大和三山 (香久山 152 m、耳成山 139m、畝傍山 198m)

    30~55年前に良く訪れた奈良と大和路だが大和三山には行って無かった。いずれも200mに満たない低山だが、飛鳥地方の平原の中に聳え立つ独立峰で、万葉集にも詠まれている。三山の中心部にはかって藤原京があり、古代の史跡でもある。

    大和三山には一度は登って見たいと思い、12月の中旬の人が少ない時の奈良旅行の際に一日がかりで行くことにした。土曜日であるにもかかわらず、人に会う事も少なく静かな大和三山の山歩きを楽しめて幸いであった。

  ほとんど無風で暑くも無く寒くも無い丁度良い陽気であったが、途中、街中や田園地帯を歩く距離が長かったので最後は疲れて足が痛くなってきた。
    
    2018年12月15(土) 晴れ時々曇り

   単独
 橿原神宮前駅(9:25)-甘樫丘(10:00~10:35)-橿原市昆虫館(11:00~11:30)―香久山(11:55~12:00)―藤原京跡ー耳成山麓(12:50)-耳成山(13:15)―近鉄八木駅(13:45)―畝傍御陵前駅(14:00)-橿原神宮(14:15)―畝傍山(14:45)-橿原神宮(15:10)-深田池―安寧天皇陵-神武天皇陵-畝傍御陵前駅(16:30)
   宿で朝食後、近鉄奈良駅に向かい近鉄橿原線で橿原神宮前駅に到着。駅で飛鳥コースと大和三山周遊コースの地図のパンフレットを貰った。

   まず大和三山が一望できる甘樫丘を目指した。飛鳥コースのパンフレットを見ながら途中で通り過ぎた人に甘樫丘の方向を尋ねて進んだ。剣池を経て孝元天皇陵を遠くに見てそのまま道路上を進み、飛鳥川の手前の突き当りを右に行くと甘樫丘の入り口の休憩所に出た。

剣池、向こうは孝元天皇陵                  甘樫丘の入り口の案内図                  甘樫丘の遊歩道を上がる          
     



   曲がりくねった遊歩道を上がって行くと二つの丘の鞍部に出た。まず、右側の川原展望台に向かった。展望台から正面に藤原京跡、耳成山、左側に畝傍山が遠望されたが、香久山は木に隠れて見えない。


まだ紅葉が残っていた                   川原展望台からの遠望                   甘樫展望台から見る飛鳥地方
         

登って来た道を引き返して鞍部に出た後、甘樫丘展望台に上がった。ここからは、大和三山が一望できる。反対側は飛鳥寺や石舞台古墳など飛鳥時代の史跡が拡がっている。

甘樫展望台から見る大和三山
香久山                            耳成山                            畝傍山
    


   次に香久山を目指して飛鳥川に架かる橋を渡り畑の中の道路を北に向かって進んだ。橿原市昆虫館まで1kmの標識があッた所で右折した。中学高校時代に蝶集めをしていたので昆虫館に興味がある。寄り道をして昆虫館を見学した。蝶や甲虫の標本は揃っており、大きな温室にはオオゴマダラやリュウキュウムラサキが飛んでいた。

飛鳥川沿いを歩く                       橿原市昆虫館                       天岩戸神社
    


   急ぎ足で昆虫館を見学した後、香久山を目指した。天岩戸神社から木々の生い茂った登山道を上がった。頂上は比較的広く国常立神社が立っていた。案内標識には持統天皇が詠んだ歌、「春過ぎて夏来にけらし白妙の衣ほすてふ天の香久山」が書かれていた。

香久山登山道                        頂上にある国常立神社                 案内標識に持統天皇の歌が
    

  頂上は木に覆われていて見通しは良く無い。木の間越しに藤原京跡、八木の街、その向こうに耳成山が遠望できた。下りは元来た道を取り途中からそのまま北に降りて耳成山に向かった。奈良文化財研究所の横を通り、畑の中の藤原京跡を通り過ぎて線路を渡り住宅地を通り抜けて耳成山登山口に達した。

広い藤原京跡の中を耳成山に向かう           なだらかな耳成山登山道を上がる             頂上にある耳成山神社
    


   耳成山は山腹をぐるりと左回りに一周するようにしてなだらかで歩き易い道が頂上まで続いていた。山頂には三等三角点があり、少し下った所に山中にしては立派な耳成山神社があった。神社から急斜面の登山道を下り、なだらかになった所から献灯の並んだ道を下りて階段を下りると鳥居のある登山口に到着。

   近鉄八木駅まで道路上を歩いた。八木駅で5分待ちで橿原神宮前駅の電車が来たのでそれに乗り2駅先の畝傍御陵前駅で下車した。橿原考古学研究所の見学をしたかったが、時間が掛りそうだったので先を急いでパス。

東大谷日女命神社                     畝傍山山頂の標識と案内板                 神社社殿跡の石垣
    

   橿原神宮の大きな鳥居を通り過ぎて広い参道を少し行くと、右側に畝傍山登山口の標識がある。標識に従い少し上がると東大谷日女命神社があった。そこに立ち寄ってから、木々に覆われた緩やか登山道を上がって行った。

   山頂は比較的広く木々に覆われていた。畝火山口神社社殿跡の標識があり、土台の石垣には大きな木が立っていた。木の間越しに耳成山が遠望された。登って来た山道と反対側のやや急斜面の道を下ると、特攻隊員を記念した標識と石碑の前を通り過ぎて橿原神宮の参道に出た。


畝傍山から見る耳成山                  橿原神宮                           神武天皇陵
    

   参道を進んで本殿にお参りして西出口の鳥居に出た。目の前は深田池。そのまま池沿いを進み、近鉄南大阪線の橿原神宮西口駅の近くに出た。歩き疲れたので、ここから電車に乗って奈良に戻ろうかとも思ったが、まだ時間があるので畝傍山を一周して安寧天皇陵や神武天皇陵を見てから畝傍御陵前駅に戻るることにして歩き続けた。

   地図を持っていたが分かりづらく道に迷いながら進んだ。足が痛くなり疲れてようやく畝傍御陵前駅にたどり着いたのは4時半。電車で奈良に戻った時には暗くなっていた。
 
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