7月27日(火)〜7月28日(水) 
谷川連峰縦走(天神平−谷川岳−万太郎山−仙の倉山−平標山−松手山−元橋


  
 谷川岳、万太郎山、仙の倉山、平標山は山スキーでは何度も訪れている好きな山スキーサイトであるが、無雪期は谷川岳に2度ほど登ったのみである。それも、10年以上前のことであった。

  今回、真夏の暑い時期ではあるが、これらの山域が無雪期にはどのようであるかを知りたくて、谷川岳−平標山間の谷川連峰の縦走コースを辿ってみることにした。

  地図やガイドブックを見るとこの谷川岳−仙の倉山間には4つの避難小屋があるが、天幕は禁止とある。そこで、テントは持たず、避難小屋に一泊することにした。念のためのツエルトは持ったが、エアーマット、寝袋、食料持参の1泊2日の行程である。

  始めの谷川岳と終わりの平標山には大勢の登山者がいたが、谷川岳ー仙の倉山間では誰にも遭わなかった。この間、アップダウンが結構あり少し厳しかったが静かな山行を楽しめた。

  2,3日、筋肉痛が残ったが、自分がまだこの程度の登山が出来ることを確認出来たことが何よりの収穫かも知れない。また、山スキーのほうがはるかに楽(特に下り)であるこも実感した。

   7月27日
桐生(4:20)-元橋(6:30〜7:00)-越後湯沢(7:40〜8:10)−土合(8:36〜8:40)−ロープウェー駅(9:05)-天神平(9:30)−谷川岳(11:55〜12:10)−オジカ沢の頭(13:20〜13:30)-
大障子小屋(14:30)

   
桐生の自宅を朝早く車で出て赤城ICで関越道に入り月夜野ICを経て元橋に着いたのが6時半。トンネルの横の駐車場に車を駐車。準備して7時発のバスに乗り越後湯沢に向かった。7時40分越後湯沢着。8時10分発の列車に乗り土合で降りた。

   土合駅を降りて歩きだしたら、目の前を谷川岳ロープウェー駅行きのバスが通り過ぎた。わずかな距離だがロープウェー駅まで歩く間に陽射しを受けて暑くなリ汗が出てきた。

   天神平までのロープウェーに片道1200円也の料金を出して乗り込んだ。途中西黒沢の方を見たが、滝が見えており急斜面で2月には良くあんな所を滑り降りたなと自分で感心する。天神平から先は大障子の避難小屋まで水場が無いので天神平で2Lのポリタンクと500mLのペットボトルに水を一杯入れた。

   ここから歩き出したが、暑い上に久しぶりの山歩きですぐに疲れてペースが上がらない。ゆっくりゆっくり歩いて行った。大勢の登山者が谷川岳を目指して上がって行った。そのうち何人かに追い越された。

   あたりの様子はやはり雪のあるときとは全く異なる。40〜50分で熊穴沢の避難小屋に到着。しばらく休憩して残りの朝食をとり出発。後は疲れと暑さで休みたいのを我慢しながらゆっくり歩き岩の所まで行き休憩。ここで休憩が長い2,3の先行グループを追い越した。

   上に上がるにつれだんだん雲が出てきて見通しが悪くなってきた。やっとのことで肩の小屋に到着。疲れたが天神平から2時間半弱なのでまあまあ良いペースであった。本日は暑いためでもあるが、積雪期にスキーで上がる方がずっと楽だなと感じた。

   頂上のオキの耳、トマの耳はパスして小屋の前のベンチで昼食のおにぎりを食べた。

   小屋から先ずオジカ沢の頭を目指してまず下り、鞍部から登る。登山道は尾根通しに続いている。石が転がっていて細かいアップダウンがあって、積雪期にアイゼンをつけて上がった時よりずっと歩きづらい。

   オジカ沢の頭には小さな避難小屋がある。山スキーではここから赤谷川源流への谷沿いの快適な下りとなるが今は笹薮に覆われている。登山道はずっと尾根通しに続いている。

  
        
オジカ沢の頭                        赤谷川源流域
             

   
スキーで滑り降りた谷沿いを眺めながらの歩き。源流部には一部消え残った雪渓が見えた。次第に空は曇ってきてガスが出てきた。あたりの眺望が時々見えるだけになった。

尾根通しの登山道                 大障子の頭、遠方に万太郎山          大障子小屋
  

  
 大障子小屋に2時半着。これから先、雲行きは怪しいので本日はここで泊まることにした。小屋は比較的きれいで7〜8人が泊まれそうな広さである。本日の宿泊者は自分ひとりである。荷物をここに置いて、殆んど空になった2Lのポリタンクを持って下の水場まで降りていった。急な斜面で、石が散らばったガレ場の滑りやすい道を下ると水が流れている沢の水場に到着。冷たい水がおいしい。飲めるだけ飲んだ後2Lのポリタンクを満タンにした。手ぬぐいを冷たい水につけ腕は首筋をぬぐうと気持ちが良い。往復で30分かかって小屋に戻った。

