谷川岳、一ノ倉岳、茂倉岳(芝倉沢右俣を滑る) 1978m 


   谷川岳は自宅から近い山スキーの好適地で、3月末から4月上旬にかけて毎年のように出かけている。3月15日の日曜日は好天気が期待されたので今年も谷川岳に行き、一ノ倉岳を経て茂倉岳まで縦走して茂倉谷あるいは芝倉沢右俣を滑る計画を立てた。

   谷川岳方面は10〜11日にかけてかなりの量の降雪があったようだが、それ以後は降雪が無い。気温もやや低めの日が続いて雪は締まって来て比較的安定しており雪崩れの恐れは少ないと思われた。
 
 
  3月15日(日) 晴 風弱し

単独

登行高度:680 m、 滑降高度:1290 m 

天神平(7:25)-谷川岳(9:50〜10:00)−一ノ倉岳(11:35)- 茂倉岳(12:00〜12:40)-稜線上芝倉沢右俣源頭部(13:10)−芝倉沢右俣、左俣合流点(13:20)-紅芝寮(13:45)−土合橋(15:00)

   谷川岳ロープウェーは土、日、祝日は朝7時から営業する。前夜のうちに土合の近くまで行き車中泊した。朝5時半に起きて簡単な朝食を取り準備して、土合駅に行くと駅周辺の駐車スペースは既に満車状態であった。ここに車を停めて置き、茂倉谷を下りた後電車で土樽から土合まで戻る計画を立てていのだが。

  仕方が無いので谷川岳ロープウェー乗り場の駐車場まで行き車を停めた。準備して6階のチケット売り場に行くと既に20人以上の人が行列を作って待っていた。ほとんどが登山客のようであった。

  片道のチケットを買ってロープウェーに乗り天神平まで上がった。谷川岳の上の方は雲に隠れて見えない。昨日から大勢の登山客が谷川岳に上がったようで、踏み後はがしっかり付いて踏み固められていて歩き易い。最初は急斜面なのでシール歩行を止めて、スキーを担いで上がった。登山者が多い。さらにボードを担いでスノーシューで上がるグループ。山スキーの人もいるが思ったより少ない。

  最初のゲレンデ横の急斜面を上がりきると尾根通しの緩斜面の下りとなる。ここでスキーを履いてわずかな距離だが滑って降りた。さらに天神尾根の上りとなる地点で再びスキーを担いで登って行った。結局今回は最後までシール歩行をせずスキーを担いで上がったが、途中でシール歩行をすべきであった。偏った筋肉の使い方をしたので足がつったり、筋肉痛が後まで残ってしまった。

  今年は雪が多いようで熊穴沢手前の急斜面の崖も兼用靴でアイゼン装着無しで問題無く通過できた。一時間弱で熊穴沢上部の避難小屋に到着上の煙突だけがわずかに出ており、入り口は雪の中のかなり下であった。

  避難小屋で休まずそのまま歩行を続けた。ゆっくりペースで上がるので次々に追い越される。上部は雲に隠れて全く見えない。途中で出会った単独行の山スキーヤーと話をした。彼は万太郎まで行く予定だがこんな天候ならまた駄目かなと話していた。先週の土曜日も谷川岳に上がったが天候が良く無かったと言っていた。

  最後のやや急な斜面を上がり切ると肩の小屋に至る緩斜面に出た。この頃から雲が取れて来て青空が見えるようになって来た。結局、頂上まで休まずに上がり切った。ゆっくり歩いたが、それでも天神平から2時間半かからなかった。

       谷川岳頂上から見る一ノ倉岳、茂倉岳            谷川岳頂上(オキノ耳とマチガ沢上部
           

 頂上に上がった頃から雲は完全に取れて青空となり遠方の雪山が光に映えて美しい。頂上でしばらく休憩。天気も良くなったし一ノ倉岳まで行けそうだなと思って見ていると、すでに先行者が何人かいる。向うのオキノ耳には大勢の登山者が上がっている。

 兼用靴のままトマノ耳を下って行った。一ノ倉岳までの稜線直下の雪面は大きく波打っており、、クラストしていて固そうでスキーでトラバースして行くことは止めた。鞍部の風当たりが少ない所でアイゼンを装着した。


 先行者のトレースに付いて稜線上を進んだ。一か所急な崖があり、こわごわと両手も使って降りた。トレースに従い進み、休んでいるスノーボーダー、単独行の山スキーヤーを追い越して一ノ倉岳の手前の鞍部に出た。ここも休まず上った。

