獅子が鼻山 1875 m (頂上直下 1770 m まで) 

  以前,川場剣が峰から鹿股沢を県道まで滑り降りたときに、鹿股山〜獅子が鼻山間の稜線の適当な位置から鹿股沢方面にスキーで下れるのではと思われた。この稜線は雪庇が発達しているが,場所により雪庇が切れているエントリポイントとルートを選べば上部は急斜面だが鹿股沢へ滑り込んで県道まで行けそうである。

  一度はこのルートを辿って見たかった。 多分,このルートはインターネット上では報告が無いし、ガイドブックにも記載が無い。問題は滑り降りた県道からたんばらスキー場の駐車場まで道路沿いを約一時間歩かねばならない。

  RSSAの会員で同じ群馬県に住んでいる田中さんから山スキーに行きませんかとの誘いを受けた。2人とも高齢者の部類であるが足並みはほぼそろっている。連休最終日の11日はたんばらスキー場周辺は比較的天気が良いとの気象情報で11日に設定。

  当初の計画では、田中さんと私の希望を入れてたんばらスキー場から鹿股山を経て獅子が鼻山まで登り刈又沢源頭部を滑った後、1710m峰まで登り返して鹿股沢に滑り降りて沢沿いを経て林道を経由して県道まで滑るというものだった。駄目なら計画変更して適当なところから引き返せば良い。

  車一台を鹿股沢の林道が県道にぶつかる周辺の駐車可能な場所に駐車してもう一台でたんばらスキー場駐車場に向かうことにして鹿股橋に7時半に集合することにした

  この地域はここ数日雪が降っておらず,雪は締っていて歩きやすく雪崩の恐れは無いと思っていたが,低温が続いたため雪は締っておらず,稜線上の登りもラッセルと細かいアップダウンの連続で時間が掛かった。獅子が鼻山手前の急斜面で上がるのを止め、雪庇が切れているところから鹿股沢方面に滑り下りることにした。

  下りは南面にもかかわらず,低温続きで雪はやや重いパウダースで粘着力があり雪崩の心配が無い。足首から膝くらいのパウダースノーの急斜面の滑りは快適であったが。シーズン初めで急斜面の滑りに慣れていないため何度か転んだが起き上がるのが大変。

  沢床まで下りた後は緩斜面の谷筋の下りが延々と続いて,予想以上に時間がかかった。それでも懸案だったルートを滑ることが出来て幸いであった。同行いただいた田中さんに感謝する。

1月11日(月) 晴れ後薄曇り

2人 
登行高度:220 m、滑降高度:890 m  

たんばらスキー場ゲレンデトップ(8:50)―鹿股山(9:20)ー1710m峰(10:15)―獅子が鼻山手前1770m地点(11:10〜11:40)―鹿股沢床1505m地点(12:30)−林道末端1140m地点(14:05)―県道鹿股橋(15:05)

   
   朝5時40分に自宅を出て7時20分に集合場所のたんばらスキー場手前の鹿股沢橋沿いに到着。7時半集合の約束であったが、すでに田中さんが待っていた。田中さんの車をここにデポすることにして、山スキーの用意をして私の車でたんばらスキー場の駐車場に向かった。

   スキー場は8時に営業開始とのことであったが,すでにかなりの車が停まっていた。山スキーの準備をしてマスクをしてチケット2枚を買い、リフト2機を乗り継いでゲレンデトップに到着。

   スキーにシールを貼り,最初の急斜面を上がると尾根筋の緩斜面が続く。連休中でトレースがしっかり着いていると思ったが,スノーシューのトレースが一つついているのみであった。ここ数日降雪が無いようなので雪は締っていると思っていたが,低温続きで雪は締っていない。


鹿股山                        獅子が鼻山と剣が峰。右側は雪庇が続く     靴の高さのラッセルで稜線上を進む
  

   先行のスノーシューのトレースに従い進んだが,山スキーとスノー^シューでは歩き方が違う。時々スノーシューのトレースから外れて進んだが,足首から靴の高さ位のラッセルであったが。それなりに時間がかかる。

  鹿股山までは順調に進んだが、1710m峰まではアップダウンが出てきて、田中さんと交代で先頭に進んだが,ペースは遅くなった。とくに1710m峰を過ぎて獅子が鼻山に向かう稜線は右側は雪庇、左側は密な樹林帯で細い尾根筋は細かいアップダウンが続いてスキーでの通過に苦労した。

1685m峰                        獅子が鼻山                     遠くに尾Pの笠が岳
  


 
 獅子が鼻山手前の細い尾根上は急斜面となりスキーで上がるのは難しい。先行のスノーシューはそのまま直登してい る。スキーを担いで上がれば行けないことは無いが,雪が深く苦労しそうである。右側は雪庇が切れていて,すぐに急斜面となるがエントリーポイントとして使える。


川場剣が峰                       雪庇の間のエントリーポイント         エントリーポイントから滑り出す
  


  
今日はここまでにしてここから鹿股沢を滑り降りましょうと、田中さんと衆議一決。ここで行動食を取りながら休憩した。その間に先行のスノーシューの登山者が下りてきた。やはりこれから上はスノー-シューでも苦労したとのこと。

  休憩後、シールを外してエントリーポイントから滑降開始。粘着力のあるやや重いパウダースノーで雪崩の恐れは無い。南面なので雪は重くなっていると思ったが,連日の低温続きで新雪の状態が保持されていたようである。上部は無立ち木の急斜面で膝下くらいのパウダースノーの滑りは快適である。


上部は無立木の急斜面                中間部より上部を見上げる          中間部より下部を見下ろす
  


  未だ、シーズン始めで急斜面の滑りに慣れていないので慎重にターンしながら滑り降りた。田中さんは転んだ時のショックでスキーストッパーにトラブルが出たようで急斜面をスローペースで進んだ。

  中間部から下部にかけてはブナの疎林帯で雰囲気が良い。下部の鹿股沢の両岸は切り立っており,沢床に至るルートは限られる。滑り降りた左手の谷筋はやや狭いが傾斜は緩い状態で鹿股沢に合流するのを見て,この谷筋に下りて
田中さんが下りてくるのを待った。最後は傾斜の緩くなった谷筋を滑り降りて鹿股沢に出た。


鹿股沢沿に下る谷筋を行く             緩斜面の鹿股沢沿いを下る          雪が谷や深い中を歩いて進む   
  


  後は緩斜面の長い鹿股沢沿いを下るだけである。沢は雪が割れている可能性があるので右岸左岸と安全で通りやすい所を選んで進んだ。雪が締っていれば楽に滑り降りれるだろうがやや重い雪が続く。滑ったり。歩いたり,スキーを漕いだりして下ったが,予想以上に時間がかかった。しかし、沢沿いはブナの林が続き雰囲気は良い。


林道に出る                      林道の周囲はブナ林                林道の終点。県道に出る
  

  ようやく,林道に出てスキーをヒールフリーにして滑りと歩きを交えてのんびり下った。周囲はブナの樹林帯が多く緩斜面の林道歩きを楽しめた。林道上にはカモシカかイノシシの足跡が沢山着いていた。

  3時過ぎにようやく県道沿いに到着。スキーとザックを置いて田中さんの車でスキー場駐車場に戻った。ここで田中さんと別れてスキー場の受付に行って下山届を出して本日の山スキー行は終了。

  後片付けをして,途中でスキーとザックを回収して帰途についた。

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