鳥海山(七高山) 2229

   今年は3月から高温続きでどこも雪解けが早い。しかし、東北の鳥海山、月山などは残雪が豊富であるとの情報で、好天が予想されたGW前半にこれらの山に行くことにした。

   鳥海山は五年以上前に祓川あるいは湯の台から2度ほど行ったが、新山の頂上から千蛇谷を七五三掛けの所迄滑った。その先の鳥越川沿いを下る中島台ルートは興味があったが、下からの往復は今の自分の体力では無理だとあきらめていた。

   山スキーMLで、チーム福島の渡辺さんが祓川から鳥海山に上がり中島台ルートを下る計画で、下部の積雪情報を尋ねていた。それに対して、何度か山スキー中にお目にかかっている宮田さんが一週間前に中島台から往復していて、下部の歩きはあるものの問題無いでしょうとの事であった。

   そこで、渡辺さんに連絡して急遽チーム福島に同行させて頂く事をお願いした所、快く了承して頂いた。前日に麓の湯の沢温泉のホテルまさかに向かい宿泊して、宿の車で登山口の祓川に送って貰い、帰りには下山口の中島台の駐車場に迎えに来てくれた。

   上部の尾根筋はやや強風、下部は雪解けで歩く距離がやや長くなったが、天気に恵まれ素晴らしい景観の中を、渡辺さん、加藤さん、桑原さんはじめチーム福島の皆さんとともにザラメ雪の快適な滑りを楽しむことが出来た。

   遅れて迷惑をかける事も無かったのでホッとするとともに、19人の大勢のグループであるにも関わらず全員の技術体力がそろっていて、ほぼ予定時間通り走破したことにチームとしてのレベルの高さを感じた。同行させて頂いたチーム福島の皆さんに感謝する。
  
  4月 29日(日) 快晴、所によって強風

 19人 (チーム福島の皆さんと同行)

登行高度:1050 m、 滑降高度:1550 m  歩行下降高度:250 m

祓川(8:15)-七高山(11:40〜12:00)−七高山下(12:30〜12:50)―七五三掛け下(13:10)−鳥越川、赤川分岐900m地点(14:30)−スキー終了610m地点(15:00)−あがりこ大王(15:25〜15:30)-中島台レクレーションの森駐車場(16:00)

   湯の沢温泉の旅館で7時前に朝食を終えた。各自山スキーの準備をして、スキーにシールを張り終えてから宿のバスに乗り込んだ。総勢、19人で全員のザック、スキーを載せるなどにやや時間がかかる。

   バスは7時20分頃出発し祓川に向かった。標高が上るにつれて道路両側の雪壁が高くなってきた。8時前に駐車場に到着。すでに沢山の車が停まっており、山スキーの準備をしている人、既に上がっている人など大勢の山スキーヤー、山ボーダーがいた。天気は快晴で心配していた風も殆ど無く、絶好の山スキー日和である。
   各自、準備をしてハイクアップを開始した。19人がそれぞれのペースで上がって行ったが、それほど大きな差がつかないのはさすがである。自分は皆さんに遅れて迷惑をかけては申し訳ないので、先頭から4,5番目に付いて行ったが、ハイペースで無くて無理なく行けたのは幸いであった。


祓川を出発                           快調なペースで上がる                 先は未だ長い
    

  頂上まで上がる途中に3回ほど小休止を取って最後尾の人が上がって来るまで待ち全員がいることを確認した。大勢の参加者がいる山行は初めての経験であったが、間違いの無いように人数確認をする必要があることを再認識した。


七つ釜避難小屋近くで休憩                  頂上目指して上がる                 登りで最後の休憩
    


   上がるにつれて風が強くなって来て、時々突風が吹いたが大きな問題にはならず、七高山の頂上に12時前に到着。頂上から滑り降りる山スキーヤー、山ボーダーを見ながら小休止。

