東谷山 1553 m

   22日の土曜日はRSSAの2月例会山行で、上越の守門大岳に行くことになった。この山行に参加することにしたが、気象情報では前日の金曜日は好天である。そこで、同じ上越の東谷山に金曜日に行ってみることにした。東谷山はほぼ毎年行っているが、北西面の谷筋のブナの疎林隊が素晴らしい。

  今年はどこも異常に小雪で山スキーを楽しめるところが少ない。東谷山も雪が少ないようだが、数日前に雪が積もったようなので北西面の谷筋はパウダースノーが残っており、快適な滑りが期待できる。下部の雪が少なすぎて藪が多くてスキーにならない可能性はあるが、行ってみて様子を見ることにした。

  雪は確かに例年より少なく、尾根筋の登りや下りの下部の谷筋でやや苦労したが、問題なく行けることが出来た。非常に大きな問題は頂上からの下りで他人のトレースに釣られて着いて行ってしまい、当初の目的である北西面の谷筋を滑り貝掛温泉まで下る予定が、北側の谷筋を下りて三俣まで行ってしまったことである。

  途中で間違ったことに気付いて地図とGPSで確認したら、上り返すまでもなく三俣まで下れることが分かったので、そのままトレースに従って行った。このルートをたどるのは初めてである。下部の谷筋が小雪で割れていて高巻きをしたり、水無川を渡るスノーブリッジが崩れたり、また、下部の平坦な林道が長くて一時間以上余計にかかってしまった。

  タイミング良く三俣に着き、10分も待たずに路線バスに乗ることが出来て出発地点の二居に戻ることが出来たが、他人のトレースなど宛にしてはいけないということを痛感した。

2月21日(金) 晴れ

単独

登行高度: 740 m、滑降高度: 930 m
二居(8:30)―二居峠(9:40)ー東谷山(12:35〜13:05)−水無川沿い林道(14:40〜14:50)ー三俣バス停(15:37)

   
   朝6時前に自宅を出て赤城ICから関越道に乗り、月夜野ICで降りて国道17号線で三国峠を越えて8時過ぎに二居に到着、道路際の駐車スペースに止めて山スキーの準備をして出発。天気は快晴で風も無く温かい。雪は数日前に積もった雪が南面で気温が高いので溶けてほどほどに固まったようでシール歩行がやり易い。

   さすがに金曜日で好天だが上がる人は誰もいないようである。登りは何度も通っている勝手知ったるルートだが、数日前のトレースがついていて迷うことは無い。登山道沿いにジグザグに上がり二居峠に到着。二居峠のアズマや柱やベンチも下まで見えており、雪が少ない。

二居峠に上がる登山道。大きな鉄塔が見える     二居峠のあずまや                右側に雪庇の尾根筋を行く
    

   二居峠から尾根筋を上がるが最初のわずかな急斜面は雪が少なくシール歩行で上がるのは難しい。スキーを外してザックにつけて担いで上がった、急斜面を上がりきったところでシール歩行に切り替えた。

   尾根筋の右側は雪庇が出ている所で、雪庇に落ちると危険なのでできるだけ左側の灌木やブッシュの生えている所をトレースに従って進んだ。やはり小雪でブッシュの間を通過するのがやや難しい。

  やや急斜面を上がりきると大きな鉄塔が立っている尾根に出た。柏崎の原発で発電した電気を首都圏に運ぶ送電線の鉄塔だろうが、その大きさに驚く。鉄塔を過ぎてしばらく行くと急斜面で尾根筋が狭くなってきた。おまけに雪はやや硬くシール歩行で上がるのが難しい。ここでもスキーを外してスキーをザックにつけて担いで上がった。

巨大な鉄塔の横を通る                  狭い尾根筋を行く                 ブナの疎林帯の広い尾根筋
    


 
 しばらく、ツボ足で歩いた後、傾斜が緩くなってきたところで再度シール歩行に切り替えた。尾根筋の斜面はだんだん広くなり、ブナの疎林帯となった。ブナ林が青空の中、陽に映えて美しい。やや疲れてきたが。この景色に励まされて上がることが出来た。

ブナの疎林隊                       頂上まであとわずか                 反対側は苗場スキー場
    


  上がるにつれて雪が深くなり先行のトレースが見えなくなってきた。ところが、頂上手前で本日のものと思われるトレースが出てきた。このトレースは頂上まで行かずにすぐ上でシールを外して滑り降りていた。このトレースの主は三俣か貝掛温泉から上がりそのまま滑り降りたようである。

東谷山から見る日白山、谷川岳、万太郎山                    苗場山、神楽峰
 
 


  そのまま頂上まで上がり、行動食と水を取りながら長い休憩をとった。風も無く陽が差して温かい。

巻機山                                           仙の倉山、平標山
  


  長い休憩の後はシールを外して滑降開始。左側に進んだが先行のトレースに釣られてブナ林の中をそのまま降りてしまった。

  硬い雪面の上にパウダースノーが20cmくらい載っていて非常に滑りやすい。ターンすると硬い底面にぶつかったり、表面の雪が少しずり落ちたりすることがあったが、雪崩の恐れは感じられない。

ブナの疎林隊のやや急斜面を滑り降りる
    


  上部の快適なブナ林の急斜面には先行のトレースもついており、そのまま下ってしまった。急斜面を滑り降りると谷筋がやや狭くなって来た。先行のトレースに従いやや谷の上を滑り降りた。谷筋は沢が随所で割れていた。最後は一部雪が切れている急斜面を横滑りで谷底まで下りた。

緩くなってきた斜面を滑り降りる           一部雪の切れた急斜面を横滑りで下る        沢は至る所で切れている
    



   緩斜面の谷筋を滑り降り、トレースに従いわずかに残っているスノーブリッジを渡ろうとしたら、スノーブリッジが崩れてしまった。幸い沢はほとんど水が流れておらず、段差もあまり無かったので問題にならずに済んだ。スキーを外して対岸にスキーとストックを投げた上で対岸に這い上がり少し行くと雪に覆われた林道に出た。

   おかしいなと地図とGPSで確認すると、スノーブリッジで渡ろうとしたのは水無川の上流部で、林道沿いに進んだら三俣に出ることが分かった。今更仕方が無い。そのままトレースに従い進んだ。平坦な林道は長かった。ヒールフリーにして進み、三俣に着いてスキーを外して少し歩くと三俣のバス停であった。

   幸い10分もかからず路線バスがやって来て、バスに乗って出発地点の二居に戻った。車に戻って後片付けをした後、翌日の守門大岳の山スキー行にそなえ、関越道に乗り小出ICを出て須原の民宿に向かった。

GPSトラック(赤が上り、青が下り)