武尊山 2158m 

  武尊山は自宅から近い山スキーの好適地で、周辺の麓にはスキー場がありリフトを使えば簡単に上まで上がることが出来る。しかし、武尊牧場スキー場は営業を止めたし、オグナホダカスキー場は4月になり営業を止めた。

  最も簡単に武尊山に上がることが出来るのは川場スキー場のトップからのルートだが、川場スキー場から山スキーで上がるのは禁止になってしまった。武尊山北面にある宝台樹スキー場から上がるルートは、北面にあるため遅くまで雪が残っているので4月上中旬でも山スキーは可能である。しかし、このルートは結構アップダウンがあり時間と体力が必要である。

  宝台樹スキー場は4月7日まで営業だとの事であったが、始発時間が遅いのでリフトに乗るのを止めて、朝早く登山口を出発して日帰り往復をすることにした。武尊山の山スキーはいろいろのルートから行っているが、スキー場のリフトを使わないで行くのは今回が初めてである。

  4月6日は天候は良いが風が強いとの気象情報であった。北面ルートは谷筋で樹林帯が多いので風の影響はそれほど気にすることは無い。非常に風が強そうなら途中で引き返せばよい。

  当日は好天で、風がやや強かったのは樹林が無い頂上付近だけであった。午前中は固い雪面であったが、頂上からの滑降時は樹林帯の一部ではパウダースノーが残っている部分もあったが、上部はクラストしているか薄い皮の最中雪、下部はざくざくの腐れ雪で何度も転んだ。

   ルート取りの間違いや、下山時にシールを付けて行くべき所をシールを付けずに行ったので時間がかかり疲れたがそれなりに楽しめた。

  4月 6日(土) 晴、頂上付近のみ風やや強し
  単独
登行高度:1135 m、 滑降高度:1135 m  

武尊山登山口(5:50)-手小屋沢避難小屋(9:00)-武尊山(12:00〜12:40)−手小屋沢避難小屋(13:40)ー須原尾根(15:10)―名倉沢沿いー武尊山登山口(16:10)


  早朝出発するために、前夕武尊山登山口の状況を見た後、宝台樹スキー場の駐車場で車中泊した。朝5時前に起きて簡単な朝食後、登山口に向かった。道路は除雪されているが、周囲はまだ雪が充分にある。

   登山口の駐車場は一部除雪されていて車が3,4台駐車出来そうであった。既に先行の車が一台停まっていた。その横に駐車し用意をして出発。早朝で気温が比較的低かったため雪は固い。夏道の名倉沢沿いの緩斜面を進んで行った。途中で後続の単独行の山スキーヤーに追い越された。


ブナの疎林帯を上がる                 須原尾根を行く                       須原尾根のシラビソ樹林帯を行く
    


   緩斜面が終わるとやや左手の広い急斜面の尾根筋を上がり須原尾根にt郎着。ほっと一息をついて反対側の手小屋沢と向かいの尾根を眺めた。右側の尾根筋を取りアップダウンを繰り返しながら進んだ。先行者のトレースに従い進んで行った。

   夏道は尾根沿いに進んで行くが、これまでの山スキーでは避難小屋付近で谷筋に降りて谷筋を進んで行った。ところが先行者は夏道通りそのまま尾根筋を忠実に上がっていた。このルートでも行けるのかなと思い、先行者のトレースに付いて行ったのが間違いであった。

   夏道は武尊山の手前の急斜面のピークを上がり切った後、右に折れて尾根筋を頂上に向かっている。先行者もこのルートを辿ろうと急斜面をジグを切りながら上がっていた。

途中の尾根筋よりみる前山と武尊山            武尊山                         急斜面で狭い前山上部 
    


  ところが最後の狭い急斜面ではスキーで上がれない。スキーを外して壺足で上がろうとしたが、狭い急な斜面で雪が深くて壺足では上がれない。雪が締まっていて潜ることが無ければ何とか行けtかも知れないが、この雪の深さでは難しい。

   仕方が無いので壺足で少し下りて、安全な個所でスキーを付けて左側に大きくトラバースした。やや急な斜面をジグを切って上がりようやく鞍部に出た。目の雨に武尊山の頂上が見え上には数名の登山者がいた。


鞍部から見る武尊山                     武尊山頂上に到着                     武尊山から見る赤城山
    

   
   鞍部から頂上に上がる途中で、先ほどの先行者がスキーを担いで降りてきた。トレースをついてきたお礼を言い、話をするとこの方は武尊山北面を上がるのは初めてで夏道沿いを上がって来て、登って来たルートを辿って下る言われていた。谷筋を滑り下りて適当な所でシールを付けて尾根筋に上がった方が良いですよと言ったがどうされただろうか?

  川場スキー場から川場剣ヶ峰を経て武尊山に至る稜線                中の岳、家の串、剣ヶ峰に至る稜線
     


   最後の一登りで武尊山に到着。周囲の景色を見ながらゆっくりと昼食を取った。川場スキー場から川場剣ヶ峰を経由して大勢の登山者が上がって来た。スキーを持っているのはただ一人。登山者から何処を滑るのですか?と聞かれた。


燧ヶ岳                            至仏山、平ヶ岳                        尾瀬岩鞍スキー場、西山
    


   ゆっくりと休んだ後はシールを外して滑降開始。先ほどの先行者とは反対側の樹林帯の尾根筋を滑り降りた。どうやら2人連れの山スキーヤーが滑り降りた用で、トレースが所々見えた。


日光白根山、丸沼高原スキー場             笠g岳から朝日岳                     谷川岳
    



   頂上近くの無立木斜面は固い雪面と最中雪状態であったが、直ぐ下の樹林帯になるとパウダースノーが残っていて滑り易い。適当にターンして下った。樹林が濃い急斜面は安全策で横滑りで滑り降りた。尾根筋を下り鞍部の手前から左側の谷筋を滑り降りた。

  雪は緩んで来て重くなってきたが、谷筋の滑りは快適であった。避難小屋の手前で、先行者のトレースに付いてトラバース気味に左側の尾根筋に上がって行った。その後、尾根筋をシールを付けずにアップダウンを繰り返して進んだ。わずかな登りでも時間が架かるし疲れる。スキーを外して担いで行く場合もある。


広い谷筋を滑る                       須原尾根からやや急斜面の疎林帯を下りる     ブナの疎林帯の重い雪を滑る
    

 
   下りも他人のトレースに従わず、谷筋をもう少し下った所でシールを付けて上がるべきであった。手小屋沢の谷筋から須原尾根のアップダウンで1時間半もかかってようやく名倉沢に下る地点に到着。

   やや急斜面のブナの疎林帯を滑り降りた。グサグサの重い雪で疲れるが下りは早い。谷底に着いたら後は緩斜面のやや広い夏道沿いを滑り降りて登山口に到着。

   後片付けをして、以前何度か泊まったことがある上の原の民宿に向かった、ビールとつまみで一人乾杯。
 
GPSトラック(登りが赤、下りが青)