一ノ倉岳(谷川岳)芝倉沢 1977m 

   谷川岳方面は自宅から85kmの比較的近距離にあり、良い山スキーエリアであるのでほぼ毎年のように行っている。今シーズンは前回、熊穴沢を滑り降りた。今回は芝倉沢を滑ることにした。

   木曜日は気温が高く雨が降ったとの事である。その後気温が下がって雪面はカリカリのアイスバーンになった。日曜日は天気は良く気温が上がるとの気象情報であった。気温が高くなれば雪が緩んで来ると予想していたが、やはり雪面は固く登りはシール歩行が出来ず、アイゼンでスキーを担いで上った。

   滑り降りた芝倉沢は雪が吹きだまッた箇所は良かったが、それ以外はカリカリのアイスバーンで中間部から下部のS字部は全面的にデブリに覆われていてスキー滑降は出来ない。スキーを担いでデブリの中を歩いて下った。

   湯檜曽川沿いもマチガ沢のスノーブリッジはようやく通れたが、来週にはスノーブリッジは落ちていると思われる。土合橋近くの西黒沢もあるはずの橋が無くスキーを担いで渡渉した。

   今年は2月下旬から暖かい日があったので雪解け、雪崩が早く起こり、昨年と比べて約一か月早い感じである。
 

  3月11日(日) 晴時々曇り 弱風

単独

登行高度:670 m、 滑降高度:1250 m  

天神平スキー場トップ(8:00)-熊穴沢避難小屋(8:50)-谷川岳肩の小屋(10:30〜11:10)-谷川岳トマノ耳(11:20)-谷川岳オキノ耳(11:35)―一ノ倉岳(13:00〜13:40)−湯檜曽川沿い(15:20)-土合橋((16:00)--谷川岳ロープウェー駐車場(16:20)

   朝4時半に起きて簡単な朝食を取り、5時に自宅を出た。赤城ICから高速道路に乗り水上ICを出て6時45分に谷川岳ロープウェー駐車上に到着。すでに沢山の車が停まっていた。今日の丹川岳ロープウェーの営業は7時からである。山スキーの準備をして、登山届を出して、天神平に上がるくロープウェーの片道切符を買ってロープウェーに乗ったのは7時20分頃であった。

   天神平スキー場に到着すると既に谷川岳方面に上がっている人が結構大勢いる。天神峠に上がるリフトも動き出していたので、リフト券で上がった。

   天神峠から尾根筋を滑り降りたが予想以上に雪面が固い。スキー場から離れる地点でスキーを外してスキーを持って少し歩いて行った。谷川岳方面に行く広い尾根筋を下ったが雪面が固い。慎重に滑り降りた所でスキーにシールを張りクトーを付けた。わずかにシール歩行を行った後、いつもの急斜面の手前でシール歩行を止めた。アイゼンを付けてスキーを担いで急斜面を下った。

   その後はアイゼンを付けたまま歩行を続け熊穴沢避難小屋に出た。一か月前より雪はは減っているが、まだ小屋の上に煙突が出ているだけである。谷川岳方面はガスに覆われていて見通しが効かない。

   正面の急斜面をシール歩行で上がっている山スキーヤーは雪面が固いため、クトーを付けているにもかかわらず苦労している。スキーを外してアイゼン歩行に切り替えていた。

熊穴沢避難小屋の煙突                    熊穴沢避難小屋から上がる              肩の小屋
    

   雪面は固いがアイゼンの効きが丁度良い。急斜面で転んだらただでは済まないと思うと緊張する。結局、本日は登りはアイゼンで歩行するのみでシール歩行は出来なかった。

   大勢の人が上がっていたがほとんどが登山者で、山スキーヤー、山ボーダーは少ないようであった。途中で下っている登山者のグループの人にもう頂上に上がって来たのですかと、尋ねるとガスが出ているし雪面が固いので途中で引き返して来たとの事であった。

   ほぼ同時に上がっていた山スキーのグループは芝倉沢を滑る予定であると言っていた。芝倉沢も雪面が固いと恐ろしい思いをしなければならない。ガスが取れて気温が上がってくることを期待して、少しペースを落として上がって行った。

