白馬乗鞍岳、蓮華温泉 2456m
蓮華温泉には1970年代半ばから40年以上に渡ってほぼ毎年のように3月下旬から4月上旬にかけて山スキーで訪れている。この時期はスキーでしか訪れることが出来ず静かな雰囲気が好きである。宿の温泉も露天の温泉も素晴らしい。。
平日の人が少ない時に行くことが多かったので宿主の田原さんとも知り合いになったし、同宿した人や同行した人がいろいろ思い出されて来る。3月下旬になると今年も行こうかなと思い起こす。
今年は小雪で蓮華温泉の営業開始が例年より一週間早くなったので、、RSSAの3月例会の後の3月18日に蓮華温泉に行くことにした。当初の予定ではこれまで辿っていなかった白馬乗鞍岳から乗鞍沢を滑って行くルートを考えた。しかし、予約の電話をした時に乗鞍沢は上部は急で下部の沢筋は雪が少なく危険なので止めた方が良いです。、前日にかなりの新雪が降ったので、一般ルートである振り子沢も滑りが楽しめますとの事で振り子沢を通って行くことにした。
3月18日(月) 快晴、無風
単独
登行高度:625 m、 滑降高度:980 m
栂池高原ロープウェー終点(9:20)-天狗原(10:40〜11:10)-白馬乗鞍岳(12:10〜12:50)−振り子沢1650m地点(13:45〜14:20)―蓮華温泉(14:50)
栂池高原の民宿に泊まり朝食を済ませた後、車でゴンドラ前の駐車場に向かった。ゴンドラは8時から動き出すがすでに沢山の車が停まっておりかなりの数のスキーヤーが待っていた。山スキーの準備をしてリフト券売り場に向かった。
持参の登山届を出して、ゴンドラとロープウェーの券を購入してゴンドラに乗り込んだ。天候は気象情報通り快晴で風も無く、青空が広がっていた。目の前にはこれから上がる雪を被った天狗原から白馬乗鞍岳、その左側に白馬岳、唐松岳、五竜岳が遠望された。
ゴンドラを下りてスキーを付けてロープウェー乗り場まで進んだ。ロープウェー乗り場には10人以上の人が待っていた。待っている間にスキーにシールを張った。しばらくしてロープウェーがやって来て20〜30人が乗ると動き出した。ロープウェー終点で降りた後、いつものように係りの人からスキー場外を出る際の注意事項を聞いて外に出た。
昨日はかなりの降雪があったようで新雪が積もっていたが、先行者のトレースが付いていて歩き易い。今日は月曜日だが快晴で大勢の人が天狗原を目指して上がっていた。暑くなってきてアウタージャケット、ミドルのシャツを脱いで長そでのシャツ一枚になった。
天狗原を目指して上がる 栂池ヒュッテ。向こうは唐松岳 鵯峰
最後のシラビソの木の所で少し休んだ後、スキーにクトーを付けて無立木のやや急斜面をトレースに付いて上がって行った。ダケカンバのある地点を過ぎると斜度は緩くなり天狗原に到着。ゆっくり疲れないように歩いたので1時間以上掛った。
天狗原 白馬乗鞍岳 白馬岳、唐松岳
行動食を取りながらゆっくりと休憩。風が無く暖かい。正面にはこれから上がる白馬乗鞍岳左手には白馬岳から唐松岳が遠望された。休んだ後は白馬乗鞍岳に向かってトレースに付いて上がって行った。先行者はかなりいるようで最初の人が滑り降りて来た。
途中で何名かを追い越して上がり上部の平坦な所に出た。岩とハイ松の混じった雪に覆われた山頂部を突っ切って大きな三角柱の標識がある白馬乗鞍岳山頂に到着。ここでゆっくりと昼食を取りながら休憩。その間に数名の山スキーヤー、スノーシューの登山者がやって来た。
白馬乗鞍岳山頂標識 雪倉岳 船越の頭、小蓮華山、白馬岳
風が無く暖かい。目の前には船越の頭から小蓮華、さらに白馬岳。その左側に唐松岳、五竜岳、鹿島槍ヶ岳が遠望された。反対側には焼山、火打岳から妙高山、その前には雨飾山と昨日上がった大渚山。その右側には金山と天狗原山。
焼山、火打山、手前は雨飾山、大渚山 妙高山
長い休憩の後、シールを外して滑降開始。頂上部の平坦な所は岩が出ていない右側から回り込んで急斜面の上に出た。何本かついている先行者のトレースのさらに先に向かい、ショートターンで急斜面を滑り下りて行った。比較的軽い新雪のパウダースノーが20〜30cmあり滑り易い。時々立ち止って自分のトレースを眺めながら下りたが快適な滑りは直ぐに終わってしまった。
滑ったトレース(真ん中のショートターンが自分が滑った跡) 各自が思い思いに滑った跡
