燕岳−大天井岳−常念岳−蝶ヶ岳−徳本峠 (テント泊、3泊4日の縦走)
8月19(火) 曇り時々晴れ、後小雨
単独
燕山荘(6:10)-大天井岳(9:10-9:50)−常念乗越(13:10)
登高標高差:845m、下降標高差:1040m (GPS より)
明るくなり出した4時20分起床。お湯を沸かしてコーンスープを作り、前日食べ残したコンビりのおにぎりとパンで朝食。テントを撤収し準備をして出発。前方の大天井岳くらいは見えるが、残念ながら曇っていて遠方の眺望は効かない。歩き易い尾根通しの登山道をゆっくり進んだ。ここでも登山道の周囲で所々でコマクサの群落がある。
のんびりと登山道を歩く 前方に大天井岳 大天井岳頂上の標識とお宮
最後の登りで大天荘に到着。荷物を置いてわずかな登りで大天井岳の頂上に達した。今回の山行ではもっとも標高が高い2922mである。雲が掛っていて東側の標高の低い有明山は見えるが、これから向かう常念岳の頂上付近は雲に覆われている。西側の槍ヶ岳、穂高岳、双六岳などは雲に覆われて全く見えない。
大天荘まで戻って行動食を取った後、ザックを担いで歩き出す。東天井岳、横通岳を通る登山道は歩き易い。晴れていれば雲上の散歩コースとな
コマクサの群落 イワギキョウ? 猿がじっとこちらを見ていた
るはずだが雲に隠れて見えない。横通岳からが苦手の急な下りとなった。ゆっくりゆっくり下って常念乗越に到着。この下りの途中で何人かの登山者に追い越された。
横通岳に至る登山道 常念岳を見ながら常念乗越まで下る テントを設営
常念小屋でテント泊の登録をしてテントの設営をし出したら小雨が降ってきた。急いでテントを張り荷物をテントの中に入れた。手拭いで濡れた個所を拭き、手拭いを絞っては拭きを繰り返して濡れた個所を最小限にとどめた。
雨の止むのを待って小屋で買ったビールを飲みながら非常食のナッツ類とパンで昼食。小雨が降ってくるのでテントの中で寝転んで休憩。時々雨が激しくなる。雨が上がった4時半過ぎにお湯を沸かしてフリーズドライ2袋とみそ汁の夕食。
その後再び雨が降ってきた。後は寝るだけだ。小雨はずっと降り続いていた。夜半にはかなり激しい雨となりテントをたたく雨音を聞きながら寝ていた。エア―マットの上で寝ているので良いが、その下のテントの中にはかなり水が入ってきた。荷物はすべてポリ袋に包んであるので中までは濡れずに済んだ。
8月20(水) 小雨時々曇り
単独
常念乗越(7:50)-常念岳(9:00-9:05)−蝶ヶ岳(13:50)
登高標高差:1100m、下降標高差:830m (GPS より)
明るくなった5時前に目が覚めたが雨が降り続いていた。雨の中でのテント撤収はやりたくないので雨が小やみになるまで待って横になっていた。6時半過ぎにようやく雨が小やみになったので起きてフランスパンだけで朝食とした。テントはやや傾斜した所に立てたので下側の内部は水浸しとなって水が溜まっていた。
雨が止んだ合間にテント内の水をタオルで吸い取り絞っては吸い取る操作を繰り返した。さらに水で濡れたエアーマット、いろいろの物を入れたポリ袋類を手拭いで丁寧にふき取った。寝袋も外側の一部が濡れていた。これらをすべて収納しテントの外に出した。最後に水滴が沢山付いているテントをタオルで拭き取り撤収しすべてをザックに詰めた。
上半身だけは雨具を着てザックを担いで歩き出したのは8時前。かなり遅い出発であった。目の前の常念岳のかなり上の方を上がっている登山者の列が見えた。歩き出してしばらくすると再び小雨が降りだして来た。小雨の中を常念岳に上がる急斜面の登山道を黙々と歩いた。途中で頂上から戻ってくる登山者に何度か会った。
常念岳頂上にあるお宮 頂上の標識 穂高連峰のは雲の中、下部の梓川が見える
一時間ちょっとで常念岳の頂上に到着。先行の登山者4人がいた。霧で周囲は全く見えない。頂上の写真を取っただけで下り始めた。小雨の中、苦手な急な下りが続いた。途中で2人連れを追い越し、さらに複数の学生のグループを追い越して進んだ。その後、登山道を見誤って下に降りかかったが間違いに気づいて登り返した。その間に追い越した学生のグループは先に行っていた。
途中で見た高山植物
ニッコウキスゲ ミヤマトリカブト クルマユリ ハクサンフウロ
しばらくして再び学生のグループを追い越した。彼らは大きなザックを背負っており休憩を取りながらゆっくりと歩いているようであった。晴れていれば槍、穂高連峰を見ながらの楽しいルートのはずだが、小雨が降ったり止んだりで周囲の山々は雲に隠れて全く見えない。歩くのが嫌になった所で反対方向から来た2人連れの登山者に出会った。彼らは横尾から上がって来たと言う。蝶ヶ岳まではまだ一時間半はかかるでしょうとのこと。
