平標山 1984m 

   平標山方面はほぼ毎年のように行っているが、今シーズンは今回が初めてである。前日の3日に続いて天候も良く気温が上がるとの気象情報であった。気温が高くなれば雪が緩んで来ると予想していたが、木曜日に気温が高く雨で、金曜日は気温が低く風が強く雪が降ったとの事である。

   昨日も気温が高かったはずであるが、朝方は中間部以上は雪が固い。稜線上では積もったはずの雪も飛ばされていて固い雪面であった。アイゼンやスキーアイゼンを持って行かなかったので登りで苦労し、途中でスキーを担いで上った。

   当初は北西面のユウガイヒト沢を滑る予定であったが、駐車場で朝お目にかかった鷹嘴さんの北面は固い雪で苦労するので南面で雪が緩んだところを滑る方が良いでしょうとの情報もあり、上部は南面の笹穴沢沿いを滑り、途中からトラバースして平標山の家に向かい林道を経て戻ることにした。

   このルート選択は正解で上部は表面の雪が緩んだ状態で快適な滑りであった。山の家から下る中間部以降は樹林帯を滑り降りたが重い雪となっていた。当日は朝から青空で上部は風が弱く暖かくまるで4月の春スキーのようであった。
 

  3月4日(日) 晴 微風

単独

登行高度:1020 m、 滑降高度:1020 m  

火打峠元橋(7:00)-平標山(11:45〜12:25)-笹穴沢経由-平標山の家(12:55〜13:05)-林道経由-元橋(14:15)

   前夜は近くの旅館で素泊まりにしてゆっくり休んだ。朝6時前に起きて簡単な朝食を取り、6時半前に宿を出た。トンネルの横の火打峠の道路沿い駐車スペースに6時半に到着。すでに沢山の車が停まっていた。山スキーの準備して待っている間にも次々に車がやって来た。平標山に出掛ける登山者、山スキーヤー、山ボーダーで、さすが人気の山である。

  2,3台先の車には偶然に鷹觜さんがおられて挨拶し少し話をした。昨日は仙の倉山からイイ沢を滑ったが、稜線上は雪が固く苦労されたとのこと。北西面は今日も固いので注意が必要で、本日行こうかと思っていたユウガイヒト沢はあまり面白く無く、南面の方が良いでしょうとの事であった。


トンネル横の駐車場は満車状態               朝の平標山                         ヤカイ沢
    


   彼も南面を滑る予定で、同行のMさんを待っているとのことであった。いずれにしても山頂にに上がって様子を見て下るルートを決めることにした。お先にと言って山スキーの準備して出発。別荘地に通ずる道路は雪が無くスキーを担いでゆっくりと歩いて進んだ。

   別荘地を過ぎた所でシールを張り林道沿いを進んだ。昨日及び本日のトレースが一杯付いていた。先行のトレースの多くは林道沿いにに向かっていたが、適当な所で左手の樹林帯の中の切開きがある緩斜面を上がった。確かに雪面は固い。

   途中でヤカイ沢を見上げる切開きの所で暑くなりアウターを脱いだ。ゆっくり歩いたので何人かの人に追い越された。ヤカイ沢から右手に上がって行くとだんだん斜度がきつくなる。

   右手に上がって行ったが雪面が固い。さらに固い雪面の上に新雪が少し載っている状態で登りがきつくなった。男女3人連れのグループに付いて上がったが、途中でシール歩行を諦めてスキーをザックに付けて急斜面を稜線まで上がった。

   やや斜度が緩くなったので再びシール歩行に切り替えた。いつも、休憩する大きなダケカンバの木の横を通り過ぎた。これからさ先は平標山に続く稜線までやや斜度がきつくなる。雪面は固い。10人ぐらいの登山者のグループが上がっていた。再びスキーをザックに付けて彼らの足跡を付いて壺足で上がった。

平標山に続く稜線を目指して壺足で上がる         稜線上に出て一休み                  平標山まで後わずか
    


   ようやく上がり切った所で先ほどの3人連れもスキーを担いで上った所だった。これから先の平標山に続く尾根筋は雪面は固いが斜度は緩いのでシール歩行に問題無い。しばらく休んでいると、鷹觜さんと同行者の宮本さんがやって来られた。お2人ともクトーを付けてシール歩行で上がり切ったとの事であった。やはり今日みたいなときはクトー(スキーアイゼン)は必要であると痛感した。

  彼らも3人連れも先に行った。今日は一人で誰に気兼ねせずにゆっくり行ける。10人ぐらいの登山者のグル―プが下りてきた。シール歩行を続けてようやく平標山に到着。いつもより少し時間がかかった。山頂には大勢の人がいた。山頂近くはブッシュが出ており、仙の倉方面もブッシュが出ており雪が少ない。



頂上の標識と苗場山、神楽ヶ峰              仙の倉山                         谷川岳、朝日岳、後ろに武尊山
    


  天気快晴で風も殆ど無く暖かい。周囲の山々を見ながら長い休憩を取った。鷹觜さんと宮本さんは笹穴沢で無く稜線を下り平標山の家近くから林道を下りて戻るとの事で頂上から滑り降りて行った。


巻機山方面                         遠くにかすんだ浅間山                   西ゼンの沢
    


  長い休憩の後、シールを外して笹穴沢方向に滑り降りた。ノートラックの斜面で、固い雪面が陽に照らされて緩んでいて非常に滑り易い。適当にターンして降りたが、登り返しがきつそうなので、適当な所で右手にトラバース気味に滑り降りて行った。

  尾根状の上に上がると谷を挟んで向こう側の斜面に2本のトレースが付いていた。鷹觜さんと宮本さんのトレースのようである。そのトレースに従って行けば林道に出られるだろう。そのトレースに向かうために尾根を標高差で30m位上がった。そこからトラバースをしてトレースに合してそのまま山の家まで滑り降りた。


滑り降りた笹穴沢見上げる                 平標山の家よりみる平標山              ブナの疎林帯を滑り降りる
    


  山の家はもちろん冬季休業だが、立派な山小屋である。風も無く暖かいのでしばらく休憩し行動食を取った。スキーを付けて山の家から少し進んだ稜線上から広い谷筋を滑り降りた。雪は緩んでいたが、ブナの疎林帯は滑りやすい。樹林帯を適当にターンして下って行った。
先行のトレースがいくつか付いていた。降りるにつれて雪がだんだんが重くなって来た。

  下部で、朝及び山頂でお目にかかった3人連れが休んでいた。挨拶をして通り過ぎて直ぐに林道に出た。後は林道上に付いたトレースを辿って滑り降りて別荘の道路終了地点に達した。そこからトレースに従い路肩を少し滑り降りたが、途中でスキーは終了。先ほどの3人連れが下りてきた。

  スキーを担いでわずかな歩きで駐車地点に戻った。朝方、あれほど沢山停まっていた車も半分以上がいなかった。後片付けをして3人連れにお礼を言って帰途に着いた。途中の満天の湯で汗を流し帰宅。久しぶりに天候の良い日曜日で高速道路の沼田、赤城間で渋滞が始まっていた。


GPSトラック(赤は登り、青は滑降)