蓮華温泉に向かうために左側にトラバース気味に下りて行った。先行者のグループがいて彼らも蓮華温泉に向かうとの事であった。振り子沢上部のやや急斜面もパウダースノーで滑り易い。先行者のトレースの横を適当にターンしながら滑り降りると緩斜面となった。
先行者のトレースに従って緩斜面を下りて行った。スピードが出過ぎるとトレースから外れて新雪に入りスピードを抑えて下った。沢筋は例年より雪が少ない様で沢床に入らないように注意が必要であった。
振り子沢中間部から下部にかけて
沢を乗り越えた地点で先行のグループが休んでいたが出発する所であった。自分もここで休んで長い休憩を取った。休んだ後は緩斜面を滑って沢沿いの雪を被った道路に出た。道路沿いを少し進むと乗鞍沢の橋に出た。この橋を渡る時と橋を渡り切った後のわずかな登りは宿の人が通過しやすいようにしていてくれるので助かるがいつも緊張する。
しばらく緩斜面を進んで蓮華温泉に到着。宿泊をお願いした後、ベンチに座って周囲の景色を見ながら買ったビールを飲んで至福の時を過ごした。
GPSトラック (登りは赤、下りの滑降は青)
3月19日(火) 晴後薄曇り、無風
蓮華温泉からの帰りは以下のいくつかのルートが考えられる。
1.平岩駅まで行くのが最も一般的でスキーが出来るのは木地屋までで、雪の多い時は木地屋の先の大所までスキーが可能。それから先は歩きかタクシーを利用する。
2.天狗原まで登り返して栂池高原スキー場まで戻る。
3.天狗j原まで登り返して風吹大池、蒲原山経由で北小谷まで下る。
4.天狗原まで登り返して山の神尾根経由で白馬乗鞍スキー場まで下る。
5.白馬大池まで登り返し船越の頭経由で金山沢を下り、猿倉から二股まで下るか、自然園経由で栂池に戻る。
6.白馬大池まで登り返して自然園経由で栂池に戻る。
7.白馬大池まで登り返して白馬乗鞍岳経由で栂池に戻る。
今回は当初、5の金山沢を下るルートを取ろうかと思ったが、土、日の大量降雪があり登りはきついし下りの上部急斜面は雪崩の可能性もあるので取り止めた。次の案として4の山の神尾根ルートを辿ることにした。このルートは30年以上前に一度辿った事があるだけである。かってはクラシックルートで標識が結構付いていた。土曜日のRSSAの3月例会山行でも辿ったルートである。
単独
登行高度:735 m、 滑降高度:1380 m (栂池スキー場を含む)
蓮華温泉(7:30)-天狗原(11:40〜12:25)-栂池スキー場トップ(12:50)−栂池スキー場ゴンドラ乗り場(13:20)
蓮華温泉で朝食後、準備してシールを付けて朝7時半に出発。同宿の単独行の若くて強力な方もほぼ同時に出発。この方は振り子沢を天狗原まで登り返し、白馬乗鞍岳から船越の頭まで上がり金山沢を下って猿倉、二股まで滑るとの事で、先に進んで行き、直ぐに姿が見えなくなった。
振り子沢も下部は朝早いので雪が締まっていて昨日のトレースもあり、シール歩行が楽であった。上がるにつれて雪面に陽がが当たり軟らかくなったべたべたの雪あるいは半分最中状の雪となった。
蓮華温泉ロッジ 朝の振り子沢下部 ロッジから見る雪倉岳
先行者のトレースを利用させてもらったが、登りにやや苦労するようになった。やっとのことで尾根まで上がり尾根上をトレースから外れて天狗原に向かった。上部は最中雪状態で緩斜面も進みずらい。
この雪の状態で山の神尾根コースを辿ると、苦労する割に楽しく無いと思われたので取り止めて、そのまま栂池高原スキー場に戻ることにした。そこで、天狗原で昼食を取りながら長い休憩を取った。その間に何人かの人がやtt来ては下りて行った。目の前の白馬乗鞍岳にも数名の人が上がり滑り降りてくるのが見えたが、雪の状態は昨日よりも悪そうであった。
天狗原のお社 天狗原から見る白馬岳、唐松岳方面 天狗原からの下り
長い休憩の後はシールを外して滑り降りた。最中雪状態の表面は軟らかくなって滑り易くなっていたが足が疲れる。時々立ち止って休んで上部ののやや急斜面を滑り降りて緩斜面となった。
シラビソの疎林帯を下る 栂池自然園方面 栂池ヒュッテ
栂池ロープウェーの終点からは圧雪車でコース整備された緩斜面となり立っているだけで進んでくれる。スキー場のゲレンデに入り整備されたコースを辿りゴンドラ乗り場まで滑り降りてスキーは終了。車に戻り後片付けをしてから、日帰り温泉に入り帰途に着いた。
GPSトラック (登りは赤、下りの滑降は青)スキー場ゲレンデ部分は除く