平標山  (1984m)

   このところ、上信越の山々は荒天で山スキーに行ける状態で無い日々が続いている。その中で16日の木曜日は高気圧に覆われて全国的に晴れの気象情報であった。寒気も無く気温も高めであるとの事。

   こういう好天気のチャンスを利用して今年は未だ行っていなかった平標山に出掛けることした。退職しているので、気兼ねなくウィークデーでも行ける。

  当初は二居の民宿旅館に前泊するつもりだったが週末以外は営業をしていませんとの事で断られたので、二居の駐車場で車中泊した。夜空にはには星も見え、放射冷却で結構冷えた。

  気象情報通り好天気で、稜線以外は風も無く暖かいが人は少ない。静かな山スキーを楽しむことが出来た。

  
2月16日(木) 晴れ、微風

   単独

登行高度:1200 m、 滑降高度:1200 m
火打峠(6:30)-平標山(10:30〜10:50)−西ゼン1740m地点(11:00〜11:25)−尾根筋1950m地点(12:20〜12:30)−ヤカイ沢1410m地点(13:00〜13:20)−火打峠登山口(14:05)
   

  
  朝6時前に起きて、簡単な朝食を取り火打峠のスノーシェッド入口の駐車スペースに到着。さすがに車は一台も停まっていなかった。山スキーの準備をして6時半に出発。小学校跡の横を通り抜け、別荘地に通じる道路に出た。

  道路は車が通った後があり圧雪されていてシール歩行を順調に進めた。別荘地を過ぎると平標山に続く登山道に出る。前日のものと思われるスキーのトレースが着いていた。2,3人が上がったのだろうか。

  トレースに付いて登山道を上がり、橋を越えた先で左側のヤカイ沢の方に向かった。トレースはそのまま登山道を進んでおり、ヤカイ沢の方に向かうトレースはほとんど見えなくなった。樹林帯の中の雪は軽くせいぜい足首程度の雪でラッセルと言うほどで無い。所々で先行のトレースが半分雪に埋もれて見えた。正面にはこれから行く平標山とヤカイ沢が見えた。

ヤカイ沢下部から見る                                       平標山とヤカイ沢
   


  順調に歩を進めてヤカイ沢から離れて右側の谷筋を進んだ。だんだん傾斜はきつくなって来た所で一休み。出来るだけ傾斜が緩い右側に向かい尾根筋近くになって左側に向かった。

  途中の見慣れた大きなダケカンバの木の所で休憩。行動食のおにぎりを食べ水を飲んだ。雪面はクラストしてきてやや硬くなってきた。おまけにやや急斜面となる。ジグを切りながらこのやや硬い斜面を上がり切ると尾根筋に出た。

  雪面は風でクラストしてやや硬いが傾斜は緩い尾根筋が山頂まで続く。幾つかの先行トレースが着いていた。向かう正面には平標山、右手に仙の倉山、尾根の下部には平標の小屋が見えた。風はややあるものの微風である。

尾根の手前で見る                                     平標山山頂の標識、右手遠方は苗場山と神楽峰
   


  未だか未だかと思って上がってるうちに頂上に到着、今回は登りでほぼ4時間かかった。頂上はやや風が強いもののいつもと比べたら微風である。比較的暖かく誰もいない頂上で周囲の山々を見ながらしばらく休憩。

上越の山々                                            仙の倉山
   


谷川岳                                             平標山山の家に至る稜線、向こうは大源太山
   


  シールを外して北東側に西ゼンを滑り出した。頂上近くはウィンドクラストして波打っている。やや硬い雪面であったが滑るには問題無い。少し下ると滑り易い斜面となった。パウダースノーでほどほどの斜度の快適な滑りが続いた。余り滑り過ぎると登り返しがつらいので、斜度が緩くなった台地状の所で滑りは止めた。


西ゼン上部を滑る                                        
    


  それから少し先は西ゼンの核心部の急な谷筋となる。風も無く暖かい。ここでも行動食と水を飲みながら長い休憩を取った。

西ゼン上部                                          西ゼン下部を見下ろす
   


  シールを付けてハイクアップを開始。ややつらい登りであったが稜線に到着。稜線は風が吹いていた。シールを外してスキーを開始。当初はクラストした斜面でやや硬く波打っていた。こういう条件ならまず、雪崩は無いだろうとヤカイ沢を下った。固い斜面は直ぐに終わり、だんだん雪は軟らかく重くなってきた。


ヤカイ沢を上から見る                                       ヤカイ沢中間部から見下ろす
   



  南西面に面しているヤカイ沢は陽がさしていて暖かい。雪は湿った粘着力のある重い雪で雪崩の恐れは少ない。時々休みながらターンを繰り返し急斜面が終わったダケカンバの木の近くの安全地帯で昼食を取りながら長い休憩。

  後は緩斜面のヤカイ沢下部の樹林帯を滑り降りた。重い雪で足がつらく2,3度転んだ。この辺から本日下ったと思われるトレースが2,3本付いていた。ヤカイ沢左岸の尾根を滑り降りたのだろうか。

ヤカイ沢下部から見上げる                                  滑って来たヤカイ沢上部を見上げる
      


  樹林帯を越えて林道に出た。ヒールフリーにして踏み固められた林道、別荘地内の道路を滑り降りて火打峠の駐車地点に戻った。偶然、山スキーで以前何度かご一緒したYさんがいた。彼も別ルートで平標山に上がったとの事でしばらく話をして別れた。

  後は日帰り温泉に入って帰途に着いた。

GPS トラック (赤が上り、青が下りの滑り)