根本山 1199 m

    昨年10月から12月にかけて3回ほど異なる登山口から根本山に上がった。登山道は有れている所が多く、標識も古く迷った箇所もあった。また高齢の登山者のグループが山中で迷って救助された遭難事故もあった。

   そこで、登山道や標識の整備に関わる市役所の担当部署に出向いて「現状では非常に問題があり再び事故が起こりかねないので、善処して欲しい」とお願いしたが、「今年度の予算はもう無いので来年度に様子を見て善処します」とのことであった。

   その後、根本山の登山道、標識に付いて気になっていたが、今年の8月に桐生市の地方紙「桐生タイムス」に根本山の地元の有志と桐生山岳会OBで作る根本山瑞雲倶楽部のメンバーが登山道と標識の整備を行ったと言う記事が出ていた。

   11月中下旬は根本山山麓を流れている桐生川の紅葉が、黄葉が見ごろを迎える。その紅葉をと根本山登山道と標識の整備を見るため、好天の木曜日に一年ぶりに訪れた。

   登山道に覆いかぶさっていた風倒木はきれいに切除かれていたし、見やすくて大きな標識が新たにつけられたり、根本沢コースの危険な個所には新しいロープが掛けられたりしていて、登山道。、標識の整備がしっかりとされていた。尽力された根本山瑞雲倶楽部の方に感謝する。

   根本沢コースの入り口にも上級者向きコースと書かれた標識が設置されて、初心者が知らずに紛れ込むことは無くなるであろう。根本沢コースは江戸時代の修験者が修行したルートで、途中に古い石碑、お地蔵さん、根本山神社、鐘楼、修験に使われた切り立ったがけ、梯子などがあり、中級者以上の登山者には面白いルートだと改めて感じた。


2016年11月17(木) 晴れ
   単独
 登山口駐車場(8:40)-不死熊橋、根本沢登山口(8:45)-根本山神社(11:20)-行者山(11:40)-根本山(12:05~12:30)-十二山(13:00)-熊鷹山(13:25~13:35)-林道(14:05)-中尾根コース分岐点(14:50)―中尾根コース入口(14:57)-中尾根コース分岐点(15:05)-駐車場(15:20)
   早めに朝食を
取り自宅を出たのが7時40分ぎ。通勤時間帯にかかって市内を通過するのにやや時間がかかった。途中でコンビニに立ち寄り昼食のおにぎりとお茶を買った。

   梅田湖を通り過ぎて梅田ふるさとセンターから先は道路が狭くなる。桐生川沿いの紅葉は始まっていた。見慣れた三境林道の手前の広い駐車場に車を停めた。本日はウィークデーで誰もいない。

   登山の準備をしている時に、私と同じような高齢の単独行登山者がやって来た。この方は前回根本沢コースを歩いたので、今回は熊鷹山から根本山を目指すと言っていた。この人とほぼ同時に出発。

   林道の不死熊橋を渡るとすぐに根本沢コースに入る急な崖が出て来る。ここには上級者向きコースと言う標識が付けられていた。また崖を上がるロープも新しいものに付け替えられていた。

根本沢 沢沿いの登山道                  渡渉                           江戸時代(?)からある沢沿いの石垣
   

   崖を上がり切るとやや平坦な登山道が沢沿いに通じている。途中には根本沢周回コースの標識が新たに幾つかつけられていて分かりやすくなった。途中で沢の渡渉、沢の高巻き、ヘツリなどがあり危なそうな所はロープや橋、梯子が掛けられている。初心者はビビる所だが中級者以上なら面白いコースで、真夏なら沢登りで行くのも良さそう。

石垣には新しいアルミの橋が架かっていた        沢沿いを行く                       沢沿いを行く
    


崩れかけている橋                      沢沿いをのんびり歩く                  沢沿いの急な崖をヘツリ
      


   ブナの黄葉、楓の紅葉が青空に映えて美しい。

    

