尾瀬  燧ヶ岳 (2346m)、至仏山(2228m)
単独
    
尾瀬は自宅から比較的近く、家族で尾瀬沼や、尾瀬ヶ原に日帰りのハイキングで何度か出かけていた。しかし、燧ヶ岳、至仏山は4月から5月上旬にかけての積雪期には山スキーで度々訪れていたが、無雪期の燧ヶ岳には約50年前と20年前の2度しか行っていない。また、至仏山は山スキーでは10回以上行っているのに無雪期には一度も行ったことが無い。至仏山は花の山としても有名である。

    今回、高山植物の花が見られる7月下旬に尾瀬に行き、燧ヶ岳、至仏山を登ってみることにした。この時期は尾瀬のハイシーズンで混雑している山小屋は泊まりたくない。テント泊として寝袋、エアーマット、食糧などを持参した。フリーズドライの食糧で荷物を軽量化したとは言え全部で12-3kgくらいある。一年ぶりのテントを担いでの山歩きで、しかも急な下りでは膝の痛みが出てくる不安もある。そこで、若干余裕を持って初日は大清水から尾瀬沼湖畔の長蔵小屋の近くのキャンプサイト泊。2日目は燧ヶ岳に上がり、見晴らし十字路を経て山の鼻のキャンプサイト泊。3日目に至仏山を経て鳩待峠に行き、バスで戻る計画を立てた。
   天気に恵まれて予定通りに行けたが、やはり岩がごろごろした燧ヶ岳,至仏山の下りでは膝が痛くなった。結局下りでは後ろから来た人にお先にどうぞと言って追い越されるのみであった。やや重い荷物を担いだことも有るが、頂上に着くとつらい下りが待っている。山スキーでは頂上に着くとこれから楽しい滑りが待っているのと雲泥の差である。
   予定通り行けたし至仏山では色々の花の高山植物を見られたので満足の山歩きであった
が、5,6年前テントを担いで5泊の北アルプスを縦走したことを考えると、やはり歳には勝てないと実感せざるを得なかった。

2012年7月27(金) 晴れ、時々薄曇り
大清水(11:05)-一之瀬(12:10)-林道出会い(12:40-13:10)三平峠(13:45)-尾瀬沼(14:05-14:20))-
長蔵小屋(15:05)
   朝食後、8時半過ぎに自宅を出て赤城山の東面の道路を通って2時間かからず尾瀬戸倉の駐車場に到着。戸倉からバスに乗り大清水まで行き11時過ぎに歩き出した。歩き易い整備された林道だが、久しぶりに10kg以上の荷物を担いでの歩きはややつらい。一之瀬の小屋には何人かの登山者が休憩していたが休まず通過。林道から左に入り沢沿いの登山道を上がった。さすがの人気の尾瀬の登山コースで大勢の登山者とすれ違い、また追い越された。林道の出会いの水場がある所のベンチで昼食の休憩。やはりベンチで休んでいた人と話を交わした。
   ここから急な斜面を尾根筋まで上がった後、広い尾根を三平峠まで進んだ。シラビソの大木の間に木道がかかっており歩き易い。三平峠から尾瀬沼まで少しの下り。山スキーならあっという間だが、歩きだと結構時間がかかる。尾瀬沼に着いた所で長めの休憩。正面には尾瀬沼をはさんで燧ヶ岳が見える。長蔵小屋まで後わずかで急ぐ必要は無い。先ほどベンチで休んでいた人とまた少し話をしてゆっくりした。後はのんびり尾瀬沼の湖畔を進んで尾瀬沼ヒュッテでテント泊の登録をした。テント場は整備されており木製で平らになっていてテントを張り易い。尾瀬沼ヒュッテでビールを買い持参のつまみでビールを飲みながら至福の時を過ごした。後はお湯を沸かし、フリースドライのご飯とコーンスープ、缶詰の夕食を取り寝るだけ。暖かくて防寒具は必要無かった。寝袋もジッパーを一部開けたままで寝た。
                   尾瀬沼から燧ヶ岳             久しぶりのテント泊
                   

