谷川岳、一ノ倉岳 (芝倉沢) 1974m 

   同じ桐生市内に住んでいて、年齢もほぼ同じ70代のKさんと過去に何回か山スキーで同行していた。Kさんは脳の外傷、腰痛、膝の疾患などで2013年から山スキーが出来なくなっていた。それでも、治療後の懸命のリハビリの結果、山スキーが出来る状態まで復活したと伺った。高齢になっても意欲を持ってやり、復活を遂げたのは素晴らしい。

   そこで、好天が期待された16日にKさんと一緒に谷川岳に行くことにした。とりあえず谷川岳の頂上まで上がり、Kさんの体調が良ければさらに一ノ倉岳まで行き芝倉沢を滑る.体調が余り良く無いようだったら天神尾根を引き返して熊穴沢を滑ることにした。

   好天で暖かく風も殆ど無い絶好の条件で、Kさんは谷川岳に上がった時は体調が悪く無いようであったが、その後の一ノ倉岳へ向かう稜線歩き、一ノ倉岳のやや急斜面の登りで疲れが溜まり、また、足がつったようで時間がかかった。

   芝倉沢上部の滑りはザラメ雪で快適であったが、中間部以降はいたる所にデブリが出ていてデブリを避けながらの滑りとなった。、湯檜曽川沿いの緩斜面でKさんはばててしまったようで、途中休みながら進んだが時間がかかってしまった。

   それでも、明るいうちに土合橋まで到達して無事に山スキーを楽しむことが出来たのは幸いであった。御疲れさまでした。
  
  4月 16日(日) 晴れ 微風

 同行者2名(桐生のKさんと)

登行高度:660 m、 滑降高度:1280 m 

天神平スキー場(7:30)-熊穴沢避難小屋(8:40〜8:55)―谷川岳(11:00〜11:20)−一ノ倉岳手前鞍部(13:00〜13:25)―一ノ倉岳(14:10〜14:30)―虹芝寮(15:55)―土合橋(17:30)

   土合駅近くで車中泊し、朝5時半に起きて簡単な朝食を取り、6時過ぎに谷川岳ロープウェー駐車場に向かった。ロープウェー手前の田尻沢コース下山口で、偶然にRSSAの強力若手グループに出会った。彼らはこれから田尻沢コースをシール歩行で天神平まで上がった後、谷川岳から万太郎越えをするとの事であった。

    自分は駐車場ビルに入り、山スキーの準備をしてロープウェー切符売り場に向かった。ロープウェーは日曜日で7時に営業を開始する。切符売り場には既に10人近い人が並んでいた。やはり、山スキー客より登山者の方が圧倒的に多い。Kさんもしばらくしてやって来た。

   切符売り場が開いた7時前には大勢の登山客が並んでいた。片道切符を買ってロープウェーに乗りこんだ。今年は雪が多そうで、西黒沢、田尻沢はまだ雪が十分にあり、下までスキーで滑り降りることが出来るのを確認した。

   ロープウェーを下りてシールを張っていると、先ほど下で合ったRSSAの若手グループとロープウェーで上がって来たメンバーが先に行った。万太郎越えをして土樽3時台の電車に乗る予定だとの事でハイペースで進んで行った。


これから上がる谷川岳                    白毛門から笠ヶ岳、朝日岳                 熊穴沢避難小屋は完全に雪に覆われている
    


   Kさんとゆっくりとシール歩行でやや急斜面を上がって行った。大勢の登山者が横を上がって行った。斜面を上がり切ると緩斜面の尾根筋になる。シールを滑らして登山者のグループを追い越したり追い越されたりしてゆっくりと進んだ。

  いつもの急な崖の手前でスキーを外して歩いて下りた。しばらく進むと熊穴沢避難小屋に出た。小屋は完全に雪に覆われていて煙突だけが出ていた。大勢の登山者が休んでいた。ここでしばらく休憩。

  目の前は急斜面の尾根筋で、スキーを担いで歩くことにした。Kさんはクトーを付けてシール歩行を続けた。Kさんが少しづつ遅れだして来たので、ゆっくり歩き途中で何度か立ち止まった。天狗の踊り場でしばらく休憩。その後はゆっくりとシール歩行。早くも2人がスキーで上から滑り降りてきた。

