大無間山 (2329m)
     安倍川流域の山は静岡にいた高校時代に良く行っていたが、大井川中流域の南アルプス深南部の山は一度も行った事がが無かった。深南部の山で行って見たかった山が大無間山、黒法師岳、信濃俣。いずれも標高が2000mを越えているし山名が良い。これらのうち、大無間山に天候が良いと期待される10月下旬に出かけることにした。

       10月27日の朝車で自宅を出た。北関東自動車道、関越道、圏央道を経て八王子で高速を降りて霊園に立ち寄り両親の墓参り。その後八王子バイパス、圏央道、東名高速に乗り、新東名高速の新静岡ICで降りて安倍川を北上。しばらく行って左折して井川方面に向かう。この道を通るのは13,14年ぶりだろうか。曲がりくねった山道をを上がりきり富士見峠の駐車場で休憩。

       残念ながら富士山は雲に隠れて見えない。真下には井川湖。そして大井川を挟んで向こう側には大無間の山並みが見える。小無間小屋のあるピークは見えるが、大無間山、小無間山の山頂付近は雲に隠れて見えない。

       峠から下りて井川ダムの堰堤を通り井川湖の湖岸を北に向かい田代地区に入った。予約してあった民宿のふるさとに宿泊。ここはアルカリ性の温泉がある。本日の同宿者は井川周辺の山でパラグライダーをやるために来た2人ずれ。夕食は珍しいキノコ類の天ぷら、鹿肉の刺身、熊肉の焼肉など、結構おいしかった。
2013年10月28(月) 晴時々曇り
   単独
  田代登山口(9:00)-小無間小屋(13:05)
  登高高度:1060m
    本日は小無間小屋に泊まることにしたので、朝食後ゆっくりと出発。テントは持たなかったが、ツエルト、寝袋、エアーマット、雨具、2,5Lの水、小型ガスボンベ、コッヘル、2日分の食料を持参。途中水の補給が出来ないので、水を大量に持って行く必要がありザックがが重い。
    更に、年を取ってきてから登山中の足の筋肉痛、膝の傷みが出てきた。特に下りでは膝の傷みがつらい。そこで、足をサポートするタイツ、クッションを和らげる登山靴のインソール、2本のストックを利用することにした。さらに下りでは膝のサポーターを着用する。これでかなり痛みは緩和されるかと思うが無理は出来ない。
    登山口近くまで車で行き路肩に駐車。登山口をわずかに上がった所で登山届を出して出発。登山道は整備されていて歩き易い。初めは杉や桧の林の中を上がって行った。上がるにつれモミの木の林となった。雷段という標識がある平坦な場所を過ぎて尾根通しに上がった。広葉樹の林となり紅葉が美しい。急な登山道を上がり切ってしばらく行くと開けた平坦なピークP4に出た。そこからわずかな距離でモミの林の中に青色の小無間小屋が立っていた。登山口から4時間一寸。今日は予定通りここに泊まることにする。
広葉樹の林の中の登山道             紅葉が盛り                     シラビソ林の中の小無間小屋
  

   単独行の若者が大きなザックを担いで下る準備をしていた。彼は昨日ここでテント泊をして、本日の朝早く出て大無間山まで往復してこれから下山するとの事であった。結局今回の大無間山行で出会ったのは彼一人だけであった。
   小屋は広く無いが清潔な感じであった。久しぶりに重い荷物を背負って上がったので疲れた。小屋に入ってエアーマットと寝袋を出して横になって休んだ。4時過ぎにお湯を沸かしフリーズドライの食料と粉末スープで夕食。後は寝るだけ。夏用の寝袋だったのでミドルインナーを着て厚手の靴下をはいて寝たが少し寒かった。

10月29(火) 小雨時々曇り空
   単独
  小無間小屋(5:50)-小無間山(8:25~8:35)-大無間山(10:25~10:45)-小無間山(12:55)-小無間小屋(15:35)
  
登高高度:985m 下降高度:985m (GPSより)

    朝5時20分ごろ起床。小屋の戸をあけて外を見るとまだ薄暗いが小雨が降っていた。静岡県中部の天気予報では曇り後雨とあった。山では小雨は止むを得ないか。弱い小雨であったので予定通り大無間山まで行くことにした。パンとバナナで簡単な朝食を取り、用意をして雨具を着て出発。
    残念ながら遠方は雲に覆われていて見えない。弱い小雨が降り続いていたが、時々雨は止んでくれた。小無間小屋から小無間山まで3つのピークを越えて行くのでアップダウンがあり結構きつい。特に鋸歯の近くの尾根の両側が崩壊している箇所は傾斜がきつく木の根と岩が混じった箇所は小雨で濡れて滑り易かったので緊張しながら上がった。ここはロープが設置されていたので助かった。
南側崩壊地                      北側崩壊地                     シラビソ林の中の小無間山山頂
  

    急な尾根を上がり切って平坦なピークに出たところが小無間山であった。周囲はシラビソの林に覆われていた。少し休憩してから大無間山に向かった。小無間山からの尾根通しの登山道は傾斜が緩く歩き易くなった。小雨が降っている中、林間の穏やかな下りの後わずかな登りで中無間山の標識が付いているピークを通り過ぎた。これ以後も林間の中の歩き易い尾根道の登山道を辿り大無間山に達した。途中で富士山や聖岳、光岳がみえるそうだが、本日は小雨交じりの曇り空で全く見通しが効かなった。

シラビソ林の中の尾根筋登山道            紅葉がきれい                    広い大無間山山頂
  

    大無間山の頂上は平坦でシラビソの林に覆われていた。見通しは悪いが雰囲気が良い。小雨が上がったのでしばらく頂上で休憩。
    下り始めるとまた小雨が降ってきた。滑り易いのでゆっくりと歩を進め小無間山に到着。休まずに下りて鋸歯の急斜面を慎重に下った。小雨で木の根は滑り易いし、崩壊箇所の細い登山道は雨で土が緩んでいて非常に危険。土がわずかだが崩れ落ちてヒヤーとしたが、設置されているロープに摑まり事無きを得た。
急斜面の濡れた木の根と岩の間を下る       土が緩んで崩れ易くなっていた           紅葉は盛り
     
    それから先の急斜面のアップダウンでは2本のストックをついてゆっくりと慎重に歩いたのだが、濡れた木の根や岩に足を滑らせて何度か転んだ。ようやく小無間小屋に着いたのは3時半過ぎ。登りより下りでずっと時間がかかってしまった。これから明るいうちに登山口の田代まで下るのは無理なので本日も小無間小屋に泊まり明日午前中に下山することにした。
   濡れたシャツやズボン、タイツ、靴下を履き替えて薄手のダウンジャケットを着てほっとした。しばらく寝袋に入って休んだ後。お湯を沸かし、フリーズドライの食料、スープ、ツナ缶で夕食。後は寝るだけ。夜中に屋根に当たる雨音が聞こえた。
10月30(水) 晴れ
   単独
  小無間小屋(6:45)-田代登山口(9:40)
  
下降高度:1060m

  朝6時に起床。お湯を沸かしパンで簡単な朝食を取った。外を見ると快晴で木の間越しに大無間山が見え青空が広がっていた。準備して下りにかかった。急斜面では足の筋肉痛、膝の傷みが応えた。対岸の笹山や紅葉を眺めながらゆっくりと下山。未だか未だかと思いながら歩いているうちに登山口に達した。車で2日前に宿泊した民宿ふるさとに行き日帰り温泉に入り疲れをいやした。
大無間山に至る山並み                 色鮮やかな紅葉と対岸の笹山          登山口に到着
   

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