8月8日(月)〜8月9日(火) 
木曽駒ヶ岳縦走(檜尾橋−檜尾岳−宝剣岳−木曽駒ヶ岳−千畳敷


  
 20年以上前の8月に木曽駒ヶ岳から空木岳まで縦走し木曽側に下ったことがある。その時は2日目は天候が悪く雨の中を空木岳を上がった記憶があるがそれ以外は覚えていない。また、3年前の6月の始めに山スキーで木曽駒ヶ岳に上がリ、快適なスキー行を楽しんだ。
    今回、久しぶりに中央アルプスを縦走し、途中の檜尾岳で2年前の12月末に滑落事故で亡くなったRSSAの若手有力メンバーであったMさんの追悼を行うこととした。

  当初の予定では、初日はロープウェーで千畳敷まで上がり、木曽駒ヶ岳、宝剣岳、檜尾岳を経て檜尾避難小屋に泊まり。2日目は空木岳、南駒ヶ岳まで行き、越百山まで行き泊まるか空木小屋まで戻って泊まるか様子を見て決め、3日目に下山する計画を立てた。

     しかし、初日の朝の始発からロープウェーが故障で動かず何時復旧するか分からないし、下山路と考えていた池山尾根は崩落で通行禁止。また、2日目から夏の高気圧の勢力が弱まり天候は崩れていく状態で、当初の予定を大幅に変更せざるを得なかった。

   8月8日
  官の台バスセンター(8:20)-檜尾橋(8:40)-檜尾避難小屋(14:20)

   
桐生の自宅を前日の夕方出発。夜8時過ぎに木曽駒ヶ岳に行く官の台バスセンターの大きな駐車場に到着し車中泊。

   朝4時過ぎに目を覚まし、簡単な朝食を取り準備をした。その間に車が続々とやってきて、大勢の登山者、観光客がバスを待っていた。始発バスは5時10分のはずだが、5時前にもうバスが出ていた。5時前に切符を買った時には既に150人くらいが並んでいた。臨時バスが次々に出ているようであった。
   5時過ぎにロープウェーの試運転で非常停止して、理由が分からないので復旧するまで当分バスの運行を止めるとのアナウンスがあった。バス待ちの行列はどんどん長くなって整理券を貰った。故障の理由はよく分からないとのことで、復旧するのが何時になるか分からないとのアナウンスが何回かあった。3時間待った8時過ぎにはあきらめて料金の払い戻しを受けて帰って行く人が続々出てきた。

   仕方ない。ロープウェーを使わずに上がるかと地図を眺めた。池山尾根から空木岳に上がる登山道は通行禁止なのでそちらには行けない。これからの時間だと檜尾橋から檜尾岳に直接上がるか、北御所を尾根通しに木曽駒ヶ岳に上がるかどちらかである。前者を選んで歩いて上がる人だけと言うバスに乗り檜尾岳登山口でバスを降りて歩きだした。

   ここから上がる登山者は一人だけで静かである。始めは歩き易い登山道であったが、だんだん急になってきた。途中で、檜尾避難小屋に泊まって降りてきたと言う何人かの登山者とすれ違った。さらに行くと宝剣山荘に泊まったという数人が降りてきた。途中の尾根で、ロープウェーが動いているのが見えた。後で聞いた話では10時過ぎに復旧して運行を始めたとのことであった。

途中の尾根から空木岳                駒ヶ根市街と雲に覆われる南アルプス      宝剣岳と伊那前岳
  

   雲が出てきて青空は殆んど見えないが蒸し暑い。途中2時間弱歩いては20分休んで水と行動食あるいは昼食を取るというペースで14時20分に檜尾避難小屋に到着。2時くらいには着くかなと思っていたので時間が少しかかった。

           檜尾岳                             檜尾避難小屋(トイレもありきれい)
               
 
   木曽駒ヶ岳の頂上からゆっくりと歩いてきたと言う単独行の人が丁度同じ頃に小屋に着いた。小屋はきれいで中はゆったりしている。本日の宿泊者はこの方と2人。少し下って水場に行った。水はちょろちょろの流れだが冷たい水でおいしい。2Lのポリタンクに水を入れ小屋に戻った。その後は、小屋で寝袋に包まって寝転んで休んだ。

    4時半過ぎから、フリーズドライの五目ご飯、缶詰と味噌汁の夕食。後片付けをすれば後は寝るだけ。ラジオの天気予報を聞くと、夏の高気圧の勢力が弱まり、天候は崩れる方向にあるという。小雨も降ってきた。