谷川岳(トマの耳)頂上で                   オジカ沢の頭から万太郎山               オキノ耳から一ノ倉岳      
    

  Kさんは疲れた様で肩の急斜面の手前でしばらく休憩した後にハイクアップを開始。肩の小屋が見える所で待っていると、意外に調子よく上がって来た。そのまま谷川岳頂上に到着。

遠くに苗場山、神楽峰                      尾瀬の山々、至仏山、燧ヶ岳               四の沢、天神平方面
    


  頂上付近は完全に雪が解けていた。大勢の登山者がいたが、スキーやボードを持っている人はあまりおらず、芝倉沢まで行く人は10名もいないようだ。
 
肩の小屋                            オキノ耳、マチガ沢                      白毛門、笠ヶ岳、朝日岳
     

  陽がさして風も無く暖かい。行動食を取り周囲の眺望を見ながらしばらく休憩。Kさんは休んだせいか体調が良いとの事で、一ノ倉岳から芝倉沢まで行く事にした。

  初めはシールを外してトラバース気味にスキーで一ノ倉岳手前の鞍部まで行こうとしたが、稜線周辺の雪解けが進んで多くのブッシュが出ていて滑って行くのが難しそうっだったので、稜線沿いに歩いて行くためにアイゼンを付けた。スキーを担いで先行のトレースに従って進んで行った。

  アップダウンを繰り返してやっと一ノ倉岳手前の鞍部に到着。Kさんは疲れて足が痙攣しだしたようだった。そこでしばらく休憩し痛みが引いたところで、一ノ倉岳に上がる急な斜面をゆっくりと進んだ。

一の倉岳に向かう稜線上の鳥居             一ノ倉岳から見る茂倉岳、芝倉沢上部          武能岳、七つ小屋山            
    


  どうにか急斜面を上がり切って一ノ倉岳に到着。後は下りのみなので一安心。目の前の芝倉沢、右手に谷川岳、さらに万太郎、平標、仙の倉山、反対側には白毛門、朝日岳から巻機山、遠くには尾瀬の山々、上州武尊山など周囲の山々を眺めながら休憩。


谷川岳をバックにKさん                     芝倉沢、後ろは武能岳、大源太山              滑降開始
    


  シールを外して滑降を開始。上部急斜面はザラメ雪で滑り易い。適当にターンを繰り返しながら時々休んで写真を撮りながら滑り降りた。

快適急斜面の芝倉沢上部                    芝倉沢上部を滑る
    


  快適上部斜面を通り過ぎて、中間部から下は右側斜面からのデブリで覆われていた。デブリを避けながら滑り降りた。その後も次々とデブリが現れてきた。

芝倉沢中間部を滑る                                                            朝日岳方面を見ながら滑り降りる
    

  中には今日落ちたと思われる新しいデブリ、全層雪崩れによる大きなブロック、大きな雪玉などが見られた。これまで何度か芝倉沢を滑り降りたが、今回がデブリが一番多かった。デブリを避けながらの滑りは時間がかかる。

左側斜面からのデブリ                   右側斜面からもデブリ                     デブリだらけの芝倉沢下部を行く                     


  ようやくデブリ帯を通り過ぎると緩斜面となり、紅芝寮を経て湯檜曽川沿いの林間コースを進んだ。マチガ沢出会いは雪が完全に溶けていて急な流れを渡渉するのは危険。先行トレースも引き返していた。

 デブリだらけの芝倉沢下部を抜ける           雪崩地帯を出て白毛門を見上げる             湯檜曽川沿いの緩斜面を行く
    

  我々も引き返して少し山側に上がり、上流側に残っているマチガ沢のスノーブリッジを渡り対岸に出た。ここでしばらく休憩。後は緩斜面を滑らせて土合橋から除雪が入った終点でスキーは終了。デポしてあった運動靴に履き替えて谷川岳ロープウェー駐車場に戻り車を回収した。駐車場ビルは人気が無かった。

写真の一部はKさんが写したものです。


  
GPSトラック(赤は登り、青は下りの滑降、芝倉沢中間部はGPSの誤作動では無いかと思われる)