   江戸時代に立てられた石碑、古いお地蔵さんなどが立っている横を通り過ぎた。江戸時代にあったと言うお籠り堂などの説明文が新たに設置されていて興味をそそられる。

江戸時代に立てられた古い石碑が点々と建っている
    


江戸時代にはここに籠り堂、女人堂などが建っていた   江戸時代からの古い石段              沢沿いを梯子で上がる
    


水が枯れた沢を上がる                    首から上が欠けた古いお地蔵さん          鎖がかかった急な崖を上がる
    


標識に従い鎖がかかった急斜面の崖を上がると狭い尾根の上に鐘楼と根本山神社が建っていた。神社のお堂は崩れかけており怖くて中に入れない。

根本山神社の灯篭                     根本山神社本堂                      根本山神社鐘楼
    


  神社からは急な崖の尾根道となり、鎖とロープが次々と掛けられている。崖の途中で根本山神社奥宮の社があった。

急な崖の鎖場が続く                                                  急な鎖場の途中に根本山神社奥宮の社
    


なるべくロープや鎖を頼らず手足を使った3点確保で慎重に上がり行者山に到着。ここにも立派な標識が新たに付けられていた。

行者山(新しい標識が立っていた)           正面に根本山                        尾根筋に一本残っていた紅葉
    

  ここで少し休憩後根本山に向かった。一か所鎖場を越えると、後は緩斜面の尾根道が続き根本山山頂に到着。朝ほぼ同時刻に登山口を出た単独行の人が休んで昼食を取っていた。この方は熊鷹山を経由して11時40分位に山頂に到着したと言っていたが、12時15分ごろに下りだした。

  自分もここで昼食を取りながら休憩。誰もいない山頂での心地よいひと時。山頂近くは殆ど黄葉は散っており、枯れ木の間を吹き抜ける風がやや冷たい。木の間越しに男体山が見えた。

根本山山頂                         根本山よりなだらかな尾根筋を下る             根本山神社の鳥居
    


  あまりのんびりしている訳にもいかない。30分休んで十二山方面に尾根伝いに進んだ。途中の平坦な所には鳥居や石製の社、さらに壊れかけた建物の後の根本山神社がある。

根本山神社跡                                                       十二山に向かう
    

江戸時代から神社があり、明治時代には神職が住んでいたと言う由緒が書かれている石碑が立っていた。十二山と言うのはここに十二神将が奉納されていたことに由来するとか。
神仏習合の修験道の山でかって栄えていたのだろう。

尾根筋の紅葉                          男体山                            途中に古い社
    

  なだらかな尾根道を少し行くと十二山、さらになだらかな雰囲気の良い尾根道を何度かアップダウンを繰り返して進むと熊鷹山に達した。ここには三人連れが休んでいた。自分もしばらく休憩。この三人ずれからココアとチョコレートを頂いた。

二山山頂                         雰囲気の良い尾根筋の登山道             熊鷹山山頂には物見台が
    


  見晴しのためのやぐらの上に上がると周囲の山々の眺望が素晴らしい。男体山、日光白根山は頂上は雲に覆われていたが、その横の錫ヶ岳、さらには皇海山、袈裟丸山、正面いすそ野の広い赤城山、さらに榛名山から浅間山。

袈裟丸山から皇海山 手前は根本山           赤城山                             男体山
    

  林間の急な尾根を三〇分ほど下ると林道に出た。後はのんびりと緩斜面の林道を下るのみである。

ここにも社と鳥居があった                                                    林道に出てのんびり下る
    

  後少しで登山口の所で、中尾根コースに至る林道分岐点がある。昨年は風洞木がこの林道をブロックしていて、中尾根コースも分かりにくく危険な状態であったが、林道をふさいでいた風洞木もすべて切られて片づけられていた。林道から中尾根コースの入口も分かりづらかったが、立派な標識が整備されていた。

新しい見やすい標識が立てられていた                                      風洞木に覆われていた登山道も整備されていた
    

  桐生側の根本山登山道、標識の整備がなされている事を確認できたのでほっとして不死熊橋を通って駐車場に戻った。後は車を走らせ、桐生川川沿いの紅葉、黄葉を眺めながら帰宅に着いた。


桐生川沿いの紅葉