雨ヶ立山 1626m 

   今年はどこも小雪でいつまで山スキーが出来るか分からない。自宅から近い群馬県の山で今年行って見たかった山域が、宝川温泉から先の奥利根地域の山である。

   数年前だったら可能だった烏帽子山などへの日帰り往復は、歳を取って来て体力的にきつくなりとても行けない。それより近い布引山か雨ヶ立山なら何とかなるだろう。

   3月2日の土曜日は高気圧が近づいて天候は晴れだが、風が強いと言う気象情報であった。そこで、雨ヶ立山に行く計画を立てた。途中の稜線沿いで風が強すぎたら、そこで引き返せばよい。

   朝早く出るため宝川温泉に前泊することを考え電話したが満員だと断られた。序でに、日帰り温泉に入るからそこの駐車場に車を停めて良いか尋ねたら登山者などの駐車は認めないとの事であった。

   仕方が無いので手前の上の原の民宿に前泊することにして、夕方、宝川温泉に行って見た。以前、山スキーに行くときに車を停めた駐車場は宿の門をくぐった道路の先にあった。今回もこの道路と先の駐車場は除雪されており、車が入れて駐車も出来る事を確認して民宿に行った。

   当日は、気象情報に反して風も無く好天で気温が上がった。とりあえず、頂上まで行ったが、登りではシールに大量の雪玉が付着して苦労し、
下りでは道間違いを犯し登り返したり遠回りをしたりで時間がかかったが、それなりに山スキーを楽しめたのは幸いであった。。

   途中で会ったのはスノーシューの2人連れだけであった。山スキーも先行の2人連れらしいトレースが林道の先に向かっていただけであった。

   林道はトンネルを除いてスキーを外さずにかろうじて進めたが、雪解けが進んでいて随所で穴が開いており、小さなデブリや雪玉が落ちていて、例年の3月末から4月初めのようであった。
  
  3月2日(日) 晴、弱風

単独

登行高度:960 m、 滑降高度:940 m  歩行下降高度 30 m 

宝川温泉手前道路沿い(6:30)-宝川温泉先除雪駐車場(6:45)-林道沿い森林管理センター787m地点(8:10)-尾根筋1400m地点(11:10)−雨ヶ立山(12:10〜12:30)―尾根筋1425m地点(12:55〜13:10)―板幽沢谷筋を少し登り返し(985m〜997m) (13:55〜14:15)―林道908m地点(14:25)―宝川温泉手前除雪駐車場(16:15)−宝川温泉手前道路沿い(16:30)

   民宿で5時過ぎに起きだして、簡単な朝食を取り準備して朝6時に出て宝川温泉に向かった。昨夕確認してあった駐車場に向かうと、宿の先除雪された道路上には、この先は駐車禁止と書かれた標識と3角コーンが立っていた。

   仕方が無いのでU−ターンした。宿の手前の道路わきの駐車スペースには、先行の車が一台停まっていた。もう一1台停められそうだったが、先行の車の横に付けるには狭すぎて道路に少しはみ出る。

   さらに500m程戻った道路わきの駐車スペースに車を停めた。準備してスキーをザックに付けて歩いて宝川温泉の先の除雪された駐車場に向かった。結局、30分近くをロスしたことになった。駐車場からは雪が十分にあち、ここからシール歩行を開始した。

   朝方で雪が締まっており順調に進んだが、林道上では早くも雪解けが始まっており、穴が開いて居たり、崩れかかっていたり、横から落ちた雪玉やデブリが水所で見られた。

除雪された駐車場(駐車禁止に)             林道を進む                         林道上の崩れかけた雪の上を行く
     


   かろうじて雪が繋がっていてスキーで通過出来た個所も、帰りには切れていた所もあった。1時間くらい進むとトンネルに出る。スキーを外してトンネル内を進んだ。トンネル内には大きな氷柱が数本立っていた。トンネルを越えると雪の量はやや多くなった。さらに30分弱進むと雪を被った森林管理センターの施設が見えた。


