尾瀬 1950 m(到達最高地点)

    自宅近くの茶臼山を除いて2カ月近く山歩きをしていなかった。久しぶりに山歩きをしようかと思い、一泊2日の山小屋泊で尾瀬に出掛けることにした。しかし、体力あるいは足腰の点で不安があるので、至仏山や燧ヶ岳に登るのは止めてアヤメ平、尾瀬ヶ原、尾瀬沼を巡るハイキングとした。

    10月半ばを過ぎると尾瀬もシーズン終了に近く、ウィークデーなら人出が少ない静かな山歩きを楽しめる。中腹以下なら紅葉が期待出来る。天気は曇り空であったが風は無く、時々陽も射して暑からず寒からずの日和であった。

    2018年10月15(月) 曇り 微風
   単独
 鳩待峠(9:10)-アヤメ平(11:20)-富士見峠(富士見小屋(11:35~11:50)―尾瀬ヶ原(竜宮小屋手前)(14:05)―見晴(14:35)

  自宅を朝6時過ぎに出て、戸倉の駐車場に8時過ぎに着いた。山歩きの準備をしていると、係の人がやって来て「鳩待峠行のマイクロバスが直ぐに出るので乗るなら急いでください」と言われた。あわててザックに必要なものを詰めたが、予備電池や手拭いなどをザックに入れるのを忘れてしまった。

  乗車券を買ってマイクロバスに乗るとバスは直ぐに出発。鳩待峠には9時前に着いた。駐車場は満車状態で、結構大勢の人がいた。しかし、殆どの人は尾瀬ヶ原の山の鼻に向かうか至仏山に上る人であった。

  鳩待峠からアヤメ平方面に向かう右側の稜線沿いに進んだ。こちらに向かったのはただ一人で静かな山歩きとなった。ブナ、シラカバ。モミジなどの葉は落ちて枯れ木となっており、残念ながら紅葉は過ぎていた。登山道はなだらかな登りが続いて歩き易い。途中で単独行の女性を追い越し、反対方向からは2人連れがやって来た。

  曇っていたが稜線沿いは見通しが良い。、至仏山と燧ヶ岳は上の方だけが雲に覆われていた。アヤメ平周辺では枯れた草原が続き、池塘が美しい。その中の木道を進み、しばらくして竜宮小屋方面に行く分岐点に出た。そこから200m程下ると富士見小屋のある富士見峠に出た。ここに来たのは56,7年前の大学2年生の時に級友4名と来て以来である。

  小屋の前のベンチには数名の人が休んでいた。自分もここで休んで行動食を取った。休んだ後は、下りて来た道を引き返して竜宮小屋方面に向かう分岐点に出て、ぞのまま尾瀬ヶ原方面に下って行った。始めは緩い下りであったが、しばらくすると大きな岩がごろごろ転がっている急斜面の下りとなった。足腰、膝に応える苦手の下りである。

  木道がが出て来て傾斜が緩くなった所で数名の人が休んでいた。竜宮小屋方面から上がって来た人たちであった。これから岩がごろごろした歩きにくい急斜面の下りが続きますよと言われた。

  確かに緩い歩き易い登山道は直ぐに終わり、急な歩きにくい登山道が続いた。持参のストックを使えばよかたっが、使わずに下りたのでだんだん足腰が痛くなってきた。2度ほどバランスを崩して転び掛けた。

  標準コースタイムより時間が掛ったが尾瀬ヶ原に到着し、ベンチで座って少し休憩。尾瀬ヶ原は一面枯草となっており晩秋の様相である。午前中より天候は良くなり、至仏山、燧ヶ岳の山頂部にかかる雲もほとんど取れていた。


尾瀬ヶ原からから見る至仏山               尾瀬ヶ原から見る燧ヶ岳                  泊まった桧枝岐小屋
    


  休憩後は尾瀬ヶ原の平らな木道を歩いて、竜宮小屋を過ぎて見晴に到着。もう営業を辞めた山小屋も結構あった。桧枝岐小屋に宿泊をお願いした。ビールを買いベンチに座り周囲の景色を見ながら至福の時を過ごした。本日の宿泊客は全部で6人でゆったり休めた。


