平標山 1983 m

  最近ではほぼ毎年山スキーで行っている平標山。昨年行っていなかったので今年は行ってみたい。昨日の東谷山に続いて好天が期待された3月24日に二居に宿を取って朝早く出ることにした。

  歳を取ってきたので歩くペースはかなり落ちている。朝早く出ればゆっくりペースで行ける。24日は朝は気温が低いが、日中は高温になるとの気象情報で、固くなった雪も日中には緩んで登りも下りも問題無かろうと思った。

  しかし、午前中のヤカイ沢右手の急斜面の登りは雪が固く、滑落しないようにスキーアイゼン(クトー)を使ってゆっくり上がったが、緊張で疲れたし、時間がかかった。
  この日好天にも関わらず平日の水曜日で、山スキーで上がったのは只一人のようであった。途中であった登山者も全部で7人で静かな山行を楽しめた。

  当初の予定ではユウガイヒト沢を滑り降りる予定であったが、隣の谷筋を降りてしまい上部は良かったが、中間部の谷筋のやや急で密な樹林帯の通過に手間取った。下部でも正規のルートを見失い迷ったりして予想以上に時間がかかったが、それなりに楽しむことが出来て幸いであった。、

緊張氏
  3月24日(水) 晴、微風
  単独
登行高度:1025 m、 滑降高度:1110 m  

元橋(6:45)-ヤカイ沢(8:45〜8:55)-尾根筋急斜面手前スキーアイゼン装着(10:20)−尾根筋休憩地点(11:05〜11:15)ー平標山(11:
55=12:15)―1893m峰(14:40〜12:50)−1757m峰(13:05)ー谷筋上部昼食(13;20〜13:45)ー二居(15:35)

  
二居の温泉民宿に泊まり、朝5時頃に起床。簡単な朝食を取り、山スキーの準備をして6時25分に宿を出た。車は宿の駐車場に置かせてもらい、二居のバス停に向かった。

  苗場スキー場方面に向かう始発バスに乗り、元橋のバス宇で下車した。スキーを担いで道路を少し歩いたが、平標山登山口まで乗るべきであった。火打峠のトンネルの手前の駐車スペースには車が一台も停まっていなかった。

  右に折れて別荘地内の道路を進んだ。いつもは道路上の雪の上をシール歩行で進むのだが。、道路の端まで完全に雪が溶けて乾いていた。別荘地を過ぎて雪が残っていると為山道に出た。雪が固く締っており先行の足跡が沢山付いていた。雪が固く潜らないのでそのままスキーを担いで登山道を歩いて進んだ。


別荘地内の道路。全く雪が無い           登山道に架かる橋を渡る              雪が少ないヤカイ沢下部
  


  登山道w歩いて沢に架かる橋を渡ってから、登山道を外れて左手のヤカイ沢に向かうところでシール歩行に切り替えた。ヤカイ沢下部のも雪解けが進んでいてまっすぐにシール歩行で上がれない。雪を拾いながらシール歩行を続けた。固い雪が続いていたのでスキーを担いで登山靴の足跡沿いに上がった方が良かったかも知れない


  いつもより時間がかかり疲れたので少し休憩を取った。その間に後続の2人連れの登山者に追い越された。彼らはアイゼンを付けて固い雪の斜面を上がっていた。休んだ後ヤカイ沢右側の根筋を上がっていったが、相変わらず雪が固く滑りそうにあるので、スキーアイゼンを付けて上がることにした。

  クライミングサポートを最上段にすると、スキーアイゼンが効かなくなるので、クライミングサポートは下段にして急斜面は出来るだけ斜めに上がっていった。雪はカチカチでこんな所で滑落すれば大変と緊張しながらゆっくり上がっていった。