  ガスが立ち込めている中を上がって取り敢えず、肩の小屋で休んで様子を見ることにした。肩の小屋の中に入り行動食を水を取りながら長い休憩を取った。中には4人連れのボーダーが休んでいた。彼らは天神尾根から熊穴沢を滑ると言っていた。

トマノ耳を目指して上がる                   トマノ耳                         大勢の登山者でにぎわうオキノ耳
    


  休んでいる間にガスが取れて陽が射して青空が見えてきた。風もほとんだ無く暖かくなってきた。小屋からスキーを担いでアイゼン歩行で谷川岳山頂のトマノ耳を経てオキノ耳をに上がった。

  オキノ耳には大勢の登山者が休んでいた。マチガ沢を上がって来たクライマーもいたようであった。ここから一ノ倉岳方面に進む山スキーヤー、登山者も何人かいた。

  自分も一ノ倉岳方面を目指して進んで行った。アイゼンは良く効くのだが、雪面が固いので急斜面では緊張する。どうにか、谷川岳からの稜線を通過し、一ノ倉岳手前の鞍部に出た。

稜線上から見る一ノ倉岳                   一ノ倉岳からみる武能岳              一ノ倉岳からみる谷川岳
    


  ここで先行の山スキーヤーが休んでいた。自分もしばらく休んだ後、最後の登りを終え、ようやく一ノ倉岳に上がった。ほぼ同時に上がった山スキーヤーはグループ連れ、2人連れ、単独行などで全部で10人くらいだろうか。後から単独行の一人もやって来た。

茂倉岳                            万太郎山、仙の倉山                 白毛門、朝日岳
    


  風も殆ど無くガスも取れて比較的暖かい。ここで昼食を取りながら周囲の山々を見ながら長い休憩を取った。休んでいる間に皆がスキーを付けて滑り降りて行った。芝倉沢も雪が吹きだまっている滑り易い所もあるようであった。


茂倉岳と芝倉沢                         芝倉沢上部を仰ぎ見る              芝倉沢下部を見ながら滑り降りる
    


  ほとんどの人が左手の急斜面だが雪が吹きだまっている所を滑り降りて行った。自分はそれとは反対の右側の斜度が緩い所を進んで行った。ところが、こちらは雪面がカリカリで堅い。慎重にスピードを落としてショートターンを繰り返しながら下りたが、ターンするごとにガリガリ音が出て足が疲れる。

  安全そうな所から左側に向かい芝倉沢の中央部に向かった。こちらは吹き溜まりの雪が残っていて滑り易い。所々風で雪が飛ばされている所あったが、最初から皆と同じように左側の方を取るべきであった。

デブリで覆われたノドからS字谷             芝倉沢右俣もデブリで覆われている          デブリで覆い尽くされた沢沿い
    


  だんだん斜度も緩んできて快適斜面が続いた。ノドからS字部分に入ると全面的にデブリに覆われていた。芝倉沢右俣もデブリで一杯だった。いつもは端の部分を通り抜けることが出来たのに今回はそれも出来ない。仕方が無いのでスキーをザックに付けて担いで歩いた。先行者の一人がアイゼンを付けてスキーを担いで歩いて下っていた。

   まだ、3月11日なのにこれほど沢山のデブリが出ているのは驚きであった。昨年の4月14日よりひどいデブリ状態である。ようやくデブリ帯を抜けたを抜けた所で、スキーを付けた。このデブリ帯の歩きのお蔭で結構時間がかかった。

   後は先行のトレースに従い湯檜曽川沿いの緩斜面を滑り降りるだけ。マチガ沢出会いのスノーブリッジもどうにか通過できた。あと一週間もすればこのスノーブリッジも渡れなくなるだろう。

湯檜曽川沿いの疎林帯を滑り降りる            マチガ沢出合のスノーブリッジ                西黒沢出会いを渡渉
    


   土合橋手前の西黒沢もスノーブリッジが無くスキーを担いで渡渉した。さらに、土合橋直前の登山道も横からの雪崩でデブリに覆われていた。いつもよりかなり時間がかかってようやく土合橋に到着。

  スキーを担いで、疲れた足で駐車場ビルに戻り下山届を出して本日の山スキーは終了。途中で日帰り温泉に入り帰途に着いたが、水上ICから高速道路の渋滞が始まっていた。


GPSトラック(赤は登り、青は滑降)