乗鞍岳 3026 m
今年は3月から高温続きで雪解けが早く、5月に入って山スキーが出来る所は東北か北アルプスなど標高の高い所に限られている。乗鞍岳はバスで上まで上がれるので簡単に山スキーが可能で、バスの終点の位ヶ原山荘から雪が繋がっている。
5月12日は好天の気象情報で今シーズン最後の山スキーに出かけることにした。麓の乗鞍高原の宿に前泊するつもりであったが、ほとんどの宿は営業を休んでいた。営業している所は満室だとの事で断られたので、前夜は三本滝の駐車場で車中泊することにした。
当日は予想通り好天で風も殆ど無く、大勢の山スキーヤー、ボーダーで賑わっていた。数日前に降った雨が上部では雪であったらしく10〜20cm前後の重い新雪がザラメ雪の上に載っていた。頂上直下のルンゼ状の谷筋にはデブリが見られた。しかしそれ以外の所はは雪崩れるのではと気になったが下部のザラメ雪との接着が良かったようで大勢の人が滑り降りても雪崩れることが無かった。
重い雪で表面がやや硬い最中雪っぽい所もあったが、今シーズン最後の山スキーを楽しむことが出来て満足の山行であった。
5月 12日(土) 晴れ後薄曇り 微風
単独
登行高度:990 m、 滑降高度:960 m 歩行下降高度:30 m
位ヶ原山荘(9:25)-乗鞍岳剣ヶ峰(11:25〜12:05)−位ヶ原上部2640m地点(12:25)―摩利支天岳直下(13:20〜13:35)−不消ヶ池(13:45〜13:50)―富士見岳(14:10〜14:25)−位ヶ原山荘(14:55)
前夜に三本滝の駐車場に着いた時は数台の車しか停まっていなったが、夜のうちに沢山の車がやって来て朝明るくなった五時には駐車場はほぼ満車状態になっていた。
位ヶ原山荘行のバスは8時45分が始発である。スキーを担いで上っている人も見られたが、ほとんどの人はゆっくり休んでいた。起きだして簡単な朝食を取り、山スキーの準備をして始発バスを待った。
3,4台のバスは観光センター発で定刻通りやって来た。大勢の山スキーヤーが乗っていた。三本滝周辺では雪はほとんど解けていたが、上がるにつれて雪の量も多くなってきた。
9時過ぎにバスは位ヶ原山荘に到着。道路を少し歩いて雪の上に出た。この辺は未だ残雪が豊富である。そのまま谷筋を上がって行ってしまったが、位ヶ原から剣ヶ峰方面は左側に行かなければならないと気付いて左手の尾根をトラバース気味に上がって位ヶ原の上部に出た。このトラバースは急斜面の所もありやや疲れた上に時間がかかった。
10人以上の山スキーヤーが剣ヶ峰を目指して上がっていた。自分も先行のトレースに従い上がった。数日前に積もった10〜15cm位の軟らかく重い雪で滑落する危険性が無い。
位ヶ原上部から剣ヶ峰を目指して上がる 下部を見下ろす 朝日岳との鞍部に到着。剣ヶ峰は目の前に
やや急斜面を朝日岳と蚕玉岳の鞍部まで上がり、稜線上を蚕玉岳を越えて少し行くと祠のある剣ヶ峰山頂に達した。何人かの山スキーヤー登山者が休んでいた。ここで行動食を取りな周囲の山々を見ながら長い休憩を取った。
剣ヶ峰の標識、後ろは御岳 頂上の鳥居、 後ろは笠ヶ岳、焼岳、穂高連峰
目の前に見える穂高連峰の眺望が素晴らしい。反対側には雪を被った御岳、中央アルプス、南アルプスの山々、さらに白山。休んでいる間に大勢の人が続々とやって来た。
頂上の祠で 焼岳、穂高連峰 中央アルプス連峰
南アルプス連峰 手前は富士見岳、後方は笠ヶ岳、焼岳 前穂高岳?
休んだ後は、山頂をわずかに下った所でシールを外して滑降開始。頂上直下の谷筋はデブリが出ていたので剣ヶ峰と蚕玉岳の間の谷筋を下りた。重い雪でやや疲れるが、時々休みながら適当にターンをして滑り降りた。
重い雪だが滑りは快適 滑った斜面を見上げる 下部になると緩斜面となる
斜度が緩んだ所で、左側にトラバースして標高2640m地点で滑降は終了。再びシールを張って摩利支天岳を目指して上がった。
滑降終了地点から滑って来たルートを見上げる 摩利支天岳にあるコロナ観測所のドーム 摩利支天岳を越えて鞍部に下る
摩利支天岳直下の尾根を越えて反対側のコルまでシールで下り、コルで少し休憩。数名の山スキーのグループが摩利支天岳から滑り降りて来た。シールを外して不消ヶ池の平原を目指して滑り降りた。
摩利支天岳の鞍部から滑り降りる 不消ヶ池周辺の平原 富士見岳を目指して上がる
その後、再びシールを張りわずかな登りで富士見岳の頂上に到着。ボーダー2人が反対方向から上がって来た。ここでも周囲の山々を見ながらしばらく休憩。真下には畳平の建物が見えた。
富士見岳山頂で 眼下に畳平の建物 鶴ヶ池
シールを外して頂上から岩と雪の混じった登山道を少し歩いて下り、雪が繋がりだした所でスキーを履いた。上部急斜面をトラバース気味に斜滑降で下り、斜度が少しゆるくなった雪に覆われた道路上に出た。
2人のボーダーが谷筋を位ヶ原山荘目指して一気に滑り降りて行った。曇り空となり気温がやや下がったためか、重い雪の表面がやや硬くなりプチ最中雪状態になりつつあった。
富士見岳上部から滑り降りる 途中のやや急斜面を滑り降りる 緩斜面の疎林帯を下りで道路上に出る
ゆっくりと時々休みながらターンを繰り返しながら滑り降りた。下部になると雪は軟らかく滑り易くなってきた。樹林の間を適当にターンしながら最後の滑りを楽しんで、位ヶ原山荘手前の道路上に出た。
スキーを担いで道路上を少し歩いて位ヶ原山荘に到着。位ヶ原山荘の周りには大勢の山スキーヤー、ボーダー、登山者が最終バスを待っていた。位ヶ原山荘発、三本滝、観光センター行きの最終バスは3時24分発で、全部で4台が出た。
3本滝駐車場で降り後片付けをした後、乗鞍高原の日帰り温泉に入り帰途に着いた。
GPSトラック(赤は登り、青は下りの滑降)