頂上目指して最後の登り                  七高山山頂                          七高山から見た新山
      


   全員が上がり切った所で、スキーを担いで岩のごろごろした外輪山を少し歩いて新山下の千蛇谷源頭部に降りる鞍部に出た。風が強く時々あおられる。ここは以前も2回も降りた所だが、雪が完全に融けていて大きな岩が出ている急斜面となっている。

外輪山より岩の急斜面を下る               新山の下から見た千蛇谷               新山の下で全員が揃うまで休憩
    


  この急斜面を慎重に下り、新山下まで降りた。谷に下ると風は殆ど無くなった。ここから反対側のやや急な雪の斜面をわずかに登った所が鳥海山の最高峰の新山だが、本日は先が長いのでパス。千蛇谷から上がって来た山スキーヤー数名が新山を上がっていた。

千蛇谷を滑り出す                       緩斜面で広い千蛇谷上部を快適に滑る
    


   、外輪山からの急な下りを一人づつ慎重に下ったので、全員が降り切るまでやや時間がかかった。全員が下りて一息ついた後、シールを外してお楽しみの滑降。始めは千蛇谷の右岸沿いを進み、斜度が緩んだ所で広い谷筋に降りて各自思い思いにターンしながら滑り降りた。千蛇谷源頭部は固い雪の上に所々新雪がわずかに乗っていたが、雪が緩んでいて滑りには問題無い。

千蛇谷を滑り降りる                     七五三掛けから千蛇谷に下る人           千蛇谷から見る荒神ヶ岳と新山
    


    七五三掛けから千蛇谷に滑り降りたトレースが見えた。ここまでは以前滑り降りたが、此れから先がどうなっているか興味を持っていたので楽しみである。ザラメ雪の滑りでやや急だが広い斜面が続き楽しい滑降となった。

途中で小休止                         稲倉岳を見上げる
    


    左側に稲倉岳に続く尾根筋、右側に鳥海山新山、荒神岳から続く尾根筋、その間の広い鳥越川谷筋が続いて素晴らしい景観である。時々、止まって全員の人数確認をして滑り降りた。


素晴らしい景観の中の滑りが続く
      


    広い谷筋の滑降は鳥越川と赤川の分岐点になる標高905m地点までで、その後は両者の間にあるブナの林の尾根筋を小回りのターンをしながら滑り降りた。


鳥越川沿いの最後の滑り                  尾根筋に入り滑降                   ブナ林の中をショートターンで滑り降りる
    


 下るにつれてブッシュも多くなってきて、ブッシュに足を取られて一度転倒。だんだん斜度は落ちて来た。雪が消えた標高610mでスキーは終了。
 その後はスキーを担いで藪漕ぎをしながら下りた。リーダーの加藤さんの的確なルート判断で、巨大なブナの木のあがりこ大王に到着。何故、あがりこと言うのか分からないが、巨大なブナの木が根本近くからオブジェのように枝が拡がっていた。

スキーはここで終了                   アガリコ大王(ブナの巨木)                 桜が咲いている中を最後の歩き
    


  ここで、小休止をして全員の人数を確認。後はスキーを担いで所々雪に覆われた木道沿いを歩いて中島台公園に向かった。公園の駐車場には迎えの宿のバスが待っていた。

   スキー、ザックをバスに積み込みバスに乗って湯の沢温泉のホテルまさかに戻った。この後、渡辺さん始めチーム福島の皆さんにお礼を言って、車で翌日の大平からの鳥海湖周辺への山行とその後の酒田での知り合いとの面談に備えて鳥海温泉に向かった。

   今回、チーム福島の皆さんに同行させて頂き、中島台ルートを滑ることが出来た。確かに変化にとんだ素晴らしいコースであった。このルートの先導をされた加藤さん、同行を了承して頂いた渡辺さんはじめチーム福島の皆さんには改めて感謝する。

  
GPSトラック(赤は登り、青は下りの滑降、緑は下降歩行))