至仏山 2228m
至仏山は5月連休前後でも登山口の鳩待峠付近から雪が豊富にあり駐車場からすぐシール歩行し、スキーが出来るのが魅力である。おまけに自宅から車で高速道路を使わずに85q、約2時間で行ける。もちろん首都圏からも近い。
至仏山直下は広い無立木の斜面が続くがそれほどの急斜面で無く、下部を見ながら滑りが楽しめる。下部はシラビソの樹林帯の中のツリーランとなる。そこで、初級者から上級者まで楽しめる山で、大勢の山スキーヤー、ボーダー、登山者でにぎあう。
至仏山での山スキーが気楽に出来るのは鳩待峠までの道路が開通する4月25日前後から、植物保護のため入山禁止になる5月7,8日までの約2週間である。
至仏山は7〜8年前まではほぼ毎年のように山スキーに出かけていたが、最近は行っていなかったので5年ぶりに出掛けた。天気が良く暑い日であったが、登りも滑りも楽しめた。
5月1日(金) 晴、風弱し
単独
登行高度:1400 m、 滑降高度:1370 m、 下降歩行高度:30m
一鳩待峠(6:45)-至仏山(8:45〜9:13)−尾根筋2124m地点(9:21)-尾根筋2180m地点(9:46)-ムジナ沢上部(9:52)-山の鼻(10:22〜11:02)-至仏山直下2070m地点-ワル沢下部1519m地点(13:52〜14:01)-鳩待峠(14:23)
出来るだけ朝早く出発できるように鳩待峠まで前夜のうちに行こうと夕方自宅を出た。しかし、尾瀬戸倉から鳩待峠までの道路は夕方6時から朝6時までの間は夜間通行止めとなっていた。仕方が無いので少し戻った道路沿いの駐車スペースで車中泊した。夜間でも早朝でも車が通り過ぎて行った。
朝5時に起きて簡単な朝食を取り、念のため5時半前に行って見ると既に、30台近い車が列をなして通行止め解除を待っていた。さらに後ろからも続々と車がやって来た。
10台以上後ろから来た車は、係員に上は満車状態になるので下の駐車場に止めてバスかタクシーで行ってくださいと言われたのだろうか、戻って行った。凄い人気状態に少しびっくりした。
ゲート前で列をなして待っている 鳩待峠付近の緩斜面を上がる
6時にゲートが開いて鳩待峠まで行き駐車場に止め、山スキーの用意をして出発。大勢の登山者、山スキーヤー、ボーダーがいた。雪はほどほどに締まっていて歩き易い。沢山の踏み跡が付いている中をシール歩行を続けた。
悪沢岳まで上がる尾根筋はブナ、ダケカンバ、シラビソの樹林帯で急斜面は少なく、木の間越しに見える至仏山を見ながら順調に高度を上げた。気温が高く暑くなって上着を脱いだ。途中では自分にとっては珍しく何人もの先行者を追い越して進んだ。
小至仏山と至仏山を見ながらハイクアップ
悪沢岳の手前から右に進みオヤマ沢田代から稜線沿いに進む。小至仏山の東側をトレースに従いトラバースして最後の上りで至仏山に到着。最後は単独のテレマーカーに追い越されたが、2時間で頂上まで上がり切ることが出来た。頂上には既に5,6名の登山者、山スキーヤーがおり、後からも続々と上がって来た。
至仏山頂で 尾瀬ヶ原と燧ヶ岳 会津駒ヶ岳
頂上からの眺望は素晴らしい。目の前の尾瀬ヶ原から燧ヶ岳、会津駒ヶ岳、越後駒ヶ岳、巻機山、上州武尊山などが見渡せた。しばらく頂上にいた後、山の鼻に向かって先のテレマーカーに続いて尾根筋を滑り降りた。
越後三山(越後駒ヶ岳) 平ヶ岳 大烏帽子、朝日岳方面
以前滑った尾根筋からムジナ沢方面に向かったが、今年は雪が少なく、雪が切れてハイ松帯となっていた。仕方が無いのでスキーを担いで登り返した。登り返す途中で、ハイ松が少ない岩の間をムジナ沢の雪のある所まで降りている2人連れを見て、上まで登り返すのを止めてその人たちの後をついてムジナ沢上部の雪のある地点まで出た。
燧ヶ岳を見ながらムジナ沢を滑る ムジナ沢中間部 樹林帯を下る。後ろは景鶴山
ここでスキーを付けてムジナ沢上部を滑り降りた。縦溝が付いていたが、雪が緩んでいて滑りには問題無い。快調に滑り降りて右側のシラビソの樹林帯を滑り降りて尾瀬ヶ原の末端に到着。平坦な雪原を少し行くと山の鼻に至る。
平坦な尾瀬ヶ原を行く、後ろは滑り降りた至仏山
営業をしている山の鼻小屋でビールを買いベンチで日向ボッコをしながら休憩。ビールを飲み行動食を取りながら30分以上過ごした。
もっといたい所だが登り返しも時間がかかる。樹林帯の中の踏み後の近くをシール歩行でハイクアップ。一時間近く歩いて樹林帯を出た。上に見える至仏山を見上げながらハイクアップ。上からは続々と登山者が下りてきた。
登りもだんだんつらくなって来た。頂上の方に行くには途中で雪が切れているのでスキーを担がねばならない。先行の上りのトレースは左に向かっていたので、それについてシール歩行し広い尾根筋の左側に出た。
ここでハイクアップを中止し、シールを外してスキーで尾根筋を回り込むと10人くらいのボーダーと山スキーのツアーグループがいた。ガイドが説明した後、順番に大斜面を左側に回り込みながら滑り降りていた。
その様子をしばらく眺めていたが、最後のサブガイドが下りるまで待っていると時間がかかりそうだったので、先に行かせてもらいますと言って真下に滑り降りた。雪が緩んでいて非常に滑り易い。途中入っていたクラックの間を通り抜けて下まで滑り降りた。
至仏山からワル沢に向かって滑る 下部の樹林帯を行く 川上川は一部雪が消えている
後は緩斜面の樹林帯をワル沢沿いに先行のトレースに従い滑り降りて川上川に達した。沢筋は一部割れている所はあったがスノーブリッジを渡って対岸に出た。ここで5,6名のボーダー、山スキーヤーが休んでいた。シールを付けて、この方たちの後をついてハイクアップをして鳩待峠に到着。
滑り降りた至仏山を振り返る 鳩待峠までの上り
鳩待峠でも大勢の人が休んでいた。至仏山の登り返しをした先行のテレマーカーと少し話をした。本日登り返しをして2回滑ったのはこの人と2人だけであった。尾瀬戸倉で日帰り温泉い入り帰途に付いた。
やはり近くて良い尾瀬の山であった。
GPSトラック (登りは赤、下りの滑りは青、下りの歩きも赤))