悪沢岳(尾瀬)  2043 m

  先日、Kさんと同行して津奈木橋から笠ヶ岳に上がった時にKさんから津奈木橋周辺を出発点にして至仏山方面に上がる尾根筋のルートについて伺った。実際笠ヶ岳に上がる途中から見た時もあそこなら行けそうだと思われる尾根筋がいくつか見受けられた。

  そこで、5月2日にその一つの金井沢と井戸沢の間の尾根を1866m峰まで上がり、その後ノーマルルートを辿り悪沢岳から至仏山に行って見ることにした。2日は天候は晴れだが寒気が近づいて風は強く、急な雷雨が有るかも知れないと言う気象情報であった。天気が悪ければ途中で引き返すことも考えた。

  朝は雨が降っており午前中は曇り空で上部は風が強く小至仏山の下まで上がり、12時になったので往路をそのまま引き返した。最後に下る尾根を間違えて登り返して時間がかかった。

  尾根筋の上部はシラビソやブナの疎林帯で傾斜もほどほどでザラメ雪の滑りを楽しんだ。しかし、下部になると雪解けが進んで倒れかかった灌木や散乱した枯れ木、小さな谷筋は雪が割れて通行不能。おまけに下部のカラマツ林は樹間が狭い。コース取りにやや苦労したが、面白いルートであった。今度は下部でも雪の多い時に別の尾根筋を行って見たいと思った。

  5月 2日(木) 雨のち曇り後晴れ、風やや強し

  単独
登行高度:775 m、 滑降高度:775 m 

 津奈木橋(8:45)-1866m峰(10:30)―悪沢岳(11:25〜11:30)ー小至仏山直下(11:50〜12:05)―1866m峰(12:30))―津奈木橋(13:45)

  
朝4時45分に出て、津奈木橋に6時40分に着いた。釣り客らしい先行の車が2台停まっていた。雨が降っており、車から外に出る気にならない。先行の釣り客一人が引き返して行った。9時までに雨が上れば、その時点で行くことにして車の中で雨が上がるのを待った。

   2時間ほど車の中で待機していると、雨が小降りになり止んできた。外に出て山スキーの準備をして、津奈木橋から水上方面に行く道路のゲートを越えて少し進み金井沢橋を越えた所で除雪された雪壁の低い所を越えて右側の雪のの上に上がった。

   正面の急斜面の尾根は雪解けが進んでいて上がるのは難しい。左側に回り込んで進み、雪が繋がっていた西側からこの尾根に上がった。下部はやや密なカラマツ林が続いていた。しかも灌木が雪の上に出ているし、枯れ木が散乱している。登りでシール歩行するのは良いが、下りの滑りではルート取りが難しいなと思いながら上がって行った。


県道の右手の雪原に上がり進む             初めはやや密なカラマツ林               次いでブナの疎林帯の尾根筋
    



   上がるにつ入れてカラマツ林からブナ林になり、樹間も広くなり出した。斜面は急になって来たが、ザラメ雪が程々に緩んでいて登り易い。クライミングサポートを最上段にして適当にジグを切りながら急斜面を上がった。結局、持参のスキーアイゼンを使わずに済んだ。
 
   その後、緩斜面と急斜面が続いた。上がるにつれてブナの疎林帯からシラビソの疎林体になった。木の間越しに尾瀬ヶ原と燧ヶ岳、さらには平ヶ岳が遠望された。最後の急斜面を上がり切ると広い緩斜面となり、鳩待峠方面から来たとみられる先行のトレースがが付いていた。


急なブナの疎林帯を上がる              上に上がるとシラビソの樹林帯              樹林の間から尾瀬ヶ原と燧ヶ岳が見える
    


   先行のトレースに従い1866m峰を回り込んでから、ほぼ夏道沿いに進んだ。オヤマ沢田代の方に向かっているトレースと離れて悪沢岳に向かい山頂到着。眼の前には数日前に上がった笠ヶ岳が見える。反対側には小至仏山と上部は雲に覆われた至仏山。

樹林の間から見えるこれから上がる悪沢岳       悪沢岳から見る笠ヶ岳                 悪沢岳から見る日光白根山
    


   天候が余り良くないし先日至仏山に上ったので、頑張って至仏山まで行こうと言う気が起こらない。とりあえず、12時まで行ける所まで行って引き返そうと進んだ。稜線沿いは風が強く、登りで掻いた汗が冷えて寒くなって来た。

悪沢岳からみる武尊山                小至仏山、その後ろの至仏山は雲で良く見えない    景鶴山
    


   これから上がる人、下って来る人、大勢の登山者、山スキーヤー、ボーダーがいた。12時前だったが小至仏山の手前の岩陰の風当たりが少ない所で、ハイクアップを止めた。低い雲が垂れこめて燧ヶ岳の上の方が見えない。尾瀬ヶ原も霞んでいる。

   昼食を取り、水を飲んで休憩。シールを外して滑降開始。上部はザラメ雪がやや硬くなっておりやや急斜面を適当にターンして下った。下り過ぎないようにトラーバース気味に滑り降りて往路で回り込んだ1866m峰に達した。下るの連れてザラメ雪は緩んでいて滑り易いが危険を感じない。

   1866m峰を回り込んで下り、時々GPSで往路を確認しながら尾根筋の疎林帯を適当にターンしながら滑り降りた。天候は急速に良くなり青空が見えてきた。下って行く急斜面の疎林帯の滑りに夢中になっているうちに、GPSでの確認を怠っていて往路と別の尾根に入ってしまった。


部のシラビソの樹林帯を滑り降りる         中間部はブナの疎林帯、青空が出て来た    下部は細いカラマツ林で雪解けが進んでいた
    


   下部は細い樹林が密になり、大きな枯れ木が落ちている。しかも雪が切れている。往路の尾根に戻ろうとしたが、途中に小さな沢が2本あり、沢の雪は割れていて通過がが困難である。仕方が無いので登り返して小さな沢の雪が繋がって通過できる箇所をトラバース気味にを渡り往路に取った尾根に戻った。このために約30分余計にかかってしまった。

   その後、尾根の南側の出来るだけ木が少なくて滑り易い斜面を滑り降り、最後は尾根に戻ってやや急斜面を雪を拾いながら戻り県道に出た。後は除雪された道路をわずか距離歩いて津奈木橋に戻った。後片付けをしている間も、鳩待峠から下りて来るタクシーやバスあるいはこれから上がって行く車やバスが頻繁に通って行った。

GPSトラック(登りが赤、下りの滑降が青)