残っていた黄葉                                         至仏山が夕焼けに映えていた
   

  
 10月16(月) 曇り 微風

 見晴(7:10)-沼尻(9:05)-尾瀬沼(ビジターセンター)(10:00~10:10)―尾瀬沼山荘(10:30)―三平峠(10:50~11:00)―一の瀬(11:55)―大清水(12:45)

  昨日の足腰の痛みは未だ残っていた。年を取って来ると回復力も落ちてきたことを実感する。6時半から朝食。食事を同席した単独行の方は至仏山に上がった後、鳩待峠に行くと言っておられた。朝食後、直ぐに準備してその方とほぼ同時に小屋を出た。

  今日は燧ヶ岳に上がらないのでのんびり行ける。周囲の木々は殆ど葉を落としている樹林帯の中の登山道は緩い登りで木道が敷かれており歩き易い。時々、まだ残っている黄葉、紅葉が見られた。


樹林帯の中の木道を進む                 紅葉が美しい                        草紅葉の湿原の中、木道を進む

    
 
  なだらかな登山道を登り切って白砂峠を越えると緩い下りになった。白砂湿原に出て広い枯れた草原の中の木道を進んだ。思ったより早く尾瀬沼湖畔に達し沼尻に出た。

  沼尻ではベンチに数名のハイカーが休んでいた。ここの小屋は火災で焼けたそうだが、トイレの小屋は立っていた。しかし、このトイレ小屋も扉が閉ざされていて使用不可。ベンチで休んで行動食を取っている間に、皆出発して一人になった。休んで少し進むと燧ヶ岳に向かうナデックボが左手に見えた。


沼尻方面から見る燧ヶ岳                   湿原の中の木道                        尾瀬沼

    


  ナデックボは何度か山スキーで滑り降りた事があるが、無雪期には通ったことが無い。2人連れの登山者が上がって行くのを見送って、尾瀬沼沿いの平坦な木道を進み小尾根を越えて一面茶色く枯れた草原の浅湖湿原、大江湿原に出た。湿原の中の木道を進むと、長蔵小屋など数軒の山小屋がある尾瀬沼畔に出た。

  ここでは、新しい施設を作るための工事をやっていた。尾瀬沼ビジターセンターに立ち寄り、展示物を見学した。 見学後、尾瀬沼湖畔の木道を歩いて尾瀬沼山荘に到着。沼越しに見る燧ヶ岳が美しい。ここでも数名の人がベンチで休んでいたが、そのまま通過。


尾瀬沼山荘付近から見る尾瀬沼と燧ヶ岳                           樹林帯の中の木道を三平峠に上がる
  
   
 

  沼から木道沿いに三平峠に上がった。山スキーではジグを切りながら直接上がっていたが。木道は大きく迂回して上がっていた。三平峠の大きな標識の前のベンチで少し休みながら、昼食を兼ねて行動食を取った。

  三平峠からしばらく緩斜面の尾根筋を木道沿いに進んだ。山スキーでは簡単に滑って直ぐに到達するが、歩くと意外に距離が長い。尾根末端から左手の急斜面を登山道沿いに下って行った。やはり急斜面の下りは苦手で距離は短いがゆっくりと降りた。途中の岩清水で水を飲んだ。

  降り切った所は見慣れたやや平坦な広場になっている。ここからは傾斜も緩くなってきた。周囲の木々が紅葉、紅葉の最盛期のようで美しい。これから、上がってくる人にも何人か会った。

   登山道の周囲の木々が紅葉、黄葉で美しい
   


  傾斜が緩くなっ沢沿いの登山道を紅葉を見ながら進むと一の瀬に出た。工事に来た人たちの車であろう、沢山の車が駐車していた。大清水13時発のバスに乗るため、林道をやや速足で下り、バス出発時刻の15分前に大清水に到着。

  バスに乗って戸倉まで戻り、駐車場で車まで戻った。後片付けをして2日分の駐車料金2000円を払い、直ぐ近くの日帰り温泉で汗を流した後帰途に着いた。
 
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