武尊山(家の串) 2103m

   武尊山は自宅から高速を使わずにスキー場まで70km、1時間40〜50分で行けるので、毎年一度は山スキーに訪れている。

   29日の日曜日は前日に引き続いて天候良いという気象情報で今季初の武尊山に行くことにした。土、日はオグナほたかスキー場と武尊牧場スキー場の間に無料シャトルバスを運行するとの事で、単独で家の串まで上がり、西俣沢を滑り降りて武尊牧場スキー場に達して、シャトルバスを利用してオグナほたかスキー場に戻るルートを計画した。。

   当日は気温が上がり、雪は重い粘着力のある状態で、雪崩の恐れは無い代わりに下部の長い緩斜面の下りラッセルがきつく時間もかかってしまった。武尊山では雪が締まっている時なら良いが、このような雪質の時は西俣沢、荒砥沢、十二沢いずれも上部の急な斜面は良いが、下部の緩斜面は下りラッセルがきついことを実感した。

   やはり滑りを楽しむなら、西俣沢も上部のみを滑り降りて登り返す方が良いだろう。 しかし、今年で武尊牧場スキー場は営業を辞めるとの事で、西俣沢を下まで降りられたことに満足の山スキー行であった。


  
1月29日(日)薄曇り時々晴れ
   単独

登行高度:460 m、 滑降高度:1000 m
オグナホタカスキー場トップ(9:15)-前武尊山(9:45〜9:50)−家の串(10:50〜11:05)−西俣沢1530m地点(11:40〜11:40)−1510mコル(12:45〜12:50)−西俣沢林道1243m地点(13:20)−武尊牧場スキー場下部(14:10)
   

  朝6時前に自宅を出て7時40分にオグナホタカスキー場に到着。リフトは動いていたがファーストトラック利用者限定で、正式には8時半から運行との事。準備して登山届を出してリフト券4枚を買って、リフト4本を乗り継いでスキー場トップに上がった。

  天候は良いが前武尊の上の方は雲に覆われていて見えない。すでに先行者2名がスキーにシールを付けて上がる所であった。自分もシールを付けて歩き出した。前日のトレースの上に先行者のトレースが付いていて非常に歩き易い。約30分で前武尊に達することが出来た。

  この頃から急速に雲が取れて来て見通しが良くなり、目の前に特徴的な剣ヶ峰、家の串、中岳、その向こうに沖武尊が見渡せた。しかし、南側、西側は雲海に覆われていて赤城山も見えない。

   ヤマトタケルの像                                        剣ヶ峰、家の串、沖武尊
      


  ヤマトタケルの像は胸まで雪に覆われていた。昨年よりかなり雪が多いがこの時期としては平年並みかやや少ない感じ。少し休んでシールのまま下り鞍部に達した。そのまま先行のトレースに従い、剣ヶ峰の下部をトラバースし、家の串の手前の鞍部に出た。

  いつもはそのまま家の串に至る尾根筋を上がり、急斜面はスキーを担いで上るのだが、今日は雪が深いのでそのまま上がるのは難しい。トレースに従い大きく左に回り込んで急斜面をシール歩行で上がった。それでも先行トレースは最後の尾根筋に上がる手前の急斜面でスキーを外して壺足で上がり、尾根筋からまたシール歩行をしていた。自分もトレースに従い家の串まで上がった。

    家の串頂上から見る剣ヶ峰から前武尊                            獅子が鼻山
       


  家の串では先行の2人連れがいた。トレースを付けさせてもらったお礼を述べてしばらく話をした。彼らは西俣沢上部を滑った後、登り返してオグナほたかスキー場に戻ると言って滑り降りて行った。

 
   中の岳から沖武尊、 右側が西俣沢                               越後駒ヶ岳、中岳
       


  頂上は日がさして暖かい。しばらく休んで周囲の山々の眺望を楽しんだ。北東側は見通しが良く、目の前に中岳、沖武尊、さらに越後駒ヶ岳、東側に木の間越しに燧ヶ岳、至仏山、平ヶ岳がくっきりと見えた。南方向は雲海の上に日光白根山、皇海山が頭を出していた。その間にボーダーのグループが上がって来た。西側は剣ヶ峰、前武尊が見えるがその先の遠方は雲海となっていた。


   燧ヶ岳                                              平ヶ岳、至仏山
       


  休んだ後はシールを外して滑降開始。雪は結構深いが湿気がありやや重い。粘着力のある雪で雪崩の恐れは無い。西俣沢源頭部のダケカンバやブナの疎林の間のやや急斜面を滑り降りた。快適な滑りは標高差で300〜400m程度で、緩斜面になるにつれて下りラッセルとなった。その辺で先行者は滑降を止めたようで登り返していた。


   西俣沢上部から見る                                         滑って来た西俣沢上部を仰ぎ見る
       

  自分はそのまま先を進んだ。谷底は割れている恐れが有るので右岸沿いのやや高い所を滑り降りて谷底1530m地点でスキーを外してシールを付けて右側の小尾根を越えるためラッセルを開始。重い雪で足首から脛程度のラッセルだがやはりきつい。しばらく行くと、後続の単独行の人がやって来た。

  この方はジルブレッタの締め具を付けた山慣れた方のようで先にどんどん進んで行った。しばらくその後を辿って行ったが、そのまま西俣沢を下っているようであった。西俣沢の下部は谷筋が急で谷が割れていて通れない可能性もある。その方は山慣れたベテランのようで大丈夫だろうが、自分はこの後を付いてのを辞めて右側の尾根筋の1510mコルまでハイクアップ。


   西俣沢中間部                                           西俣沢下部の林道を行く 
       


  一息ついてシールを外して右側のカラマツ林の中の谷筋を滑り降りた。ここは雪が締まっていれば快適な緩斜面だが重い雪で半分は下りラッセル。ようやく西俣沢に出た。林道は対岸にあるが、谷は割れていてそのままスノーブリッジを渡るのが危ないので少し上流側に上がってからスノーブリッジを渡り林道に出た。

  ここからヒールフリーにして長い林道を下り降りた。下部になると前日のもだろうがスノーシューのトレースが出て来た。最後はスノーシューのトレースに従い沢を渡る堰堤を越えて武尊牧場スキー場の下部に出た。

  オグナホタカスキー場に向かうにシャトルバスの発着場所を聞いてレストランに向かい休んで食べていると、係の方が来られて「お客さんはシャトルバスに乗るのではありませんか。最終バスが出るので待っていますから急いで来てください。」本日のの最終シャトルバスは2時半発だとの事で、西俣沢の途中で先行された方が乗っていた。

  この方は西俣沢をそのままシール歩行で降りたが、高巻きなどで大変だったと話されていた。無事にシャトルバスでオグナほたかスキー場に戻って本日の山スキー行は終了。日帰り温泉に入って帰途に着いた。
     


GPS トラック