守門大岳  1432 m

   八年ぶりで二回目の守門大岳の山スキー行。前回は地元のHさんの先導で四人で行った。頂上は曇っていて風も強く寒かった。全体に斜度が緩く、途中まではブナの疎林帯、上部は無立木の斜面が続き、良い山スキーサイトであるとの印象があった。

   25日は新潟県中部を含め全国的に天候が良くなり、気温も高くなるが守門岳など山は風が強いとの気象情報であった。標高はそれほど高い山で無いので、雪は緩んで来るだろうし風もそれほどでは無かろう、もし強風なら引き返せば良いと考え出掛けることにした。

   朝早いうちは曇り空で上部は風が強かったようだが、9時過ぎから急速に天候が良くなり青空で風も弱くなって絶好の日和であった。気温も上がり、大勢の登山者、山スキーヤーで賑わっていた。ザラメ雪になる前の春の重い雪であったが、春の山スキーを楽しめた。

 

  3月25日(日) 曇り後快晴 弱風

単独

登行高度:1040 m、 滑降高度:1040 m  

   二分除雪終了地点(6:20)-保久礼小屋(8:05)-守門大岳(10:15〜10:50)-1388m峰(11:00)-北側尾根経由―保久礼小屋(11:45)−二分(12:30)

   前日の24日に母校の甲子園野球をテレビ観戦した後、車で家を出た。赤城ICから関越道に入り小出ICを出てしばらく行った須原の民宿に夕方到着した。以前は夜遅く現地に着いて車中泊していたが、最近は暗くなる前に現地に着いて旅館や民宿に前泊するようになった。

   宿の支払いを前の晩に済ませて置いた。朝5時に起きて簡単な朝食を取り、5時半に宿を出た。守門大岳の登山口になる二分の除雪終了地点に六時ごろ到着。既に沢山の車が道路際に止まっていた。その最後尾に車を停めて、山スキーの準備をして出発。後からも車が次々とやって来た。

   さすが、人気の山である。少し道路を歩いて進み除雪終了地点からシール歩行を開始。道路沿いを進み、雪に覆われた橋を渡るとすぐ急斜面の直登となった。スノーシュー、登山靴にアイゼン、スキーを担いだ人など混じった先行のグループが上がって行た。

    雪が適当に締まっていてグリップが良く効いて登り易かったので、スキーアイゼンを付けずにシール歩行だけでどうにかこの急斜面を登り切ることが出来た。登り切って緩斜面になった所でこのグループを追い越した。大勢の登山者、山スキーヤーが上がっているのでトレースがしっかり付いている。登山者の靴跡が沢山付いていてシール歩行はやりづらい所もある。

    初めは杉林の中を進み、次いで尾根筋を約一時間ほど進んで長峰に到着。曇り空で、守門大岳の上の方は雲に隠れて見えない。ここから緩斜面で広い尾根筋はブナ林となった。ゆっくり休まずシール歩行を続け、途中で休んでいる登山者、山スキーヤーを追い越した。逆に追い越されたのは単独行の一人と二人連れの山スキーヤーだけであった。

    緩い斜面を上がり切ってから僅かな下りで保久例小屋が見えてきた。ここまで約二時間。休む事無く上がってきたが、ゆっくりだったし雪がほどほどに締まっていたので登り易く全く疲れを感じなかった。そのまま先に進めた。

杉林の林道を行く                      長峰から見る守門大岳方面               保久礼小屋
    


    もう下山して来た人がいた。降りてきた二人に頂上まで行って来たのですか?上の状況は如何でしたか?と尋ねると上の方はガスっていて、風も強かったので途中から引き返して来たとの事であった。

    その言葉が気になったが、天候は回復する方向にあるのでそのまま進んだ。暑くなってきてアウタージャケットを脱いだ。ブナの疎林帯が終わり、無立木の広い斜面となった。その頃から急激に天候は良くなり青空も見えてきた。

緩斜面のブナの疎林帯を行く               無立木の広い尾根筋を行く                 頂上まで後わずか
    


   風も弱くなってきた。背の低いダケカンバに雪がかかり霧氷となって陽に映えている。やや急になった広い斜面を上がり切ると、守門大岳の頂上だった。10人以上の登山者山スキーヤーが休んでいた。風は殆ど無く青空で陽が射して暖かい。


陽が射して来た                        大岳から見る雲に隠れた袴岳方面          大岳から見る中津又岳
    


   周囲の景色を眺めながら、行動食を取りながら長い休憩を取った。休んでいる間も続々と登山者、山スキーヤーが上がって来た。右手には青雲岳、袴岳が見え、巨大な雪庇が張り出しているのが見えた。

   その奥には守門の山塊が見えたが、遠方は薄雲に隠れて良く見えない。、長い休憩の後はシールを外してスキー滑降開始。初めは上がって来た尾根筋をそのまま降りようかと思ったが、登山者が大勢いるし、靴跡が沢山付いて滑りづらいだろうと考えて、登山者が少ない北側の尾根筋を滑り降りて保久例小屋まで戻ることにした。幸い昨日のトレースが付いているし、先行の2人が進んでいるのが見えた。

   まず大岳から中津又岳に進んだ。大岳のやや急下りは北に面しているため、クラストしていてターンするとガリガリ音を立てたが、わずかな距離で先日の谷川岳の芝倉沢の時と比べると問題無い。直ぐに柔らかい雪となった。


中津又岳からみる守門袴岳方面              中津又岳から見る大岳                 中津又岳から滑り降りる広い尾根筋
    


   コルまで下りてトラバース気味に登って中津又岳の山頂直下に出た。ここで先行の2人に追い付いて少し話をした。2人とも地元の方でルートに付いて教えて頂いた。
  
    締まった雪はやや重く引っかかる感じであったが、背の低い疎林帯が拡がる広い緩斜面の尾根筋は滑り易い。昨日のトレースがしっかり付いていて迷うことは無い。時々立ち止りながら滑りを楽しんだ。下るにつれて雪はだんだん重くなってきた。尾根筋から疎林帯の中を谷筋まで滑り降りて少し下ると保久礼小屋に出た。

ダケカンバの霧氷が陽に映えて美しい          尾根から谷筋に滑り降りる                長峰からみる大岳
    

    後から単独行の女性が下りてきた。やはり地元の方で良く来られると言っていた。小屋の周りでは何人かの人が休んでいた。ここからスキーを外さずトラバース気味に登り切って上に出た。後は登りに取ったルートを辿って下るだけである。

    風も無く暖かい。行動食を取りながらしばらく休憩。休んだ後は尾根筋を滑り降りた。登りでやや苦労した狭い急斜面を慎重に下りると、
後は林道を除雪終了地点まで滑り降りるだけ。

    スキーを担いで少し道路を歩き車まで戻った。帰り際に日帰り温泉に入り帰途に着いた。

GPSトラック(赤は登り、青は滑降、途中は電池切れで記録が取れていない)