヶ峰、後ろは雲に覆われた中央アルプス連峰   北アルプすも雲に覆われている            J-バンドと雲に覆われた群馬中東部の山
    


   前掛山の下りは足が痛くなるのを我慢してやや早く歩いたが、それでも次々と後続の人に追い越された。中にはトレイルランニングのように駆け下りて行く人が何人かいた。これから上がる人も大勢いた。ようやく賽の河原分岐点に出て一休み。


すべりを見上げる                    浅間山                              蛇笏岳
    


   賽の河原分岐点で、J-バンドに上がり蛇笏岳、黒斑山を経てトーミの頭に戻る事も考えたが、疲れがあるし足も痛くなってきたので無理をしないで往きのルートをそのまま辿って戻ることにした。

   湯の平分岐点までの平坦な登山道も結構長く感じた。湯の平から目の前の草すべりの急斜面が聳え立っている。やや緩斜面の樹林帯で後続の人に追い越された。急斜面の樹林帯をストックを使ってゆっくり上がったが足に応えた。途中の木陰で水を飲みカロリーメイトを食べて一休みした。

   その後飴をなめながらゆっくり上がったが、さらに後続の人に追い越された。ようやく、トーミの頭に到着。車坂峠から上がって来た人、前掛山から戻って来た人で賑わっていた。


黒斑山                            トーミの頭から下る                    平坦になった登山道を進
    

  
   トーミの頭で少し休憩し、正面に見える浅間山、左手に見える黒斑山を見てから中コースを下って車坂峠に戻った。この下りは、急斜面は無いのだが岩の多い登山道で足が痛くなり大勢の登山者に追い越された。

   車に戻って後片付けをした後、日帰り温泉に入って汗を流してから帰途に着いた。
   

途中で出会った花と蝶
キンレイカ?                  オンタデ             ソハナ
      


アザミ                    タカネウスユキソウ          タカネナデシコ              イブキジャコウソウ
      
  

クルマユリ                           クジャクチョウ                       ウラギンヒョウモンとクジャクチョウ
    


GPSトラック(登りは赤、下りは青。 トーミの頭―前掛山間は登り、下りいずれも同一のルートを辿ったので青線で示す)