燧ヶ岳  2346 m

  今年は3月に異常高温が続いたため雪解けが早く,GW過ぎになると山スキーが出来る所は北アルプスや東北の高山に限られる。

  雪解けが早い中で,尾Pの燧ヶ岳を御池から上がるルートは標高が1500m以上で北面にあるので、雪が残っており山スキーは可能だと思われる。下部は雪解けでスキーは無理かも知れないが歩きはそれほど多くは無いだろうと考えて,晴れ時々曇りの気象情報であった5月9日の日曜日に御池から燧ヶ岳に上がってみることにした。

  燧ヶ岳に上がるにはこのルートが最も楽であるが、最も遅くまで山スキーを楽しめる良いルートだが,自宅から遠いのが難点である。朝早く余裕を持って出発したいので,前日の内に麓の檜枝岐の民宿に泊まって行くことにした。

  このルートで燧ヶ岳に上がったのは5回ほどあり、RSSAの会員が執筆し山と渓谷社から出版された山スキーのガイドブック「山スキー100山」の燧ヶ岳の項は自分が書いたのでなじみのコースであるが、今回は久しぶりである。

  前日の昼過ぎに自宅を出て,足尾、日光、鬼怒川温泉,田島を経て4時間以上かかって檜枝岐に到着し、いつもの民宿に宿泊。

  5月 9日(日) 曇り時々晴れ、後霧、弱風

  単独
登行高度:845 m、 滑降高度:845 m 

 御池(5:45)-燧ヶ岳(9:40〜10:20)―御池(11:15)

  
朝4時半に起床。簡単な朝食を取り準備して5時頃民宿を出た。檜枝岐からキリンテ、七入りを経て御池に向かった。道路際はほとんど雪が消えていたが、御池に近づくと雪が出てきた。御池の広い駐車場に到着。既に10台以上の車が停まっていた。

  例年より雪は少ない感じだが,駐車場の脇から雪はつながっていた。山スキーの準備をしているグループ、出発した山スキーヤーがいる。山スキーの準備をして、早朝で雪が比較的締っていたので、スキーをザックに付けて担いで樹林帯のやや急斜面を歩いて上がって行った。

  歩き始めで調子が出ず。ゆっくりゆっくり上がった。シラビソの樹林帯の急斜面を上がりきり傾斜が緩くなった所でシール歩行に切り替えた。平らな広沢田代を横切って進むと再び急斜面となる。シール歩行が難しくなったところで再びスキーを担いで歩いて上がった。急斜面を上がり切り、傾斜が緩くなった所で再度シール歩行に切り替えて,なだらかな下りとなった。

  わずかに下ると,雪が消えていて木道が出ていた。ここでスキーを外して木道を歩いて進むと熊沢田代に出た。熊沢田代の雪の平原を進むと,ダケカンバのまばらな急斜面の尾根筋に出た。ここでスキーに持参のクトー(スキーアイゼン)を付けてシール歩行を続けた。

  クトーがよく効いて急斜面でも滑らずに上がることが出来た。先行のトレースに従い左側に回り込んで。広い急斜面をジグを切りながら上がった。先行の2人連れ、さらに先には単独行の人が上がっていた。

  最後の一登りで燧ヶ岳の頂上、俎グラに到着。今回は疲れたが、4時間かからずに登ることが出来た。頂上には7,8人の人が休んでいた。登山者より山スキーヤーや山ボーダーが圧倒的に多い。頂上の標識があるところは完全に雪が溶けていて岩が出ていた。

  曇り空であったが、頂上からは尾瀬沼、尾瀬ヶ原その上には至仏山が見えた。武尊山や日光白根山はうっすらと見える程度であった。反対側には会津駒ヶ岳が見えた画素の先は。見通しは良くない。

  頂上で行動食を取りながら長い休憩を取った。曇っていて遠方の見通しは良くないが,気温が高く風もほとんど無いので寒さを感じない。休んでいる間も後続のグループが何人か上がってきた。

  十分休んでシールを外して滑降準備をしている間に,ガスが立ちこめてきて見通しが悪くなった。先が見えないと不安になるが、先行のトレースが雪面に一杯付いており,それを確認しながら降りれば良い。

   ガスの中を滑降開始。最初はしばしば停まって前方を確認しながら滑り降りた。ガスの中を次々と後続の山スキーヤーが上がってきた。ガスの中の滑りも慣れてきて,先行の於レースを確認しながら快調に滑り降りた。

   登りで苦労した急斜面もターンを繰り返しながら滑り降りて熊沢田代に出た、この辺から下はガスが消えていた。熊沢田代の端の雪が溶けている所でスキーを外して木道を進んだ後、わずかに上り、急斜面の上に出た。

   ガスが無いと安心して先に進めることが出来る。急斜面を適当にターンしてあっという間に広沢田代に出た。平坦な雪原を過ぎると,後はシラビソの樹林帯の滑り。適当にターンしながらツリーランを楽しんで御池に到着。下りは1時間もかからずに滑り降りることが出来た。

   後片付けをして帰途に着いた。朝早く出たので未だ昼前。檜枝岐でそばを食べてから。塩原温泉、東北道、北関東道経由で帰った。距離は長くなるが高速道路を使うので,運転は楽で時間もかからないことが分かった。

GPSトラック(登りが赤、下りの滑降が青)