ヤカイ沢下部にある鉄塔             ヤカイ沢下部より見る平標山          雪解けが進んだ尾根筋から見る苗場山
  


  出来るだけ傾斜が緩い方向の右側に進み、尾根の上に出たときにほっと一息を付いた。尾根上も雪は固かったが広い尾根で傾斜も緩い。スキーアイゼンがよく効いて直登が容易になった。

  見覚えのあるダケカンバの大木の近くで行動食を取り水を飲んで休憩した。これから上は昨晩積もったらしい雪が10〜15cm位乗っていて歩きお安くなった。先行のトレースに従い平標山に続く稜線上に出た。風が吹いている。目の前にはこれから上がる平標山、右手には雪を被った仙の倉山が見えた。

  この稜線上の歩きがきつい。ゆっくり上がっていると先行の登山者2人が降りてきた。彼らは朝早く上がったが、雪が固く苦労したと言っていた。頂上まで後わずかな所で単独行の登山者が降りてきた。上は風が非常に強く長い時間居られないと言っていた。


稜線上から見る仙の倉山            平標山の家ははるか下に               平標山頂まで後わずか      
 




  5時間以上かかってようやく山頂に到着。風が強いが脱いでいたアウタージャケットを着てしばらく山頂から周囲の山々を眺めた。


標山頂の標識                   平標山より見る巻機山                西ゼンの沢が下部に
  



   斜面の雪は固いし波打っているので反対側にスキーアイゼンを付けたままゆっくり下って鞍部に出た。ここでスキーアイゼンを外して目の前の小ピークを上がって行った。


仙の倉山                                      これから進む次のピーク。後ろは苗場山
 



  さらにこのピークからシールを付けたまま少し下り、斜面が平になったところでシールを外して滑降コードにして下り始めた。松手山経由で上がってきた2人連れ野と登山者が上がってきた。

  1893m峰で北側の尾根筋に進んだ。緩斜面の広い尾根筋は10〜15cm位の雪が載っていて滑りは快適である。尾根筋の1757m地点で西側に拡がる広い谷筋をユウガイヒト沢と思って上部の疎林帯を少し下った大木の陰で昼食を取りながら長い休憩を取った。風も無く暖かい。


広い緩斜面の尾根筋を滑り降りる         大きなダケカンバの根本で休憩         ダケカンバの疎林帯を滑り降りる
  




  休憩の後は滑降開始。上部は疎林帯の急斜面で気温が上がったため積もった10cm程度の新雪は粘着力のある雪隣雪崩の恐れが無い。ターンを繰り返して快適な上部急斜面を降りていくと、樹林が密に成り谷筋が狭くなってきた。右側の谷筋は雪崩が起こったようでデブリが溜まっていた。


林帯の広い谷筋を滑る                            苗場山を見ながら滑り降りる
 



  横滑りを交えて谷筋の左側を滑り降りてデブリを越えて、谷筋の少し上の木の間をスピードを落として通過した。樹林帯を下っていくと数日前に通ったと思われるほとんど消えかかったスキーのトレースが出てきた。


狭い谷筋にデブリ                狭い谷筋の沢は一部雪が割れている      下部の密な樹林帯を通り抜ける
  


  そのトレース沿いに下っていったが、いつの間にかトレースは消えていた。先に行くと崖上の所で雪が切れていて戻ったりした。沢のスノーブリッジが雪解けで切れていて渡れない。少し上流側に上がってスキーを外して沢を渡り、沢沿いのスキーが出来そうな所をそのまま下ってしまった。

  地図をよく見て林道や鉄塔を確認して林道上を行くべきであった。沢沿いを進んでいくと大きな堰堤に出た。スキーを外し堰堤の上に出ると除雪された林道であった。スキーをザックに付けてこの林道を少し歩き地王堂川阿に架かる橋を渡ると地王堂川沿いの林道に出た。

  わずかな歩きで二居の集落に戻り、宿に戻って車を回収。後片付けをして日帰り温泉で汗を流した後帰途に着いた。

GPSトラック(登りが赤、下りが青)