剣ヶ峰山(奈女沢滑降) 1910mから

   7~10年前には川場スキー場から山スキーで、川場谷、鹿股沢、奈女沢を滑り降りたことがある。いずれも素晴らしい山スキーコースであった。ところがその後、山スキーでスキー場外に出るのは禁止になって行けなくなった。

   昨年、奈女沢を下から上がり髙手山を往復した際、帰り際に鹿股沢を滑り降りてきた3人連れに県道沿いで合い、伺ったところ、川場スキー場では登山者も山スキーもスキー場所定の登山届を提出し、ココへりを持参すればスキー場外に出ることが出来るとのことであった。

  ココへりを持っていない場合スキー場からレンタルで借りることも出来るとのことであった。川場スキー場のHPを見てこれらのことを確認した。そこで、好天が期待された23日に川場スキー場から奈女沢を滑ってみることにした。

   以前の記憶では奈女沢は登りが少なく、源頭部はほどほどの急斜面で無立木あるいはダケカンバやブナの疎林が拡がっていた。緩斜面となる中間部以降は樹林帯がややうるさいが、滑りには問題無い。

   谷筋から尾根への登りもごくわずかで、尾根から少しの下りでスキー場下部に戻れる。滑り重視の山スキーコースとして素晴らしいと思うのだが入山する人はごくわずかである。

   気温が上がったせいか、斜面が南面にあるせいか、粘着力のある重く深い雪で、登りも下りも苦労した。下りの滑りではスキー板に雪が付着して滑らず時々雪を削り落としたり、ターンが簡単には行かずしばしば転んで時間がかかった上に疲れた。

   
1月23日(日) 晴、無風

単独
登行高度:55 m、 滑降高度:600 m 

川場スキー場ゲレンデトップ(9:55)-剣ヶ峰手前1910m地点(10:10~10:20)-奈女沢源頭部コル1787m地点(11:10~11:25)-奈女沢中間部1675m地点(12:00~12:30)-奈女沢中間部1360m地点(12:45~12:50)―鞍部1380m地点(13:05~13:15)-スキー場下部(13:35)
   

  自宅を朝早く出て川場スキー場の駐車場に8時頃に到着。新規納入の山スキー兼用靴の着脱に手間取り山スキーの準備に時間がかかった。登山届の受付窓口とやり方が分からずスキー場の係員に聞いて登山届の窓口に行くと登山者が大勢並んで待っていた。

  その最後尾に並んで自分の番が来た所でスキー場所定の登山届用紙に記入したが、車の駐車場所、車の番号がうろ覚えであったので、受付は中断して自分の車の駐車場所まで戻って確認した。再び登山届受付まで戻ってスキー場所定の用紙に必要事項を全て希求してリフト券を買うことが出来た。自分はココへりを持っているので、ココへりレンタルの手間と」お金は出さずに済んだ。

  慣れないと餡届の手続きで時間がかかり、スキーヺ付けたのは9時半になっていた。リフトリフト2本を乗り継ぎゲレンデトップに出た。10人近い登山者が準備をしていた。また先行の登山者もいてトレースがしっかり付いていた。しかし、山スキーで阿賀る人は誰もいない。

  天気快晴で風も無く目の前の剣ヶ峰、その奥の沖武尊、谷を挟んで反対側には先週訪れた前武尊、剣が峰が見えて眺望は良い。スキーにシールを張りシール歩行のハイクアップ開始先行の登山者のトレースについて上がったが、シール歩行と異なるのでやや歩きづらかった。

  剣ヶ峰山に続く細い尾根道で傾斜が急になった所でハイクアップを中止。シールを外して奈女沢を目指して滑り出した。。奈女沢の源頭部は左手の藪がやや濃い樹林帯をトラバースして目の前に見える特徴的なピークの左側のコルに出なければならない。

 左下が目指すコル                 樹林帯の中をトラバースしてコルを目指す    奈女沢源頭部から見下ろす
   


  初めは立ち木が少なかったが、トラバースしていくうち藪が濃くなってきた。深いやや重い雪で滑ない。藪を避けて滑っていくと奈女沢源頭部のコルより下に出た。コルまでわずかな距離だが深い雪の中を階段歩行で少しづつ上がり、ようやく広くて開放的なコルに出た。


 奈女沢源頭部コルから見る鬼岩           奈女沢源頭部コル周辺             剣が峰。後に武尊山山頂が飛び出ている
    


  奈女沢源頭部は広く無立木の斜面が広がっていて斜度もほどほど。両側はブナやダケカバの疎林帯が続いていて山スキーの滑りが楽しめそうである。陽が差していて暖かい。ここで行動食を取りながら水を飲んで休憩


コルから見る獅子ヶ鼻山               奈女沢源頭部を滑り降りた所で見上げる    奈女沢源頭部
    


  長い休憩後は、シールを外してスキー滑降。重い粘着力あるパウダースノーで雪崩の恐れが無さそうである。気温が上がった上に、陽が差して雪がベタベタに近い状態になった。

  上部の無立木の斜面をトラバース気味に左側のブナやダケカンバの疎林帯に向かい滑りを続けた。重い雪でターンに苦労する。腰が引けて2,3回転んだが快適な斜面である。下るにつれ斜度は落ちてきたが、スキーに雪が付着して滑らない。


奈女沢源頭部を滑る                  滑ってきた沢を見上げる             大きなダケカンバの根本で休憩
    


  右岸のダケカンバの大木がが生えている根本で止まって、スキーに付いている雪を掻き落とした。ついでにココで昼食として長い休憩を取った。休憩後、スキーに雪が付着しないように入念にワックスを塗って滑り出した。


奈女沢中間部を滑り降りる                            緩斜面になった奈女沢中間部
   


   途中から2,3人のボーダーが滑ったトレースが出てきた。 左側のリフトの上から樹林帯を滑り降りて奈女沢に出たのだろう。樹林帯で直射日光が差さないため雪は軽くな滑りやすくなってきた。



樹林帯の中の奈女沢株を行く            奈女沢下部                     1360m地点でシールを付けてハイクアップ
      

 
 
 緩斜面の谷筋を滑って1360m地点で先行者は滑りを止めて上がっていた。自分もここでシールを付け、トラバース気味に左手を上がり1380m地点の鞍部を目指した。ここもやや藪が濃い。15分程度のハイクアップで1380m地点の鞍部に出た。スキー場が目の前に見え音楽が聞こえる。


コルを目指して緩やかな登り              コルはやや広い                  正面にスキー場が見える
    


   シールを外してやや藪が濃い樹林帯を滑り降りてから谷を越えて左側を少し上がるとスキー場の最下部に達した。この登りも深くて重い雪でわずかな距離だが苦労した。スキー場に付いたのは1時半過ぎ。チケット売り場で下山報告をして、未だ時間があったのでゲレンデスキーをやって帰途に着いた。

GPSトラック(登りは赤、下りの滑りは青。始めはスイッチ入れ忘れで記録が無い)