中四阿山 2106 m

   本日も好天の気象情報で、昨日の根子岳に続いて隣の四阿山を目指すことにした。四阿山は深田久弥の日本100名山にも選定されている。「日本100名山」を見ると深田久弥は菅平牧場から民宿の若主人と一緒に山スキーで上がっている。

   四阿山には山スキーでこれまで10回数上がっているが、いずれも四阿高原ホテルからであった。そこで、今回菅平牧場から上がってみることにした。問題は今年は小雪で下部はスキーが出来ないかも知れないことと、途中の大明神沢を越えることが難しいかも知れない点であった。

   泊まった菅平牧場近くの宿の主人はこの辺の山に詳しいので聞いたところ、下部の牧場内は雪がありスキーが可能であること、大明神沢にかかる登山道の橋は昨年の台風19号で壊れているので、通過できるかどうか分らないとのことであった。雪が十分にあればスノーブリッジを渡れるが、今年の小雪では難しいかも知れないが分らないとのことであった。

   代わりのルートとして牧場内の作業道を通り大明神沢を越えてから尾根に上り、尾根筋を進み登山道に合するルートがあることを教えてもらった。しかし、作業道は一般登山者は通行禁止なので牧場の方の了解を得て行ってくださいとのことであった。

   実際に行ってみると、昨日の登山者のトレースがついており、問題の大明神沢もスキーを外したが、問題なく渡れた。しかし、途中で道に迷ったこともあり、疲れて中四阿山で引き返した。標高の高い中四阿山から鞍部への下りは雪が十分にあり低木帯のツリーランを楽しめた。

   しかし、下部の尾根筋は藪や灌木が密でスキーを楽しむにはほど遠い。また、途中の小四阿山(1917m)付近の細い尾根筋は両側が切り立っていてスキーで進むのが危険。おまけに、長いアップダウンが大明神沢を越えるところ、小四阿山と中四阿山の鞍部、中四阿山と四阿山直下との鞍部の3カ所もある。

   四阿山への山スキールートとしてはやはり、四阿高原ホテルからのルートが優れていると思った。雪が十分にあればこの外、大明神沢や中之沢を詰めていくルートがありそうであるが、どうだろうか?
  
2月3日(月) 晴れ

単独

登行高度:660 m、 滑降高度:660 m  

菅平牧場入り口駐車場(7:15)--牧場管理事務所(8:00))―牧場牛舎引き返す(8:10〜8:25)ー四阿山登山口(8:30)−大明神沢徒渉(8:55〜9:05)ー中四阿山(11:05〜11:35)ー大明神沢(13:05〜13:35)ー牧場牛舎(13:40)ー四阿山登山口(13:45〜14:05)ー駐車場(14:30)

   
  早めに起きて簡単な朝食を取り、7時前に宿を出た。すぐ先の菅平牧場入口の登山者用駐車場に車を停めた。山スキーの準備をしている間に2人連れの登山者がやってきた。彼らはここから根子岳に向かうと行っていた。

  雪に覆われた牧場内の道路際をシール歩行で進んでいった。牧場事務所の建物のところで右折し除雪された作業道の路肩の雪の上を進んだ。

  左手に四阿山登山口の標識があった。これが宿の主人が言ってっていた登山道だろう。そのまま作業道を進んでいくと大きな牛舎があり、牧場関係者がいた。四阿山へ行きたいので作業道を通らせてほしいと頼んだところ、通るのは良いが登山道はあちらだよと言われた。登山道の途中で大明神沢を渡れない可能性があるのでこちらに来たと言うと、昨日の登山者は登山道を通っているので行けないことは無いし、そちらの方が楽だよとのこと。

  それならと先ほど通過した登山口まで引き返すことにしたが、30分近いロスと無駄な体力消耗であった。登山口から牧場の端の登山道には昨日の2〜3人かと思われる登山者のスノーシューのトレースがずっとついていた。以後トレースを目印に進んだが、赤布の標識も随所についていたわかりやすい。

牧場の端を行く                     大明神沢の渡渉地点                シラカバ林の中を行く
    


  林の中を下っていくと、大明神沢の渡渉地点であった。スキーを担いで雪を被った石伝いに渡ることが出来た。その後、トレースに従い尾根の上に上がった。

  尾根筋は低木、藪がやや密に混んでいていてスキーは難しそうである。はじめはスノーシューのトレースに従って上がっていった。、シール歩行ではトレースを外して直登した方が楽なのでトレースを外し手、時々トレースや赤布の標識を確認しながら上がって行った。

やや広い尾根筋を上がっていくと、尾根だんだん狭くなり急になってきた。狭い上に木もやや密に生えておりシール歩行で上がるのは良いが、スキーで滑り降りるのは難しそうである。上がりきった尾根筋は狭い上に両側が切り立っている。

  小四阿山(1917m)の細い尾根筋を慎重にシール歩行で通り抜けると、中四阿山への鞍部に至るやや急下りとなった。木が生えていて狭いので少し階段歩行で安全に降りてから、シール歩行で鞍部まで下っていった。

小四阿山の細尾根を行く                中四阿山から見る四阿山             中四阿山から見る根子岳
    


  目の前に中四阿山が見えるが、その先の四阿山が見えない。中四阿山への尾根筋は広く低木や藪が少なくなってきた。少し疲れてきたので、本日は中四阿山までとして、余裕のあるうちにハイクアップを中止した。

  四阿山までは山頂直下との鞍部まで短いが急斜面を降りてから登り返せねばならない。四阿山山頂は何度も上がっているので無理していくことは無い。中四阿山で四阿山や根子岳など周囲の景色を見ながらゆっくりと昼食を取った。

中四阿山から見る浅間山              菅平スキー場と雲を被った北アルプス        滑ってきたツリーランを振り返る
    


  昼食後、シールを外して中四阿山から鞍部までツリーラン。堅い雪面に新雪が少し載っていて非常に滑りやすい。すぐに鞍部まで到着。此処でスキーをザックにつけて担いでトレースについて小四阿山を目指して上がった。スキーを担いで歩いて細い尾根筋を通り過ぎた。そのままスキーを担いで木の多い尾根筋を歩いて下った。

  尾根筋が広くなったところでスキーをつけてツリーラン始めた。木や藪が密に生えているのでスキーが難しい。出来るだけ滑り安い所を選んで降りているうちに上りで取っていたトレースを見失ってしまった。

  大明神沢に降りる箇所が分らなくなったので、そのまま横滑りで沢床まで滑り降りた。反対側の斜面の上がれそうな所を上がればなんとかなると思ったが、反対側の斜面は急で上がれそうも無い。しばらく大明神沢を右岸、左岸と通り安い所を下っていった。この間スキーを担いで2,3度石伝いに渡渉したが、幸い全く濡れずにすんだ。

  最後に反対側に渡った後は広い緩斜面が上まで続いていた。どうやら作業道のようである。スキーにシールをつけて上がりきった所は朝見た大きな牛舎であった。此処で牧場関係者とお目にかかり、少し話した後、お礼を言って先に進んだ。

  四阿山登山口の近くの牧場入り口で最後の長い休憩を取った。その後、雪を被った広い牧場の緩斜面を滑り降りたが、勘違いして反対側に行ってしまった後、戻って駐車場に出た。


GPSトラック(赤が上り、青が下り。最後は電池切れで消えている)