唐松岳 2696m (唐松沢本谷を滑る) 

   RSSAの4月例会で山スキー祭の2日目。参加したのは佐藤さん、牧野さん、私の3人。村石さんは不帰のルンゼを滑るとのことで途中から先に行かれ別行動となった。昨日とは打って変わった好天気で絶好の山スキー日和で、10数年ぶりの唐松沢滑降を楽しんだ。

 
  4月12日(日) 快晴、風弱し

3人  

登行高度:800 m、 滑降高度:1660 m、 下降歩行高度:70m

八方尾根スキー場トップ八方池山荘(9:00)-唐松岳山頂手前鞍部(12:35〜13:07))−大滝(14:00)-湯の入沢出会い(14:18〜14:40)-二岐(15:40)

   
  朝7時に3台の車で宿を出て二股まで行って2台の車をデポした。すでに沢山の車が駐車しており駐車スペースを探すのに苦労した。唐松沢に架かる橋の片側に駐車している車もある。好天気の日曜日で白馬岳方面、唐松岳方面に上る人が多いようである。

  宿に戻って朝食を取り、山スキーの準備をして宿の車で八方尾根スキー場のゴンドラ乗り場まで送って貰った。ゴンドラ、リフトを乗り継いでスキー場トップの八方池山荘まで上がった。

  既に上がった人、シールを張っている人など大勢の山スキーヤーがいた。我々もシールを付けてハイクアップを開始した。気温が高く雪が緩んでいる。数日前に積もった雪も締まっていて歩き易い。大勢の先行者のトレースに付いて上がった。


唐松岳を目指して尾根筋をハイクアップ        左正面に五竜岳、その後ろに鹿島槍ヶ岳      右側に不帰連峰とルンゼを見ながら進む
   


  八方池近くの尾根筋は雪が解けていた。スキーを外して壺足で尾根筋をしばらく歩いて雪が出て来た所で少し休憩。快晴で目の前に見える五竜岳、鹿島槍ヶ岳の眺望が素晴らしい。


雪の解けた尾根筋を歩く                 不帰連峰とルンゼ                     唐松岳を見ながら最後のハイクアップ
    


  ここからの尾根筋の急斜面も先行トレースに従い適当にジグを切りながら上がった。クトーを持参しなかったので付けなかったが、クトーなしでも滑ることなく上がることが出来た。

  上がり切った丸山の先で休憩。遅れて上がって来た佐藤さん、牧野さんと合流した。その後の急斜面もシール歩行のみで上がり切りった。途中で、上から滑り降りてくる人、あるいはスキーをデポしている人がいた。唐松岳山荘のある小ピークに上がった後、スキーを外してわずかな距離で唐松岳山頂手前の鞍部に達した。


唐松岳を見ながら鞍部まで下る            左正面に剣岳、立山                   唐松岳山荘
      


  五竜岳、鹿島槍ヶ岳、剣岳、薬師岳などの山々の眺望が素晴らしい。本日はピークハントが目的で無いので唐松岳には上がるのは止めてここで昼食の休憩を取った。鞍部には10人近いグループがいてこれから唐松沢を滑る準備をしていた。唐松沢を上から見るとやはり急斜面で緊張感を覚える。

五竜岳をバックに牧野さんと                天狗岳、後ろは白馬岳                 急斜面の唐松沢を上から見る
    


  先行のグループはリーダーらしき人がいろいろ注意を与えてから一人づつ滑り降りて行った。休憩の後はシールを外して牧野さんを先頭に上部急斜面を滑り降りた。上部10cm位の雪は昨日よりも締まっているが軟らかい。その下のザラメ雪も緩んでいる。やや凸凹があるが滑りには問題無い。上部の2,3回のターンは緊張したが、後は快適な急斜面となった。


急斜面の唐松沢上部を滑る
    


  適当にターンして降りると先行のグループに追いつた。やはり大勢のグループで遅い人がいると時間がかかる。先行のグループを追い越して快適なターンを続けて斜度が緩くなった不帰のDルンゼの出合いで少し休憩。水を飲み行動食を取り広い緩斜面を適当にターンしながら滑り降りた。

     急斜面を下りた所で上を見る                         快適な広い斜面を滑る                   
           

  不帰沢、天狗沢を左手に見て下った。さらに右手には無名沢が出て来るがデブリがかなり出ていた。唐松沢も左右両側からデブリが出ている。デブリを適当に避けながら滑り降りた。

    デブリの横を滑り降りる。 左が唐松沢本谷                     中間部の緩斜面を滑る                    
                 


  滝の所で高巻きをしている先行のトレースが見られたが、滝は未だ通過できるだろうと牧野さんが滑り降りて滝の横を滑り降りた。自分も牧野さんに続いて滝を通過した。後はデブリ帯の中をデブリを避けながら通過した。

右側の無名沢下部はデブリ、土砂が一杯       大滝を通過                          高い雪壁を下りて沢を渡渉
    

  湯の入沢の合流点ではスノーブリッジは消えて沢の水が流れていた。靴が水に濡れるのを覚悟で渡渉しなければならない。しかし、沢を渡渉するにも沢に下る雪壁が高く容易に下りられそうも無い。牧野さんが一度おりかけた所は下に水が流れており難しそうだと別の降りる場所を見つけていた。

  自分は過去に湯の入沢の堰堤の上部の雪が繋がっていた所で対岸に渡った経験があったので、スキーをザックに付けて上流側に歩いて上がり、スノーブリッジがしっかりしている地点で対岸に渡った。しかし、堰堤の所の雪壁の傾斜がきつく堰堤を滑り落ちてしまった。幸い大したことは無くそのまま堰堤の下からスキーを付けて林道まで滑って行くことが出来た。

  その間に牧野さん、佐藤さんは沢に降りる雪壁を見つけて降りて渡渉して林道を先行していた。後続のグループもその箇所を渡渉していた。林道の滑りも最初は良かったが、途中から左側からの雪崩によるデブリ、土砂が覆っていたり沢の水で雪が切れていたりで、たびたびスキーを外して歩かねばならず予想以上に時間がかかった。その間に後続の若手グループは追い越して行った。

  最後のの700〜800mは除雪が入っていてスキーは使えない。スキーをザックにかついで歩いて二股まで戻った。デポした車で宿まで戻り、後片付けをして皆と別れた。後は日帰り温泉に入り帰途に付いた。


 
GPSトラック (登りは赤、下りは青。下りの一部にGPSの間違いがある)