   汗にまみれたシャツ、ズボン、靴下を着替えて小屋の中で干した。エアーマットと寝袋をだして横になって休んでいると、外から雨音が聞こえてきた。かなりの降りである。

   これからここに来る人はいそうも無い。4時半からお湯を沸かし夕食の用意。フリーズドライのご飯とツナの缶詰及び味噌汁の夕食を終えると後は何もやることは無い。暖かいので持参したフリースのインナーも着る必要がなかった。暗くなってから眠りに付いた。

  


 7月28日
大障子小屋(4:50)-万太郎山(6:30〜6:40)-最低鞍部(7:35〜7:40)−仙の倉山(10:25〜10:40)−平標山(11:35〜12:20)-元橋(14:35)

朝4時に起床。あたりは薄明るくなってきた。朝は晴れるであろうと期待していたが、霧が流れていて眺望は良くない。お湯を沸かし簡単な朝食を取リ、少し乾いた昨日のズボン、シャツ、靴下に履き替え準備をして4時50分に出発。靴に水が入らないようにショートスパッツをつけた。

  湿った霧が流れているが、時々晴間も見える。歩き始めてすぐに登りとなる。10分くらいで南側の谷川岳方面の雲に間から太陽が顔を出してきた。朝焼けに映えた雲が美しい。しばらく立ち止まり御来光を拝み写真を取った。

朝焼け                       お世話になった大障子小屋           大障子の頭
   

  さらに大障子の頭を目指して登っていった。相変わらず湿った霧がひっきりなしに流れており、登山道の周りに覆いかぶさっている草、笹薮は昨日の雨と併せて露がびっしり付いていた。そこで、少し歩いているうちにズボンは膝上までびしょぬれとなリ、ショートスパッツを通して水が靴の中に入ってきて気持ち悪い。仙の倉山までの途中、2回ほど靴を脱ぎ水を出すとともに、靴下の水を絞リ出した。

  簡単に大障子の頭まで行くかと思ったが少し時間がかかった。ここから下りさらに登りを次いで登りとなる。陽射しは殆んどなく風で霧がひっきりなしに流れていて、暑くなく歩きやすいが眺望は効かない。

万太郎山への最後の上り            万太郎山山頂                   大黒の頭
  

  
上りきった山頂が万太郎山。積雪期には山スキーでオジカ沢の頭から赤谷川源流を滑った後万太郎山に上り返している。その時のほうがアップダウンが無くずっと楽で来ていた。やはり、山スキーの行動性は素晴らしいと実感した。山スキーではここから毛渡沢を目指して斜面を滑り降りるのだが、今は背の高い笹薮、草、潅木に覆われている。

   登山道はそのまま尾根通しに続いている。急な下りの登山道は辛いのでゆっくりと歩いていく。途中に避難小屋があった。ここは4人くらい泊まれそうで中はきれいであった。

   少し下ると最低鞍部の毛渡乗越に達した。左手に赤谷川に下る登山道があるが、そのまま尾根通しの登りを進んだ。長い登りで時々狭くて険しい尾根道の登山道が続く。途中立ち止まって高山植物の花の写真を取りながら進んだ。上がりきった所がエビス大黒の頭。ここから再び下り鞍部に達した所にまた避難小屋が見えた。

仙の倉山への最後の上り            広い仙の倉山山頂                平標山への登山道
  

   そこを過ぎて最後の登りにかかる。好い加減登りがイヤになった所で、今回の最高地点で2000mをわずかに越える仙の倉山に到着。頂上は広く、大きな標識が立っている。山スキーでは何回か来ているが周囲は緑の背の高い笹薮、草に覆われていて全く雰囲気が違う。行動食を取り休憩。残念ながら周囲は雲に覆われて見えない。

   後は緩い下りと上りで平標山へ進んだ。ここからの登山道は整備されており木道が続いており、登山道の両側は所々高山植物保護のためロープが張られている。周囲は高山植物の花が見られのんびり歩いた。

   下りの途中で夫婦ずれらしい登山者2人、平標山に上がる途中で単独の登山者に出会った。上がりきった所が平標山。頂上は広く、10人くらいの登山者が休んでいた。ここで、長い休憩を取り昼食。

 
 
平標山山頂                  尾根通しの登山道、左側がヤカイ沢     松手山から平標山を仰ぐ
   

    後は下りのみ。スキーでは快適にヤカイ沢を滑り降りるのだが、今は緑に覆われている。尾根通しの松手山経由の登山道を辿った。

    急な下りは膝、足の筋肉が痛くなるので、登山中では最も苦手な所である。我慢しながらゆっくり歩いて下った。途中で単独行の登山者に追い越された。

    下るにつれ暑くなってきた。未だか未だかと思いながら下り元橋の登山口に達した。国道に至った所で雨が降り出してきた。急いで駐車していた車に戻り、汗と雨で濡れた服を着替えて帰宅に付いた。途中,猿ヶ京温泉の満天の星の湯に立ち寄り、2日間の汗を流して明るいうちに帰宅できた。

以下は途中で見た高山植物
クルマユリ               ギボシ

   

           
    

                 
 アザミ                  ニッコウキスゲ