苗場山 2145 m

    苗場山は100名山の一つで頂上は平らで広大な湿原が広がっている。20~30年以上前の無雪期に祓川からと秋山郷の小赤沢からと2度、10年くらい前の積雪期には山スキーで小赤沢から一度訪れたことがある。無雪期には祓川まで車で上がれるので比較的簡単に登れる。

   途中の神楽峰までは積雪期には山スキーで毎年のように訪れているので、久しぶりに苗場山に行って見ようかと三国山に行った翌日に祓川の駐車場で車中泊して朝早く出発することにした。

   前日、三国山に上がった後暗くなる直前に祓川の駐車場に着いて車中泊をすることにした。駐車場には10台くらいの車が停まっており、その後も続々とやって来て、朝方明るくなる頃にはほぼ満車状態になった。さすが、連休中であり人気の山である。

   夜10時頃に空を見上げると満天の星。北斗七星が良く見えた。久しぶりに天の川も見ることが出来た。こと座ベガ、わし座アルタイル、白鳥座デネブなどなじみの星々も見えて満足の観天。

   朝早く出たし、家族連れでも行ける比較的簡単な山と考えていたが、予想以上に疲れて足も痛くなってきた。特に苦手の下りでは次々と追い抜かれた。やはり高齢になった影響は大きいと実感せざるをえなかった。また、昨年夏の南アルプスでの事故の後遺症や暑さの影響もあるだろう。標準コースタイムからだいぶ遅れたが、無事に行けたのは幸いであった。

    2018年7月15(日) 晴れ 微風
   単独
 祓川駐車場(5:10)-神楽峰(8:20)-苗場山手前鞍部(8:45)-苗場山(9:55)-頂上近くで休憩(10:00~10:45)-鞍部(11:15)ー神楽峰(11:40)-和田小屋(14:10~14:20)-駐車場(14:30)
  朝明るくなり出した四時頃起きだして、湯を沸かし朝食を取った。準備をして歩き出したのは五時過ぎ。既に出発した人、準備をしている人、車で上がってくる人など大勢の登山者であった。

  初めは舗装道路を和田小屋まで歩いた。目の前には見慣れたゲレンデ、その上に積雪期に上がり滑り降りている神楽峰、中尾根が見えた。和田小屋からは樹林帯の中の登山道を上がって行った。岩がごろごろしている歩きにくい登山道が続いた。

神楽峰を正面に見て進む                   和田小屋を過ぎた正面のゲレンデ         下の芝を行く
    


  下の芝を通り、尾根筋を上がると右手に谷筋に下る笹林が拡がっていた。積雪期はいつもここを滑っておりている。登山道は岩がごろごろしていて積雪期にシール歩行で上がるより疲れる上に苦労する。

  第五リフトの上を通り過ぎてシラビソの樹林帯を通り抜け、木道を進むと中の芝であった。ここで数名の登山者がベンチで休んでいた。自分もベンチに座り休憩した。久しぶりの山歩きで疲れる。

尾根筋から谷筋に下る笹林                  中の芝で休憩                  上の芝のベンチと木道、後ろは神楽峰
    


  ここから再びシラビソの樹林帯を上がり、上の芝を通り小松原方面に向かう分岐点に達した。左手に取り傾斜の緩くなった登山道を行くと、大きな岩のある2~3mの急斜面に達した。ここを慎重に通過し平坦な登山道を進むと神楽峰の標識が出て来た。神楽峰はここからわずかに上がるが、そのまま通過。

小松原分岐点                          神楽ヶ峰                       神楽ヶ峰から南面の山々を見る
    


  神楽峰を回り込んでから鞍部への下りとなった。しばらくして雷清水に出た。かなりの水量の冷たい湧水が出ている。ここで数名の人が休んで清水を飲んでいた。自分も残っていたペットボトルの水をあけて、この清水を汲み入れて思う存分飲んだ。冷たい清水がおいしい。ペットボトルを満タンにして更にわずかに下ると鞍部に出た。

苗場山                             雷清水                           神楽峰、中尾根の頭、霧の塔
    

   周囲はお花畑で、ニッコウキスゲの群落やクルマユリ、タカネナデシコ、ウスユキソウなどの花が咲いていて美しい。
   
ニッコウキスゲ                                          ワタスゲ
  


   鞍部から雲尾坂の急斜面を上がると上部は平らになる。広い苗場山の山頂湿原が広がっていた。湿原の中に池塘が散在し美しい。所々、白いワタスゲの群落が見えた。木道を進み皆が休んでいるベンチを越えて行くと、苗場山の標識が立っている山頂であった。出発してから4時間45分かかった。やはり標準コースタイムよりオーバーしていた。

苗場山山頂に広がる湿原と池塘
     


   山頂から山小屋を通り過ぎてわずかな距離で、沢山のベンチが置いてある休憩スポットに達した。大勢の人が休んでいた。自分もここで長い休憩を取った。

   充分休んだ後、登って来た道を引き返した。これから上がってくる人に次々と出会った。苗場山からの下りをゆっくりと降りて鞍部に達した後、わずかな登りで雷清水に到着。再び冷たい清水を飲んで、ペットボトルに清水を入れて最後の登り。神楽峰を過ぎて、大きな岩をよじ登って越えて平坦な登山道を行くと小松原分岐点に達した。

   ここから、和田小屋までスキーなら20~30分で快適に下れるのだが、無雪期の登山道を下るのは時間がかかる上につらい。上の芝のベンチでしばらく座って休んだ。ベンチに座って休んでいる人と少し話をした。これから登ってくる人は殆どが山小屋泊まりのようだが、結構大勢いる。

   シラビソの樹林帯の中の登山道は岩ががごろごろしていて足腰に応える。途中で次々と後続の登山者に追い越されたが、追い越した人はいなかった。下の芝に達した所で、ベンチに座ってしばらく休憩を取った。最後の下りもゆっくり降りたが、膝が痛くなってきた。

   ようやくつらい登山道の下りが終わり、和田小屋の手前に出た。和田小屋で清涼飲料水を買いベンチに座って休みながら飲んだ。後は舗装道路を歩いて駐車場まで戻るだけ。足腰が痛くなったが無事に行けて満足の苗場山であった。

途中でお目にかかった高山植物(花)と蝶

 キンレイカ                   クジャクチョウ              クルマユリ                ウスユキソウ
   


タカネナデシコ               イワオウギ                                       シシウドを給蜜するヒョウモンチョウ
   

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