鞍部から再び急斜面の登りとなり上がり切った所が蝶槍。その後、ほぼ平らな歩き易い尾根道を進んで蝶ヶ岳ヒュッテに到着。 時間は未だ2時前。このまま先に行けば4時前には大滝山の山小屋に到着するだろうと先を行った。
しかし、小雨が降ったり止んだりする中を歩いてもつまらない。明日早立ちすれば良いのだからと思い直して引き返した。蝶ヶ岳ヒュッテで本日は混んでいますかと尋ねたら、これから登山者がやって来るのでよく分からないがおそらく混むことはありませんとのこと。濡れたテントと寝袋でのテント泊は不快なので小屋泊まりすることに決めた。
蝶ヶ岳ヒュッテに宿泊 蝶ヶ岳頂上
持参した食料はまだかなり残っているので素泊まりをお願いした。確かに小屋は混んでおらず2人分のスペース、寝具を一人でゆったりと使うことが出来た。さらに乾燥室があり濡れた衣類、雨具、靴などを乾かすことが出来た。コーヒーを買いフランスパンでゆっくりとストーブに当たり遅い昼食を取りながら同宿の登山者と歓談。5時過ぎに自炊用のテーブルでお湯を沸かしフリーズドライ2袋と御吸い物でビールを飲みながら夕食。
テレビの気象情報では明日は天気は良いが、高い山は霧か雲。それでも今日よりずっと好天が期待できそう。7時半から小屋に常駐している名古屋市立大学のお医者さんの話を聞いた後就寝。雨の心配をせず良く眠れた。混んでいなければ山小屋泊も良いなと思った。
8月21(木) 晴れ
単独
蝶ヶ岳ヒュッテ(5:00)-大滝山(6:40-6:50)−槍見台(9:35〜9:45)−徳本峠(12:15〜12:40)−明神(14:25)−上高地(15:25)
登高標高差:750m、下降標高差:1800m (GPS より)
まだ薄暗い4時頃に目が覚めた。御来光を期待して起き出している人もいた。寝具をたたみ朝食を取らず準備をして小屋を出たのは5時少し前。辺りはもう明るくなってきた。気象情報通り霧や雲が掛ってくることはあるが天気は良さそうである。
昨夜はよく眠れたので快調に進んでガイド地図のコースタイムとほぼ同じ時間で大滝山に到着。小屋の前のベンチに座りフランスパンと水で軽い朝食を取った。大滝山から徳本峠までの中村新道はシラビソの林間の中の登山道で雰囲気が良い。奥秩父の山を歩いている感じがする。
昨日歩いた常念岳に至る尾根通し 朝日が出てきた、下部は雲海 大滝山小屋で休憩
しかし、蚊やブヨが多いのには閉口した。おまけにアップダウンが多くて疲れた。徳本峠から来たと言う2人連れの登山者2グループに途中で会った。止まると蚊に襲われるので休むことなく歩いて槍見台まで来た。槍見台では台の上に上がって見たが、残念ながら槍穂高は雲に隠れて見えなかった。ここでも蚊が多く耳触りは羽音が聞こえ何か所か刺された。
シラビソの林間の登山道 槍見台から見る穂高連峰 明神見晴らしから見る明神岳
槍見台から明神見晴らしを通過。明神岳の岸壁も上部は雲に隠れて見えない。未だか未だかと思いながらアップダウンを繰り返してようやく徳本峠に到着。徳本峠小屋でビールを買いベンチでビールを飲みながら残りのフランスパンで昼食。
徳本峠は古くから穂高連峰の展望台として有名で、自分もかって一度だけ来たことがあるが今回は残念ながら穂高連峰は雲に隠れて見えない。木の間越しに梓川が見えた。
後は下りのみなので持参した膝サポーターを付けて見た。急な下りでは確かにご利益はありそうである。今日は長いこと歩いたため疲れたのでゆっくり歩いた。途中で登ってくる大勢の登山者に出会った。
徳本峠付近の登山道 ようやく徳本峠入り口に到着 河童橋から見る岳沢と穂高連峰、上部は雲
傾斜が緩くなり道も広く歩き易くなってもペースが上がらない。2人連れに追い越されてようやく徳本峠入り口に出た。わずかな距離で明神に到着。ここから上高地まで大勢の観光客が散策している。最後の一時間の歩き、わずかなアップダウンでも辛く感じストックをついて歩きやっと上高地に到着。穂高連峰の上部はやはり雲に覆われていた
。
後はバスと電車で松本に行き、松本から大糸線で穂高駅まで戻った。穂高からタクシーで穂高温泉郷の登山者駐車場まで行き車を回収。シャクナゲ荘で温泉に入って汗を流した後帰途に付いた。下山後、車の回収に時間とお金がかかった。蝶ヶ岳からは容易に下山出来、かつ穂高温泉郷に近い三股に下った方が良かったかも知れない。
GPSトラック
中房温泉から燕岳、大天井岳を経て常念乗越まで 常念乗越から常念岳、蝶ヶ岳、徳本峠を経て上高地まで