霧の塔、雁が峰  1994 m

 16日に、私と同じ桐生市在住のKさんから木曜日の18日に天気が良さそうだから、かぐらスキー場から雁が峰への山スキーに行きませんかと言うメールを頂いた。Kさんは私と同年代で、長いこと山スキーをやられていて数年前までは毎年山スキー記録集を出しておられた。

  ところが、Kさんは数年前から足腰に種々の傷み、障害が起きて整形外科医からこのままでは山スキーなど無理になるでしょうと言われたが、手術を受けて毎日熱心なリハビリとトレーニングを重ねて、以前のようには行かないが山スキーが出来るようになったとの事であった。高齢になり、身体の不調や障害が出て来ると山スキーなど止めてしまう人が多い中で希有の存在で、自分もそうなったら見習うべきと感心して聞いていた。

  以前はKさんと時々山スキーに同行することがあったが、昨年は一度も同行する機会が無かった。少し風邪気味であまり体調は良く無かったが、18日は好天で、かぐらスキー場のトップから上がる雁が峰のコースなら登りは楽だしKさんと行くならゆっくり行ける。このコースは何度か行っているがここ数年は行っていなかったので、2つ返事でKさんの誘いに応じて行くことにした。

  4月 18日(木) 快晴、無風

  2人(桐生在住のKさんと)
登行高度:335 m、 滑降高度:1022 m(スキー場ゲレンデを含む) 

 かぐらスキー場第5リフト上(9:45)-霧の塔(11:20〜12:03)―霧の塔手前ピーク(12:08〜12:35)ー1654m地点シール撞着(12:57〜13:10)―雁が峰(13:30)―スキー場ゲレンデ(14:15)-みつまたロープウェー山頂駅(14:30)


   
朝5時前にに起床。簡単な朝食を取り準備して5時20分に自宅を出た。赤城ICから関越道に入り、湯沢ICからみつまたスキー場に向かった。みつまたスキー場には約2時間掛り、7時半少し前に到着。

   4月に入り多くのスキー場は営業を取りやめたが、かぐらスキー場は5月中旬まで営業をする。本日は平日にもかかわらず、かなり沢山のスキー客の車が停まっていた。

   山スキーの準備をしてチケット売り場に向かった。Kさんと9時にチケット売り場で落ち合った。みつまたロープウェーは8時から営業を開始するとの事で、チケット一日券を買いロープウェーに乗り込んだ。風も無く気温は高く非常に暖かい。アウタージャケットを脱いでシャツだけにした。

   ゲレンデの最上部に9時に到着。さらに上の第5リフトの営業開始は8時半からだとの表示が出ていた。普通ならここでゲレンデを一滑りするのだが、今日は体調もあまり良くないので、Kさんとともにここで30分ほど待つことにした。

   第5リフトは9時半に開始し立ち入り禁止のネットが外された。スキーを少し滑らせリフト乗り場に向かった。12月にはここをシール歩行で上がるのだが、やはりリフトは楽で上まで上がった。

   ここにはゲートが設けられていて、登山届の提出、確認とビーコンチェックを受けた。ゲートをスキーをもって通り上に出た。先行の単独行の人がシールを付けていた。

かぐらスキー場から上がるゲート              緩斜面の広い尾根を上がる            反対側には上越の山々、手前はカッサ池
      

  我々もシールを付けてハイクアップを開始。気温が高いため雪は軟らかくなっており、ザラメ雪一歩手前の感じである。シラビソの樹林帯の中の緩斜面の登りは歩き易い。本日は神楽ヶ峰方面には行かないので、右寄りの樹林帯の中を進んだ。途中で斜面の上部を進む2人連れに追い越された。

  樹林帯を出来るだけ急こう配にならないように谷筋をトラバース気味に越えた。中尾根も上まで上がらずトラバース気味に越えて尾根筋に出た。次の2つの小ピークも上まで上がらず南側にトラバースして越えて、最後の急な一登りで霧の塔に到着。ここまで一時間35分のハイクアップ。我々にしては予想以上の早いペースで上がって来た。

中尾根                              稜線上を霧の塔を目指して進む           霧の塔から見る神楽ヶ峰
     


   頂上は広く、風も無く暖かい。周囲の山々の眺望を楽しみながら
長い休憩を取り、色々よもやま話をして過ごした。その間に5,6人連れ、3,4人連れのグループがやって来た、離れた所で休んでいた。

苗場山                             遠くにうっすらと妙高山と火打山          平標山と仙の倉山
    


   長い休憩の後、昼食は目の間の小ピークで取りましょうかとシールを外してわずかに滑りおりた。更にわずかに上がった少ピークで休み昼食を取った。再び長い休憩。ゆったりとした時間を過ごした。

巻機山                             谷川連峰                         笠が岳、朝日岳
    

 
  その後は、お楽しみの滑降開始。このルートは全体に急斜面は少なく尾根筋の緩斜面が大部分である。雪はサラメ雪になる手前だがやや締まっているが、気温が高く陽が射しているので雪が緩んでいて滑り易い。

霧の塔から雁が峰に至る広い尾根筋          滑りを楽しむKさん                    急斜面を滑り降りる
    


   やや急斜面次いで緩斜面が出て来て尾根筋の滑りを楽しんだ。先行のトレースが沢山付いており、迷うことは無い。

滑るKさん                          見通しの良い広い尾根筋を滑り降りる         滑る私
    


   途中で谷筋に降りたグループの声が聞こえたが、彼らは黒岩の平らから向かい側の尾根に向かってから霧の塔に向かったのだろう。我々はそのまま尾根筋を滑り、やや急斜面を谷筋に滑り降りた。


シラビソの疎林の中を滑るKさん           シラビソの中を滑る                 雁が峰から滑り降りてきた尾根筋を振り返る 
    


   そこからは、霧の塔まで緩斜面の登りとなる。スキーにシールを張って緩斜面をハイクアップ。最後の短いがやや急な斜面を上がり切り雁が峰の頂上に達した。先行の3,4人連れれのグループが休んでいたが先に降りて行った。

   ここでシールを外して、東側のブナの疎林帯の尾根筋を先行のトレースに従い下った。ピンクのテープが随所に木にかけられており迷うことは無い。緩斜面とやや急斜面が交互に出て来る尾根筋をお互いに写真を撮りながらは滑りおりた。

広い尾根筋を滑るKさん                  やや急斜面を滑る                     下部はブナの疎林帯になった
    


   上部は比較的滑り易かったが、下るにつれてグサグサの重い雪となって足に応えるようになった。尾根からゲレンデ側に下る最後の所で油断してスキーの先端を重い雪に引っ掛けて転倒した。

ナの疎林帯の中を最後の滑り                Kさん                           私
     


  後は、ゲレンデ内の整備されたコースを下り、みつまたゲレンデに上がるリフトに乗った。みつまたゲレンデを滑り降りて、みつまたロープウェー山頂駅に到着。15分待って次のロープウェーに乗って下山。事務所に往き下山報告をした後、Kさんと別れて、後片付けをして帰途に着いた。

   今回は休憩時間が長くゆったりとした行程で行けたのが良かった。やはりリフトやゴンドラを使うと時間がかかる辛い登りを短縮出来て、周囲の眺望や山スキーを楽しめる。写真の一部はKさんから提供いただいた。同行頂いたKさんには感謝する。


GPSトラック(登りが赤、下りの滑降が青)