  一ノ倉岳のやや急な斜面は疲れてペースが遅くなった。後続のボーダー、山スキーヤーに追い越されてようやく一ノ倉岳に上がった。広い一の倉岳頂上の見晴しは素晴らしい。雲はすっかり取れて遠方の雪を被った山々の眺望が素晴らしい。眼下には芝倉沢が見通せた。


の倉岳から見る茂倉岳                一ノ倉岳から見る谷川岳               万太郎山と仙の倉山、後方は苗場山
  


  一ノ倉岳には続々と山スキーヤー、ボーダーが上がって来た。ボーダーの一人がファーストトラックを付けて芝倉沢を滑り降りるのを見ながらさらに歩を進めた。緩い下りの後、茂倉岳の上りに入った。雪は比較的締まっていて歩き易かったが、所々埋まってしまい足を取られる。

  スキーにシールを付けてシール歩行にするべきであったがそのまま茂倉岳まで上がった。その間に後続のシール歩行の山スキーヤー3人に追い越されてしまった。

  茂倉岳にようやく到着。風も無く暖かい。昼食を取りながら長い休憩を取った。振り返ってみると通って来た一ノ倉岳、谷川岳。左手には万太郎山、仙の倉山。一か月前に滑ったシッケイ沢が見える。その向こうには苗場山。正面には巻機山など越後の山々。さらに尾瀬の山々。右手には白毛門、朝日岳。その向こうには武尊山、日光白根山。
  
巻機山方面                          白毛門、朝日岳 右遠方は武尊山        尾瀬の山々
  

  休んでいる間に先行のボーダーたちが正面の雪庇の間から果敢に芝倉沢を滑り降りて行った。3人の山スキーヤーたちは左手の稜線沿いを滑り降りて行った。たった一人だけの茂倉岳山頂を楽しんだ後は、左手の稜線沿いを鞍部まで滑り降りた。

          茂倉岳から見た一ノ倉岳と芝倉沢源頭部
          


  当初の予定はここから茂倉谷を滑り降りる予定であった。しかし、土合駅に車を停められなかったので土樽まで下りて電車で土合駅に戻った後駐車場ビルまで歩かねばならない。おまけに電車は15時24分しか無い。茂倉谷を下りたら土樽駅で一時間近く待つ必要がありそうである。

  鞍部から少し茂倉谷の方へ降りて見たが、上部は雪がクラストしていて固い。おまけに波打っていて滑りづらい。そこで、茂倉谷を下りるのを止めてセカンドチョイスの芝倉沢の右俣を滑る事にした。

  稜線沿いを進み、右側を撒いて滑り降りると次の鞍部に出て先行の山スキーヤーに追いついた。彼らはさらに稜線沿いを笹平の方に行くようであった。眼下にはほどほどの急斜面の芝倉沢右俣が広がっていた。左俣ほど広く無いが滑り易そうな斜面が続いている。粘着力のある雪で雪崩の恐れは無さそうである。やや重いがパウダースノーの滑り。適当にターンしながらノートラックの滑りを楽しんだ。

芝倉沢右俣上部を滑る                  芝倉沢右俣下部から仰ぎ見る               芝倉沢左俣方面はトレースが一杯
  


  ゆっくり降りても下りは早い。左俣との合流点に出ると左俣からのトレースが沢山付いていた。本日芝倉沢左俣を滑り降りたのは20〜30人はいるだろう。トレースが一杯ついている芝倉沢下部を滑り降りた。下部も滑り易い雪で、いつも出ているノド付近のデブリは全く無かった。

  登りで無理をしたためか足がつって来てやや痛い。スピードを落としてゆっくり降りている間にボーダー2人が上から滑り降りてきた。紅芝寮を過ぎると湯檜曽川沿いで平坦になる。しばらく休憩して筋肉痛が引くのを待った。

       湯檜曽川沿いを行く                         湯檜曽川沿いのブナ林
          

  休んだ後は先行者のトレースに付いて進んだ。途中のマチガ沢出会いの沢も雪に覆われていて渡渉の必要が無い。ようやく土合橋に付いて本日の山スキーは終了。駐車場ビルまで歩いて上がり車を回収。日帰り温泉に入った後帰宅に着いた。

GPSトラック(赤が上り、青が下り)