立山 3003m   

   立山に山スキーで上がるのは5回目だろうか。10年以上前に2度ほど雄山の上から御前谷を滑ってタンボ平から黒部湖まで下りたことがある。今回もこのルートを取って帰ることにした。

   連休後の月曜日で快晴無風の好天にもかかわらず、スキーを持って雄山に上がったのはただ一人だけであった。途中で会った登山者も少なかった。

   天気が良くて雄山からの滑りは楽しめたが、下部は雪が少なくて滑りにやや苦労した。以前通った時よりかなり上で尾根を乗り越えた。

   他人に気兼ねすること無く自分の好きなペースで行ける単独行の良さを感じた山行でもあった。

  5月11日(月) 快晴 無風

単独  

登行高度:620 m、 滑降高度:1550 m、 

みくりが池温泉(7:10)-一の越(8:40〜8:55)−雄山(10:02〜10:36)-尾根乗り越え2430m地点(10:52〜11:07)-タンボ平(11:35)−黒部湖(12:05)

  みくりが池温泉で6時半からの朝食を取った後、準備して7時過ぎに出発。快晴無風の絶好の日和であった。室堂山荘、一の越に向かう雪が解けた登山道をスキーを担いで進んだ。

  登山道から見る大日岳。手前にみくりが池温泉が見える               雪が解けた登山道から見る立山
         


  雪が繋がりだした地点でスキーにシールを付けてシール歩行を開始。雪は未だ固く緩斜面は歩き易い。室堂山荘ではスキーを持った4,5人のグループがいたが、彼らはこの辺で遊んで帰るとのことであった。

  一の越への上りは誰もいなかった。雪が締まっていてシール歩行がやり易く、一の越手前のやや急斜面も快調に上がり一時間半かかって一の越に到着。単独の登山者が一人いた。少し休んで水を飲んでから、スキーを担いで雄山に向かって上がって行った。途中で単独と2名の登山者が上から降りてきた。


   一の越から見る御山谷後ろは後立山連峰                      一の越から見る雄山                   
      


  疲れないように非常にゆっくりのペースで上がったので、頂上直下でかなり後から上がって来た後続の2人連れ登山者に追い越された。一時間以上かかって社務所のある雄山頂上に到着。

頂上にある社                        御前谷最上部のクラックにツララ          社から見る剣岳
      


  行動食と水を飲み周囲の山々を眺望しながら休憩。昨日上がった剣岳が上の方だけ見えた。雲一つない好天気で風も無く暖かい。頂上の社に上がり礼拝。山崎カール側は雪が少ない。

   頂上から見る室堂周辺                                  社務所と御前谷上部。 右後ろは白山                  
        


   ゆっくり休んでシールを外して滑ろうとしていた時、朝食時に向かい合わせで話をした若者がやって来た。彼は別山から真砂岳、大汝山を経て雄山に上がって来たとの事。
      
   眼下に黒部湖。向うは赤沢岳、針の木岳                              槍ヶ岳が遠くに見える
       


  お先にと言って社務所の前から御前谷を滑り降りた。雪が適当に緩んで滑り易い。ショートターンを繰り返しながら上部急斜面を滑り降りた。中間部以降は斜度は緩んで来るが縦溝が出て来て足の筋肉に応える。時々止まって休んでから滑り降りた。


御前谷を見下ろす                     滑り降りた御前谷上部を見上げる             御前谷中間部から
    

  下部になると昨日滑ったと思われるトレースがいくつか着いていた。このトレースについて右寄りにトラバースしながら尾根筋に向かった。以前は2274m峰の先の鉄塔の所で尾根を越えた様な気がしたが、それよりかなり上で尾根を乗り越えている。

   雪が少なく尾根筋で雪が解けていて切れており先に行けないようであった。昨日のトレースに従い、ここでスキーを外して急斜面を30mほど上がり平らな尾根筋に出てスキーを付けてトラバースしながら尾根の反対側のタンボ平側に出た。ここでも雪が切れていてスキーを外して10mほど上がりスキーを付けた。

   ここからたんぼ平に向かって滑り降りた。急斜面を最初にターンした時にスキーが外れて流れ出した。スキーを装着した時にロックするのを忘れたので緩んだ重い雪でターンした時にスキーが外れたのだった。外れたスキーはどんどん先に落ちて行った。やや急斜面であったが重い雪で危険は無い。残った片方の雪で適当にブレーキをかけながらシリセードで滑り降りた。

   標高差で約150m滑り降りてやっと外れたスキーを回収。スキーを付けてロックをかけてタンボ平に向かって滑り降りた。途中でロープウェーが動いているのが見える。下部になると楯溝がかなり激しくついていて滑りにくいし足に筋肉に応える。

御前谷下部でトラバース                 滑り降りた谷筋をタンボ平から見上げる       黒部湖畔でスキーは終了
    


   時々休んで緩斜面を滑り降りてロープウェーの黒部平駅の手前で右側に取り黒部湖に向かって滑り降りた。途中雪が少なくて藪や木が出ていて滑りづらい。おまけに木片が落ちている。斜滑降、ショートターンと横滑りを交えて滑り降りたが、ターンした時にわずかに出ていた藪にひっかかり2度ほど転倒。

   その間に単独のボーダーが追い越して行った。苦労して谷筋を滑り降りて黒部湖沿いの登山道に出て一休み。スキーを担いで黒部湖沿いの登山道を歩いた。わずかな距離で地下道にあるケーブルカーの黒部ダム駅、さらに黒部ダムの堰堤を経てトロリーバスの黒部ダム駅に到着。大勢の中国人観光客がいた。

   トロリーバスに乗って扇沢に到着。駐車場で車を回収して帰途に付いた。今回も楽しいスキー行であった。

   扇沢で昨年見たクモマツマキチョウの生息地に立ち寄ってみた。今年も蝶愛好家の一人がカメラを持っていた。登山道の間に咲いていたスミレにオスのクモマツマキチョウが止まり給蜜していた。カメラを持ってくるのを忘れたので写真にとることは出来なかったが珍しい蝶を見ただけで満足した。


 
GPSトラック (登りは赤、下りの滑りは青、下りの歩きも赤)