別山 (2874m)、剣御前 (2876m)   

   今回はブルークリフの剣岳滑降のガイドツアーに参加した。剣岳には12,13年前のゴールデンウィークに平蔵谷のコルからカニのたてばいを上がろうとしたが、鎖場で兼用靴、アイゼンで上がるのが怖くなり引き返したことがある。それ以来一度は剣岳の頂上から滑って見たいと思っていた。

   雪のある時期ならカニのたてばいを通らず、インディアン久ロワールを上がり、大脱走ルンゼを滑るのが一般的なコースであることを後で知ったが、単独で行くのは躊躇していた。時々インターネット経由でブルークリフから山スキー用品を買っていたが、5月8日からの2泊3日の剣岳ツアーを実施することを知り、申し込んだところ受け付けて貰えた。ガイドツアーに参加するのは2度のヨーロッパオートルートを含め今回で4回目となる。

   普通ガイドツアーの上級コースにいきなり申し込んでも受け付けて貰えないとのことだが、これまでの経験を書いていたのを見て受け付けたとのことであった。ガイド料金は決して安く無いが安心して行くことが出来る。その代り、あなた任せの所があるのがやや問題である。

   初日は、室堂に集合してから雷鳥沢を上がり剣御前小屋に泊まり、周辺を滑走するとのことであった。

  5月8日(土) 薄曇り 後晴れ、風弱し

7人 (ガイド2人、 参加者5人)  

登行高度:1030 m、 滑降高度:710 m、 

室堂(10:08)-雷鳥沢下部(10:33〜10:45)−剣御前小屋(12:40〜13:05))-別山(13:35〜13:55)-剣沢2560m地点(14:05〜14:18)-剣御前(14:50〜15:05)-剣沢2510m地点(15:10〜15:30))-剣御前小屋(16:25)

  扇沢から7時半始発のトロリーバスに乗り、ケーブルカー、ロープウェー、トロリーバスを乗り継いで室堂に9時半ごろ到着。10時に室堂に集合し、自己紹介をした。参加者はスキーのIさん、Uさん、私、ボードのYさん、紅一点でスプリットボードのAさんの合わせて5名であった。ガイドは滝本さん、サブガイドが高木さんで全員で7名であった。

  スキーを持って室堂から出発。みくりが池温泉を過ぎて雪が繋がりだした所でスキー、ボードを付けて雷鳥沢下部まで滑り降りた。さすが上級コースである。皆さん、スイスイと降りて行った。

  雷鳥沢下部でシールを付けてハイクアップを開始。ガイドの滝本さんがトップで一番最後にサブガイドの高木さん。雷鳥沢の斜面を上がり易い角度を取ってジグを切りながら上がって行った。オートルートでも感じたのだがハイクアップで無理に角度を取ら無いで上がって行く。

室堂で出発の準備                    雷鳥沢をハイクアップ                    剣御前小屋に到着
    

  ここも今年は雪が少ない。上部になると雪が無くなって来たので、目印の赤旗に従い尾根筋の登山道をスキーを担いで上がった。2時間で剣御前小屋に到着。小屋の周辺は全く雪が無い。昨年5月20日頃来た時は雪に覆われていたが、今年は雪解けが非常に早いのを実感した。

別山乗越から見る剣岳                     室堂方面                        立山
     

  小屋で行動食を取り、余分な荷物を置いてスキーを担いで別山に向かった。午前中は雲に隠れていた剣岳も雲が取れて来た。剣岳も例年より雪が少ない。雪が無い夏道の登山道を上がり別山に到着。

        別山に上がる途中で雷鳥がいた                   別山の上で滑る準備をする
           

   雪のある北向きの谷筋急斜面を剣沢に向かって先ずガイドが滑り降りて安全であることを確認してから、5人が順番に滑り降りた。最後にサブガイドが滑り降りた。雪が程々に緩んでいて非常に滑り易く、急斜面の岩の間を滑り降りた。

滑り降りた谷筋を下から見る              滑り降りた谷筋                      岩の間の急斜面を滑る
    

  もう一滑りしましょうと言う事で、シールを付けて剣御前の上までハイクアップ。さすがにこの登りは疲れて来た。先行の4人は剣御前の上まで行ったが、後続のサブガイドを含め3人は手前の平坦になった所でハイクアップを中止した。

剣沢から見る剣岳。雪が少ない                            剣御前から滑り降りたトレースを振り返る
   

  シールを外してガイドを先頭に次々と剣沢に向かって滑り降りた。ここも滑り易い雪で快適であった。全員が滑り降りた後シールを張って剣御前小屋までハイクアップ。疲れた後のビールがうまい。全員で乾杯。


GPSトラック (登りは赤、下りの滑りは青、最後の剣御前小屋までの登りは電地切れで消えている)