トンネル内の氷柱                 雪を被った森林管理センターの施設         平坦な杉林を行く(手前は心理管理センターの施設)
    


   ここから右手前方向にわずかの急斜面を上がると緩斜面の植林された杉林となった。やや硬い雪面の杉林を登り切るとやや平坦地となりカラマツ林となった。
陽が射した来て暑くなってきた。上着を脱いでシャツとなった。


杉林の中を行く                         カラマツ林の平坦地                  ブナの疎林帯の尾根を上がる
    


   雪面は軟らかくなり数日前に降った雪が5,6cm位だろうか上に乗っていた。この雪がべたべたしていてシールの張りついて雪玉となった、重くなってきて進行も思うように行かなくなり、スキーを外して雪を落とした。シールが濡れていてすぐに雪が付く。 シールにワックスを縫ってみたが、余り効き目が無く雪玉が付いてくる。時々スキーを外して雪玉落としをやっていたので時間がかかった。

  平坦地を過ぎると正面のブナの疎林帯の尾根を上がって行った。手頃な斜度の尾根を登り切ると雨ヶ立山から続く稜線上に出た。稜線上ではやや風が出て来た。クラストした斜面とその上に5,6cm新雪が載っている緩斜面の稜線上を進んだ。


ブナの巨木                         稜線上を行く。                        雨ヶ立山まで後わずか
    
 

   気温が下がったせいか、シールの雪玉は前ほどつかず歩き易くなっていた。最後の急斜面を左から回り込んで上がり切ると雨ヶ立山の山頂であった。風は殆ど無く暖かい、それほど広くない山頂でゆっくり休み周囲の景色を眺めた。


頂上直下の霧氷                         大烏帽子山                         尾瀬の山々
    


   目の前に布引山、その奥には朝日岳から笠ヶ岳、右手には大烏帽子山、さらには巻機山や越後駒ヶ岳など。反対側には平ヶ岳、至仏山、笠ヶ岳など尾瀬の山、さらにはは上州武尊山。


白毛門から朝日岳に至る山々。手前は布引山                    巻機山など上越の山々
  


   
   シールを外して、上着を着て滑降開始。下りは基本的に登りのルートを辿ることにして、時々登りのトレースを確認して滑り降りた。稜線上は雪質も良く快適な滑りであった。稜線上の1425m地点で休憩し、行動食を取り水を飲んだ。

   休んだ後も快適な滑りは続くブナの疎林帯の中を適当にターンしながら下りて行った。途中で大きなザックを背負ったスノーシューの2人連れに会った。彼らは雨ヶ立山の適当な所でテント泊をすると言っていた。


ブナの疎林帯の尾根筋を下る              ブナの疎林帯を適当にターンしながら下る       最後は谷筋の横を林道まで下る
    


   やや平坦な所を過ぎて板幽沢沿いの左岸の尾根筋の杉林を滑り降りている時、左側に行くべき所を右側の小尾根に入ってしまった。進んで行くと板幽沢に落ち込んでいる。こんな所で無理に下ろうとすれば何が起こるか分からない。

   上を見ると、安全に沢を渡れて反対側の斜面は尾根沿いに下れそうであった。そこで、沢沿いを少し登り返してから沢を渡り、反対側のやや急斜面の杉林の中を滑りりていくと林道に出た。

   林道には朝先行した2人連れのシール歩行したトレースが付いていた。緩斜面の林道は雪が緩んでいていて滑らない。林道をk滑ったり、歩いたり、漕いだりしてようやく森林管理センターに出た。

   暑くなり上着を脱いでシャツになりスキーをヒールフリーにして殆ど歩いてようやく宝川温泉の駐車場に到着。朝は繋がっていた雪も切れている箇所があった。
スキーをザックに付けて歩いて車の駐車スペースまで戻った。
  
GPSトラック (登りは赤、下りの滑降は青、下りの最後(赤)は電池切れで誤作動))