七面山 (1989m)

    七面山は山梨県にある南アルプス前衛の山で日本200名山の一つである。高校時代に登った事がある安部奥の八紘嶺とは尾根続きで一度は訪れてみたいと思っていた山でもある。

    
この山の近くで日蓮上人が修業をして日蓮宗を起こしたとのこと。近くの身延山は日蓮宗の総本山である。七面山は日蓮宗の聖山として修業、信者のお参りする山でもある。山の中腹には敬慎院と言うお寺がある。秋葉山と同じく信仰の山で歩き易い参道が整備されている。

     前日登った秋葉山を下山後、車で58号線を南下して掛川ICから新東名高速道路に入り新清水ICで下りて52号線を富士川沿いに北上し、身延で左折して早川町に向かった。

     角瀬で左折し七面山北参道(裏参道)の入り口付近で駐車し、タクシー会社があることを確認した。当初はこの付近で泊まり翌朝北参道を上がり、表参道を下った後、タクシーで戻ってこようかと考えていた。しかし、タクシー会社の人から逆のコースの方が良いですよと言われたので、とりあえず、そのまま表参道の登山口まで車で上がった。

     表参道登山口には宿坊や旅館がいくつかあるが本日開いていたのは一軒のみ。そこに素泊まりで止めてもらい明朝早く出発することにした。

      
2013年11月1(金) 晴
   単独
  
表参道登山口(6:10)-敬慎院(9:30~9:35)-七面山(10:20~10:30)-希望峰(10:45~11:00)-七面山(11:20)-敬慎院(12:00~12:15)-奥ノ院(12:30)-北参道登山口(15:15)
  登高高度:1680m 下降高度:1820m (GPSより)
    朝5時過ぎにに起床。パンと御茶で簡単な朝食後、旅館を6時に出た。表参道登山口に向かった。歩き易い階段状の参道がずっと続いていた。両側は杉の木立。道幅も広い。急斜面はジグザグに上がるので楽である。おまけに随所にベンチが設置されており、日蓮上人のお言葉が書かれた標語板が置かれている。
表参道入口                       杉木立の参道                   参道の周囲は紅葉が盛りとなる
  

   ベンチに座ることは無かったが、次々と出て来る標語板を立ち止まって眺めた。日蓮上人のお言葉はごく当たり前のことだと思うこと、なるほどなーと思う事、考えさせられることなどいろいろで登山の疲れを忘れさせてくれた。さらに、途中の数か所には宿坊があり泊まっていた人もいたようであった。上から降りてくる人が結構大勢いた。皆さん上の宿坊に泊まられたのであろう。
   標高が上がるにつれて美しい紅葉が出てきた。ゆっくりと上がって行くと山の中腹なのに非常に広い平坦な場所に出た。立派なお寺と山門が見えた。敬慎院であった。こんな高い山の上にこのような立派な伽藍があるのは驚きである。

紅葉が美しい                      敬慎院の山門                    敬慎院境内の参道
  

   正面の展望広場からは身延山が眼下に見える。遠方は霞んでいる。わずかに毛無山、雨ヶ岳は見えたが、残念ながら富士山は雲に隠れて見えない。展望広場の上は荷物を運ぶケーブルが設置されている。  
   その横を七面山頂上を目指して歩を進めた。なだらかな登山道の周囲はカラマツ林が黄葉していて素晴らしい。その後やや急な登山道を上がって行くとロープが張ってある。ロープの先からは崩壊した大崩れが見えた。最後の登りで七面山の頂上に達した。広い頂上は雰囲気が良い。風も無く陽が差して暖かい。ここで、昼食を兼ねた行動食を取水を飲んだ。

ラマツ林の中の登山道                崩壊した大崩れ                    七面山山頂
  
 
   まだ時間も早いので希望峰まで足を延ばした。途中で単独行の登山者に出会った。希望峰まで行き引き返して来たとの事。途中はシラビソの林の中の登山道が続き緩やかな下りの後、短い急な登りで希望峰に到着。薄い雲に覆われて南アルプス方面の眺望ははっきりしないが、手前に笊ヶ岳から青薙山に至る山並み、その後方に赤石岳、聖岳がかすかに見えた。

希望峰頂上                     希望峰から見る笊ヶ岳、聖岳、赤石岳        カラマツの黄葉
  

   雰囲気が良い所でもっと長居をしたいところだが元来た道を引き返した。七面山を経て敬慎院まで戻り境内に入り参拝。敬慎院の伽藍が立派で境内が非常に広い事に改めて感心した。昨日の秋葉山の秋葉神社もそうであるが、信仰の力を改めて実感した。
   敬慎院から北参道(裏参道)を通って角瀬の登山口に下って行った。初めは車が通っていた道路をしばらく行くと奥ノ院に到着。それから先はさすがに車が通れる道では無かったが、比較的歩き易い登山道(参道)が続いていた。しかし、表参道の方が整備されていて歩き易いし距離も短いので大勢の人が利用する。本日は北参道を下山中は誰にも会わなかった。途中の2つの宿坊も閉ざされていて人気が無かった。シーズン中は北参道も大勢の人が利用するのだろうか。

敬慎院本堂、後ろは七面山              奥ノ院にある大石(ようごう石)            北参道登山口
  

   歩き易い登山道とは言え膝が痛くなり出した。未だか未だかと思いながら歩いているうち北参道の登山口に到着した。ここからタクシーを利用して表参道登山口まで行き車を回収して帰途に付いた。

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