2012年7月28(土) 晴れ、時々薄曇り
尾瀬沼(5:55)-俎グラ(9:00-9:15)-柴安グラ(9:45-10:00))-見晴らし十字路(12:50-13:30))-山の鼻(15:35)

    朝5時前に起きてお湯を沸かし、フリーズドライのご飯とスープで朝食。テントをたたんでパッキングしてテント場を歩き出したのは6時前であった。長英新道を上がって行った。ここを登山靴で歩いて上がるのは50年ぶりになる。積雪期はスキーで直線的に上がれるが、登山道は岩があり曲がっていて凸凹で歩きづらい。しばらくはシラビソの林の中の一人だけの静かな歩き。急斜面になる辺から数人の後続者に追い越された。急斜面を上がりきると尾根通しになり、風が出てきて心地よい。正面にはこれから行く燧ヶ岳が見えてきた。しばらく行くと左側に尾瀬沼が一望出来る。そのまま進み最後の急斜面を上がり切ると俎グラの頂上に達した。頂上は大勢の登山者で賑わっていた。遠くの山々はは薄曇で見えないが、近くの会津駒ヶ岳、平が岳、日光白根山などが遠望できた。俎グラから急斜面をわずかに下り、再度急斜面を上がり切って燧ヶ岳の最高峰の柴安グラに達した。こちらも大勢の登山者がいた。ここからは尾瀬ヶ原とその向こうに至仏山が一望できる。しばらく雄大な景色を見ながら休憩。
頂上から尾瀬沼                俎グラ頂上、向こうは柴安グラ        頂上から尾瀬ヶ原
      
  
    頂上から見晴らしまでの約800mの下りはつらかった。上部は岩がごろごろした急斜面でゆっくり歩いても膝が痛くなってきた。後続の登山者に次々と追い越されてやっとのことで見晴らし十字路に到着。大勢の登山者が休んでいた。
ここで、ビールを買いベンチに座って飲む。暑いし疲れた後はうまい。さらに昼食の長い休憩。
           尾瀬ヶ原から燧ヶ岳               尾瀬ヶ原から至仏山
            

   

     その後、広い尾瀬ヶ原を木道を辿って辺りの景色や花を見ながらゆっくり歩いて山の鼻に到着。テント場には沢山のテントが張られていた。テントの登録をしてあいている場所にテントを張ってしばらく休んだ後、ビールを買ってベンチに座って飲みながら周囲の景色を見て楽しんだ。後はフリーズドライのご飯とスープの夕食。暗くなっても周囲の人声が聞こえてきたが、9時頃には静かになり寝ることが出来た。

2012年7月29(日) 晴れ、時々薄曇り
山の鼻(5:45)-至仏山(9:00-9:30)-鳩待峠(12:35)

   明るくなった4時半ごろ起床。今日も湯を沸かしフリーズドライのご飯の朝食。周囲のテントの人も起き出していた。テントをたたみ用意して至仏山を目指して歩き出した。始めは平らな尾瀬ヶ原の末端。次いで、シラビソの林の中の登り。積雪期は上りやすいルートを取って直線的に上がって行ったが、それと比べて登山道は歩きにくい。
   ようやく森林限界を超えて背の高い潅木、さらに草原となった。周囲は高山植物が見える。木道と木製の階段を少しづつ上がって行った。途中のベンチがある所で休憩。最後の登りで頂上に着いた。頂上は大勢の登山客で一杯だった。 
周囲の山々を見ながら長い休憩を取った。

 頂上から会津駒ヶ岳方面                  頂上から尾瀬ヶ原と燧ヶ岳               ワタスゲの原           
    

    下りは岩がごつごつした登山道で膝が痛くなりつらい。積雪期の山スキーなら一気に滑り降りてしまう所だが、登山道は尾根通しに少し下った後登りとなり、小至仏山の頂上に達する。膝が痛くなったのでここで少し休憩。後は鳩待峠までの長い下り。途中のお花畑が美しい。膝と足の先端の指が痛くなり、スローペースの下りで次々と後続の登山者に追い越された。
     頂上から3時間以上かかってようやく鳩待峠に到着。 10分後に発車したバスに乗り尾瀬戸倉の駐車場へ戻った。途中日帰り温泉で汗を流して帰途に着いた。

高山植物

    



   



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