    夜半、雨が激しく降り小屋の屋根をたたいている音を聞きながら寝た。

 8月9日
檜尾避難小屋(7:15)-檜尾岳(7:30〜7:40)-極楽平(10:40)−宝剣岳(11:30)−宝剣山荘(12:00)-木曽駒ヶ岳(13:0013:10)-千畳敷(14:00〜15:10)−宮ノ台バスセンター(16:00)

朝4時過ぎに目が覚めたが、小雨が降っておリ起きる気がしない。5時過ぎにに起きて朝食を取った。今日空木岳まで行き再びここに戻ってく来てもう一泊するか、木曽駒ヶ岳まで行き千畳敷からロープウェーで今日中に下山するか天候を見ながら模様眺め。
   同宿者も空木岳を往復してもう一泊するかそのまま檜尾尾根を下山するか決めかねている様子。

   天候は崩れる方向にあるようで、明日の天気はあまり期待できそうに無いし雨は上がったとは言え曇り空である。そこで、木曽駒ヶ岳に行った後で今日中に下山することにし遅い出発となった。同宿者はさらに遅い出発。お先にと挨拶して小屋を出た。

  檜尾岳山頂が目の前に見える。尾根道は比較的なだらかに見えたが一箇所急な所があった。ここで、Mさんは滑落して北側の谷に落ちて亡くなったのかなと思われた。立ち止まって合掌しMさんを追悼した。目の前はハクサンイチゲの白い花の群落。

         檜尾小屋を望む、遠方の山は南アルプス        ハクサンイチゲの群落
              

  少しの登りで檜尾岳の山頂に達した。目の前にこれから行く濁沢大峰、反対側には熊沢岳、空木岳が遠望できた。
さらに遠くには雲の合間から南アルプス、八ヶ岳、御岳がかすかに見えた。

檜尾岳山頂                       宝剣岳と木曽駒ヶ岳                  御岳
    

  檜尾岳からの稜線沿いの登山道は始めは緩やかだったが、そのうちきついアップダウンとなった。急な下りは膝が痛くなるのでダブルストックのお世話になった。木曽駒ヶ岳から空木岳に向かう20人近い登山者にお目にかかった。ゆっくり歩いているうち、朝早く木曽殿山荘をを出たと言う2人連れに追い越された。
                          稜線の登山道
                          

  3時間かかって極楽平に到着。3年前の6月始めに来た時は一面雪であったが見覚えのある地形である。右側の千畳敷に下る斜面は結構急でスキーで快適に滑り降りたのがうそのようである。

         三沢岳                              分岐点から
            

  少しの登りで三沢岳に行く分岐点。ここから宝剣岳に向かった。急な岩陵の登りが続きはしごやロープを頼りに少し緊張しながら登って行った。宝剣岳の山頂は気づかないまま通り過ぎて下りに入ってしまった。しばらく下ると宝剣山荘に達した。

  この頃から小雨が振り出してきた。雨が降る前に宝剣岳を通過して幸いであった。おまけにガスがかかって視界が悪くなった。しかし、登山道の周りはロープが張ってあり迷うことは無い。雨足が激しくなってきたので上だけ雨具を着て歩いたが、下のズボンがびしょ濡れになってしまった。

   3年前のスキーで上がった時は楽に上がった。しかし、今日は視界が悪く雨が降っている中でまだかまだかと思いながら上がり、やっとのことで木曽駒ヶ岳山頂に到着。誰もいなかったが少しして2人連れが上がってきた。

                             頂上の駒ヶ岳神社
                            

   雨が降っており視界はまったく無いので早々に下山開始。中岳、宝剣山荘を経て尾根から急斜面の登山道を千畳敷に下った。雨は小止みになり大勢の登山者が上り下りしていた。ここをスキーで滑り降りた時は快適で楽だったがと思いながら下っていった。急斜面を下ると千畳敷の遊歩道に達した。

   非常に大勢の観光客が高山植物やあたりの景色を見ながら遊歩道を歩いていた。ロープウェーの駅に到着してロープウェー乗車のための整理券を貰った後、1時間10分待ってようやくロープウェーに乗ることが出来た。ここが、上高地、立山室堂と並んで歩かずに行ける人気の山岳観光地であることを実感した。
   ロープウェーを降りてからすぐにバスに乗り駐車場のある宮ノ台バスセンターまで行き車に戻った。その後、日帰り温泉コマクサの湯に入り汗を流した後帰路に着いた。

以下は途中で見た高山植物(名前は図鑑を見ないで分かるものだけで正確でない)

  ミヤマイタドリ                      ミヤマダイコンソウ
      

  ウスユキソウ                       ヤマハハコ                       ハクサンイチゲ   
    

                                 ハクサンフウロ                    ヨツバシオガマ