高手山 1374 m 

  5,6年前に川場スキー場から少し上がった剣が峰から奈女沢や鹿俣沢を滑り降りたことがある.。奈女沢の上部は素晴らしい山スキーサイトであったが中間部から尾根を越えて川場スキー場に戻った。また鹿俣沢は県道まで滑り降りたが、その後は迦葉山まで歩いてバスで戻った。

  鹿俣沢を降りてから奈女沢を上がれば川場スキー場まで戻ることが出来るはずで、奈女沢下流部がどうなっているか一度山スキーで確かめて見たいと思っていた。地図を見ると県道沿いからは奈女沢林道がかなり上まで通じている。
 
  2月6日の土曜日は好天の絶好の山スキー日和で、奈女沢林道を辿ってみることにした。奈女沢林道だけでは面白くないので林道から尾根筋を高手山に上がってみることにした。高手山は川場スキー場の手前から南面を上がる登山道があり積雪期も登られているようである。しかし、反対側の奈女沢側からは登山道は無く、山スキーでも上がった記録は見られない。

  当日は風も無く好天であったが、気温も上がって雪は重くなっていた。しかし、斜面は北西に面しているので比較的滑りやすい状態であった。尾根筋はカラマツ、ブナ、ダケカンバなどがやや密で、慎重にスピードを落として滑り降りた。林道も歩く事無く下まで滑り降りることが出来た。

  高手山の山スキーは知られていないが、ゆっくり行っても登り3時間、下り1時間で行ける。やや木が密な点を除けば良い山スキーサイトであることが分かった。

2月 6日(土) 晴れ

単独
登行高度:490 m、滑降高度:490 m   

県道奈女沢林道入り口(9:20)―奈女沢林道1100m地点(10:20)ー西側尾根―高手山(11:45〜12:30)―奈女沢林道(13:00)―県道奈女沢林道入口(13:25)

   
   朝6時半に自宅を出て8時半過ぎにたんばらスキー場に向かう途中の鹿俣沢橋の手前の奈女沢林道入り口近くに到着。道路が広くなっている所の路肩に車を停めて山スキーの準備をして出発しようとしている時に、たんばらスキー場の車が通りかかり路肩に車を停めないように注意を受けた。

   そこで、車を運転するためにスキー靴を靴に履き替えて、車が道路に出ないように雪に覆われた奈女沢林道入り口に車を入れて駐車した。再度、兼用靴に履き替えて準備をして出発。

   雪に埋もれた林道のゲートの横を通り抜けて進んだ。林道上には前日か前々日のものと思われるスノーシューとツボ足が残っていた。そのトレースに沿って進んだ。殆ど陽が射さない林道沿いは雪が締まっており、緩斜面の林道は歩きやすい。周囲は杉の植林帯次いでカラマツの林が続いた。

奈女沢林道入り口                   林道を進む                    林道から沢を越える
   

   林道沿いを約1時間進み1100m地点に出た。ここから先行のトレースも尾根筋に上がっていた。トレースは急な尾根を直登していた。そこで先行のトレースから外れて急斜面をジグを切りながら上がって行った。せいぜい足首程度のラッセルで雪はやや重いが上がるのには問題ない。いつの間にか先行のトレースはは見えなくなった。途中で引き返したのだろうか。

  尾根筋はカラマツやブナの林がやや密であるがショートターンをできる樹間は十分ある。いったん傾斜は緩くなった後、斜度はきつくなった。おまけに北西面で雪がクラスト気味になって滑りやすくなって来た。スキーを担いで上がろうか、持参したクトーを付けようか迷ったが、ゆっくりと慎重に陽が射している柔らかい斜面に向かいシール歩行で上がり切った。


尾根筋から見る高手山                 緩斜面の尾根筋を上がる               山頂まで後わずか
  


   急斜面を上がり切ると緩斜面となり、少し行くと高手山の頂上であった。反対側の川場側から本日上がったと思われるスノーシューのトレースがついていた。


高手山から見る川場スキー場            皇海山から袈裟丸山に至る山並み       木の間越しに赤城山
  



  高手山山頂付近は広く、東南面は開けているが北西面は林に覆われていて見通しが利かない。頂上で昼食を取りながら長い休憩を取った。目の前には川場スキー場、その後ろには剣が峰が見えた。 右側に皇海山から袈裟丸山に至る山並み、赤城山は木の間越しに見えた。

川場スキー場のゲレンデ。後ろは剣が峰                    やや重い雪の樹林帯の中を小回りターンで下る。
 



  長い休憩の後、シールを外して滑降開始。上部の締まった雪は滑りあすい。木がやや密に生えているが、斜滑降で狭い木々の間を通り抜け、木の間隔がまばらな所でショートターンを繰り返して滑り降りた。

  ほぼ平らな緩斜面、さらにやや急となった斜面は下るにつれて雪が重くなってきたが滑るには問題ない。時々登りのトレースを確認しながら木の間をスピードを落としてターンを繰り返しながら滑り降りて林道に出た。

雪は重いが快適な斜面                              奈女沢林道入り口に到着
 


  林道上は陽が射さず雪がそれなりに締まっていた。登りのトレースを辿りながら、立っているだけでスキーは滑り楽に下ることが出来た。県道沿いの奈女沢林道入り口に到着。

  後片付けをしている時にスキーを担いだ3人連れが通り過ぎた。伺うと川場スキー場から剣が峰に上がり鹿俣沢を滑り降りたとの事であった。今は川場スキー場では独自の詳しい登山届を提出し、ココヘリを利用するなら山スキーもOKだとの事。彼らはこの先の駐車スペースにデポしていた車に戻ると言っていた。
 この後、後片付けを終えて帰途に就き、明るいうちに帰宅することが出来た。

GPSトラック(赤は登り、青は下り)