巻機山 1964m 

   至仏山への登山口である鳩待峠への道路が22日から開通するとの事で、当初は開通直後の月曜日に行こうと計画していたが、道路の開通は29日まで延期となった。24日の月曜日は好天との気象情報であった。鳩待峠までの林道歩きはつらいので、代わりにこの時期でも山スキーが楽しめる巻機山に行くことにした。

   巻機山は山スキーを始めるようになった45年以上前に行って以来これまで10回以上行っている。楽に日帰り可能な所だが、歳を取るにつれてきつくなって来た。そこで、時間がかかってもゆっくり行けるように、早朝に出発するために登山口で車中泊して行くことにした。

   やはり、数年前の記録と比べても時間はかかっているし、暑かったせいもあるが登りで疲れた。また、下りの最後の米子橋手前で少し道迷いをして回り道をしてしまった。それでも、好天に恵まれ山頂まで上がれてザラメ雪の滑りを楽しむことが出来たのは幸いであった。

  
  4月 24日(月) 晴れ 微風

 単独
登行高度:1350 m、 滑降高度:1350 m 

清水集落手前国道沿い(5:20)-5合目展望台(7:55)−にせ巻機山(9合目)(10:00)-巻機山(10:50〜11:35)-にせ巻機山(12:00〜12:10)ー割引沢沿いに降りて時間のロス(12:50〜13:30)-清水国道沿い(13:50)

   清水集落手前の道路際の巻機山登山口で車中泊。夜は周囲には灯りが無く天の川を見ることは出来なかったが、満天の星で久しぶりにきれいな星空を眺めることが出来た。

    朝明るくなり出した4時半に起床。簡単な朝食を取り、山スキーの準備をして5時20分に出発。ちょうど、単独行の登山者がやって来た。道路際からシール歩行が可能であった。早朝で雪面は固くやや凸凹して波打っている所もあるが歩き易い。昨日のトレースに従って緩斜面を進んだ。暑くなってきてアウターを脱いだ。

    二子沢川に架かる橋は雪が解けていたため、スキーを外して歩いたが、そこ以外はずっとシール歩行が可能であった。米子橋を渡って登山道に沿って左側を撒いてから、出来るだけ傾斜の緩いラインを取るようにして尾根に上がった。後は、やや樹林が密生している尾根筋を上がって行った。

米子沢橋、後ろはにせ巻機山               木が密生している井戸の壁を上がる            尾根筋から米子沢を見る
    


    傾斜がきつくなる井戸の壁の手前でシール歩行を止めて少し休憩。ここで、アイゼンを付けスキーを担いで井戸の壁を前日のトレースに着いてほぼ直登。雪が締まっていて歩き易いがややきつい。

    井戸の壁を登り切った尾根筋に到着。目の前の米子沢は上部はきれいだが下部はデブリで覆われていた。ここで、アイゼンを外し、再びシール歩行に切り替えた。陽がさしていて暑い。上着のシャツを脱いで一枚だけとなった。それでも歩き出すと暑い。

    ブナの疎林帯の尾根筋を上がり切ると、無立木の広い斜面になる。目の前にはにせ巻機山が見える。緩斜面の尾根筋を上がり切ると、にせ巻機山直下の急斜面となる。

    ここで右側に取り急斜面を上がり切ってにせ巻機山から続く尾根筋に出た。にせ巻機山に上がる尾根筋は疲れてペースが落ちてきた。ここで、後続の単独行の山スキーヤーに追い越された。この人以外に急斜面を直登した単独行の登山者が先に進んで行った。


無立木の広い尾根から見るにせ巻機山          にせ巻機山(9合目)                   にせ巻機山から見る巻機山方向
    


   ようやくにせ巻機山に到着。しばらく周囲の景色を見ながら休憩した後、巻機山へ至る鞍部までシールを付けたまま滑り降りた。ここから緩斜面をハイクアップ。疲れたので最後のやや急斜面にある手前で休んで行動食を取った。

   途中でで追い越された単独行の登山者が下りてきた。休憩して元気が出た。わずかな登りで巻機山頂上に到着。頂上周辺は雪が解けていて草が出ていた。風も無く陽がさしていて暖かい。


                 巻機山山頂から見る、柄沢山、大烏帽子山、大源太山、谷川岳。下は米子沢源頭部
                

  途中で追い越された先行の山スキーヤーが休んでいた。この方は、札幌の人でフェリーで小樽を経由して新潟まで来て上越の山の山スキーを楽しんでいるとの事であった。

柄沢山、大烏帽子山、朝日岳               苗場山、神楽峰                       越後三山をバックに
    

   周囲の山々眺望を見ながら、昼食を取りながら長い休憩。先日上がった谷川岳、大烏帽子山が柄沢山の向うに見える。先行の山スキーヤーが滑り降りた。代わりに大きなザックを背負った5人連れが反対方向からやって来た。彼らは白毛門、朝日岳、柄沢山を経由して2泊3日でここまでやって来たとの事であった。

武尊山、後ろは日光白根山                燧ヶ岳、至仏山                        割引岳
    

   長い休憩の後はシールを外して滑降開始。緩斜面を鞍部まで快適な滑り降りを楽しんだ。この間に数名のスキーヤー、登山者が上がっていた。鞍部からはスキーを担いでにせ巻機山まで歩いて上がった。この登りもわずかだが暑くてきつかった。

   にせ巻機山で少し休憩した後。楽しみの滑降。ザラメ雪で、一部がフィルムクラストとなっていて滑り易い。緩斜面の尾根筋から急斜面を下ると、広い緩斜面の無立木の尾根筋を滑り降りた。登りで苦労した斜面も快適な下り。

にせ巻機山から滑り降りる                                                   無立木の広い尾根筋斜面
    

   ブナの疎林帯を滑り降りると、井戸の壁に達した。斜面が急な上に木が密に生えている。おまけに木の周囲は雪が解けている。慎重に横滑り、ショートターンを交えて滑り降りた。

   途中から木の密生が少ない右側側斜面を滑り降りて緩斜面に達した。ここで左側に回り込むべきだったが、そのまま進んでしまい進行方向が分からなくなった。少しうろうろした後、目の前の沢筋に降りてしまった。割引沢が二子沢川に合流する手前で沢沿いから米子沢橋まで少し登り返さなければならない。

   しばらく休んで行動食を取った後、スキーを担いで出来るだけ岸側の沢沿いを登り返して橋に到着。わずかな距離だが疲れた。雪が解けた橋を渡って対岸に出た。後はスキーで緩斜面を滑らせて国道沿いの登山口に出て本日の山スキーは終了。日帰り温泉い入り帰途に着いた。

   登山口では、避難小屋付近から引き返したと言う二人の登山者が帰る準備をしていた。彼らは巻機山に山スキーでも30年前から良く行ったが、最近は井戸の壁の密生している立木が大きくなり、また増えて、この時期は滑りを楽しめなくなってきたと言っていた。

  
GPSトラック(赤は登り、青は下りの滑降)