浅間山 (東前掛山) 2450m 


   10年以上前には何度か山スキーで行っている浅間山だが、ここ数年は火山警戒レベルが2で火口から2km以内への立ち入りが禁止されていた。ところが、昨年8月に火山活動が落ち着いているとのことで噴火警戒レベルが1に引き下げになった。レベル1と言うのは火口から500m以内は立ち入りが制限されるが、それ以上なら立ち入りが可能となる。

   浅間山の外輪山である前掛山は500m制限を少し超えた所にあり立ち入りが可能になった。東面に有る東前掛山の下部の谷筋は標高差800mの素晴らしいスキールートである。自宅近くの高台から雪を被った浅間山の東面の谷筋が良く見えておいでおいでと言っているようである

   風は強いが天候は晴れだとの気象情報で2月10日に浅間山に出掛けて見ることにした。強風で無理ならば途中で引き返せばよい。

   やはり風は強かったが谷筋はそれほどでは無かった。今年は雪が少なく上部は岩や小石が出てていてとてもスキーは出来なかった。ウィンドパックされたやや硬い石交じりの雪の斜面をアイゼンを付けて東前掛山の上まで行って見た。

  下りも150m近くアイゼン歩行で下りてからスキーを付けて滑り降りた。滑りを楽しめたのは谷筋の途中から下までであった。 

 
  2月10日(日) 晴時々曇り、強風

単独

登行高度:1050 m、 滑降高度:910 m 歩行下降高度:150 m

稲の茶屋(9:00)-小浅間山との鞍部(9:40)- アイゼン装着1920m地点(11:20〜11:30)-東前掛山先2430m地点(13:20)−東前掛山2450m(13:35)―谷筋上部2315m地点スキー装着(13:55〜14:15)−谷筋下部1700m地点(14:50〜15:00)−小浅間山との鞍部(15:45〜16:00)-峰の茶屋(16:10)


   朝6時半過ぎに自宅を出て北関東自動車道、上信越自動車道を経て軽井沢ICで降り峰の茶屋に向かった。8時半頃峰の茶屋に到着。さすが、連休中で車が数台止まっていた。

   道路左の駐車スペースに車を停めて山スキーの準備をしている間に、単独行の登山者、山スキーヤーがやって来て先に行った。今日浅間山に山スキーで行ったのは自分とこの人だけであった。

  峰の茶屋から小浅間山の手前の鞍部に向かう登山道はやや幅が広い緩斜面で雪に覆われていてシール歩行がやり易い。先行のトレースに付いて進むと、先行者が忘れ物をしたと言って戻って来た。

峰の茶屋からの登山道                  鞍部から尾根筋の樹林帯を上がった所で        鞍部から見る小浅間山
    


  先行の単独行の登山者は小浅間山に向かったようでに向かって、トレースは鞍部から右側に向かっていた。浅間山へ鞍部から左手の尾根筋を上がって行った。樹林帯の中の登山道沿いには前日のトレースであろうかうっすらと付いていた。

  樹林帯を抜けると尾根筋は風が強く寒くなって来た。トレースも完全に消えていた。尾根筋の登山道は風で雪が飛ばされて石が出だしてきた。石交じりの登山道を雪を拾いながらシール歩行を進めて上がった。

  石の少ない右手の谷筋を目指して進んだが、谷筋にも石が随所に出ていた。傾斜がややきつくなり、雪面がウィンドクラストして固くなった1920m地点でシール歩行をあきらめた。ここで行動食と水を取り、アイゼンを付けてスキーを担いで歩き出した。

  固くなった雪面にアイゼンが良く効いて歩き易かったが、ここで転んだら大変と緊張しながら上がって行った。記憶にあった東前掛山への登りはもっと傾斜が緩かった。目の前のやや急な斜面を上がり切ると見覚えのあるやや広い平坦な場所に出た。ここは雪で覆われていたはずなのに岩と石だらけであった。

谷筋を上がる                         上部で雪煙が上がっている              岩だらけの東前掛山
      


  大きな岩の向こうに北軽井沢、嬬恋の集落その向こうには浅間隠山が見えた。反対側は浅間山の火口に至る斜面。左手直ぐの目の前には東前掛山。その東前掛山にはどういう訳か、スノーモービルらしい轍が付いていた。

   東前掛山横の平坦地から見る北軽井沢、浅間隠山                 東前掛山横の平坦地から見上げる浅間山火口部
     
 

 轍に沿って東前掛山に上がり、反対側の石だらけの尾根筋を途中まで降りた後、左手の雪が付いている谷筋の方に向かいスキーを履きやすい所まで降りた。

  アイゼンを外し、スキーを付けて滑降開始。岩がいたる所に出ているし雪面が固いので主として、横滑りで岩をかわし雪が吹きだまっている箇所でターンをして下った。時々ガリと嫌な音がし、スキーにはキズが一杯付いてしまった。

  石交じりの固い雪の斜面を終えて、2250m以下の谷筋は吹きだまっていた雪で適当にターンしながら快適な滑りが楽しめた。浅間山に入ったのは他に1人いたが、その人はスキーが楽しめる2200m地点までのようだったようでトレースが付いていた。

スキーを付けて滑降開始                  滑り降りた谷筋                      谷筋を見下ろす
     

   そのトレースの横を谷筋の1700m地点まで滑り降りた。谷筋を滑り終わり右手に進んだところで樹林帯に入った。


谷筋を滑り降りた2本のトレースを見上げる                         樹林帯をシール歩行で鞍部まで行く
   


ここでスキーにシールを付けてシール歩行で樹林の中の緩斜面を先行のトレースに付いて小浅間山の鞍部まで上がった。疲れていたので、このシール歩行がきつくて時間がかかった。

   鞍部でシールを外し、しばらく休憩し水を飲み行動食を取った。後は緩斜面の登山道をスピードを抑えながら峰の茶屋まで滑り降りた。後片付けをして、本日宿泊予定の北軽井沢の宿に向かった。

  
GPSトラック (後半は電池切れでトラックは消えている))