布引山 手前1609mピークまで 

  宝川温泉の先にある奥利根源流の山はアプローチが長くて行きづらいが、山スキーには良いサイトである。一か月前には雨ヶ立山に行った。今年は雪が少なく高温の日が多かったので、この地域はもう山スキーには向かない。ところが先週の火曜日から木曜日にかけてかなりの量の降雪があった。

  下部は雪が少ないだろうが、宝川温泉からの林道のトンネルを過ぎて森林管理センターの建物付近からなら雪が十分あり山スキーが出来るのではないかと考えて、昨日の武尊山に次いで、布引山まで行く計画を立てた。

  気象情報では、曇り時々晴れで午後には小雨が降る可能性もある。天候が悪くなりそうだったり、体力的にきつかったら無理をせず適当な所で引き返せばよい。
  
  結局は大烏帽子山や朝日岳が良く見る稜線上の1609mのピークまで上がり引き返したが、天候は崩れることは無く周囲の眺望もまずまずで、余裕を持って山スキーを楽しむことが出来て幸いであった。

  4月 7日(土) 曇り時々晴、弱風
  単独
登行高度:910 m、 滑降高度:850 m、 歩行下降高度:60m  

宝川温泉(6:30)-790m地点シール歩行開始(8:00)-布引山手前1609mピーク(11:30〜12:00)−林道沿い760m地点スキー終了(13:25)ー宝川温泉(14:40)

   
上の原の民宿で前泊し、朝5時過ぎに起床。昨日の疲れは殆ど無く、本日もハードでなければ山スキーを行けそうであった。簡単な朝食を取り宝川温泉に向かった。宝川温泉の門を越えた先の駐車場に到着。駐車場は殆ど雪が融けていた。

    既に1台の車が停まっており、先行の山スキーヤーが出発する所であった。この方は出来れば大烏帽子山まで行きたいが、多分、布引山迄で行けば良いでしょうとスキーを担いで出発した。


駐車場から林道                       駐車場から宝川温泉方向               林道のトンネル(氷柱は消えている)
    


    自分も山スキーの準備をしてスキーをザックに付けて担いで歩き出した。林道周辺は全く雪がが融けて無い。少し行くと雪がちらほら出て来てだんだん多くなってきた。しかし、随所で雪が切れている箇所があるのでシール歩行は無理である。暑くなってきてアウタージャケットを脱いだ。

   一時間以上歩いてトンネルに差し掛かった。一か月前には多数の氷柱が立っていたのに、今日は氷柱は無く、トンネル内には所々水が溜まっている。トンネルを過ぎると雪の量が多くなってきた。少し行くと雪が融けて切れている所があった。そこを少し行ったところでスキーにシールを張ってシール歩行に切り替えた。結局1時間半弱スキーを担いで歩いたことになる。


シール歩行に切り替え                    森林管理センターの建物               雪解けが進んでいる宝川
    


    先行者のトレースに従い、林道から離れて右手の杉林の中の緩斜面を上がって行った。一か月前に通った見覚えのある光景が出て来た。緩斜面の杉林が終わるとカラマツ林、次いでブナの疎林帯が続き。斜度はきつくなってきた。先行者が直ぐ前を進んで行くのが見えた。

    右手のやや急斜面を上がり切ると尾根筋に出た。風も無く暑い。ここから尾根伝いに高度を上げて行けば布引山に達するがまだまだ先は長い。先行者に続いて急斜面を上がって行き、先行者に追い着き少し話をした。さらに上着を脱いでシャツ一枚になった。

ブナの疎林帯を上がる                    稜線上から見る雨ヶ立山                稜線上から見る谷川岳
    


    今日はとりあえず、朝日岳や大烏帽子山が良く見る所まで上がり無理をしないで引き返します。と言った。その方も午後から天候が崩れる可能性もあるのでやはり引き返すとの事であった。残りわずかだが先行して尾根上の1609mピークに到着。ここで本日のハイクアップを終了して周囲の景色を見ながら昼食を取った。先行者もここで休憩。風も無く暖かい。

朝日岳、笠ヶ岳                                       大烏帽子山
  

     
    目の前には朝日岳、笠ヶ岳、さらには白毛門から谷川岳。反対側には大烏帽子山の特徴ある姿。数年前にはあの大烏帽子山まで行ったのだが、今はとても体力的に無理。反対側のすぐ先には一か月前に行った雨ヶ立山、さらにその先には尾瀬の山々。素晴らしい眺望である。

尾瀬の山々                           武尊山                          巻機山
    


    休んでいる間に先行者が滑る準備をして下りて行った。自分も準備してスキー滑降開始。基本的は登りのルートをそのまま辿って下った。斜度はほどほどで稜線上の雪は表面は軟らかいががほどほどに締まっていて滑り易い適当にターンしながら滑り降りた。


稜線上の滑り                        ナの疎林帯の中、グサグサ重い雪を滑る      雪解けが早い下部林道周辺
      


    下るにつれて雪は重くなりグサグサの雪となったが、ブナの疎林帯の中の滑りはそれなりに快適である。最後は杉林の中の緩斜面を下ると林道に出た。スキーをヒールフリーにして林道を下り、2,3か所雪の切れたところでスキーを外して歩き再びスキーで滑り下りた。

    トンネルの手前でスキーは終了。2人連れの登山者と少し話をした。スキーをザックに付けてトンネルを越えた。それ以後も雪が残っている箇所はかなりあったが、随所で雪が融けて切れているので、スキーを担いで歩いて宝川温泉に駐車場に戻った。

    先行者が後片付けをしている所であった。この方と少し話をした後、後片付けをして帰途に着いた。

GPSトラック(登りが赤、下りの滑降が青、 下りの歩行は緑)